お助けキャラは大変・・・なのか?   作:助っ人大好きマン
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ひ、久しぶりです(大汗)。


第6話 人生(キャラの方向性)相談。

……やぁやぁ皆さん。【お助けキャラ】こと小林一郎の兄、小林零也だ。

唐突だが、みんなは今後の人生を左右する程の選択を、誰かに()()()()()ことはあるだろうか?まぁ所謂「人生相談」ってやつだな。

あぁいや、別に人生相談されたことがない人達のことをバカにしているわけではないのだ。それは周りの人が悩んでいないという、とても素晴らしいことなのだから。

 

それで、なんで俺が急に人生相談を題材にしたことに疑問を持っていることだろう。

 

まぁ何故かっていうと――――――――俺が今その「人生相談」を受けているからだ。

肝心のその相手は……………

 

「兄貴…龍牙が龍牙が…………ッ!」

 

弟である小林一郎だった――あ~うん…用件は分かる。多分アレだ、時系列的に龍牙が女性だったのを見ちまったんだなきっと。

俺はこの先の展開ある程度しってるからショックはないけど、実際今まで男だと思ってた奴が実はれっきとした女性だったというのはかなりショックなことだろう、【小林一郎(親友ポジション)】には特に。

 

 

「大丈夫だ、落ち着いて話せ。」

「あ、あぁ…でさ兄貴……龍牙が女だったんだ!?」

 

 

知ってた。ついでに言うとあの子元々女の子だぞ。

 

 

というわけにもいかないな…ここは一郎が変な結論を出す前に()()()()()に誘導するか。 

「……一郎、お前がヘソフェチで、真正の変態だというのは知っていたが…ついに男友達を脳内で性転換させるまでに……?」

「えっ?」

「くっそ!こうなったら前々から調べておいた精神科で………!!」

「違うぞ!?これはギャグじゃない…マジだっ!!?」

「…流石にその目を見てりゃ分かるよ。お前の兄だからな。」

「…!?じゃあなんで………」

「落ち着いたか?」

「あっ。」

「そうゆうことだ。」

今の状態ではマトモな会話が望めそうになかったからな、一郎のことをバカにしたようで悪いがこの場合は仕方ない事だろう。

 

 

「じゃっ、お前も落ち着いたことだし、詳しい事を聞こうか。」

「お、おう…悪い、ちょっと混乱してたみたいだ。」

「誰にでもあることだ。俺だって友人が女だったら取り乱す」

「そうだ……いや、まだ龍牙が女だと決まったわけじゃないぞ?」

「まぁそこんとこの結論は議論してからにしようか。」

 

そこから俺は女性版龍牙―――一郎が『まだ確定したわけじゃない!?』と必死だったためこれになった―――に一郎が遭遇した経緯を聞き、そこから様々な仮定をだしていった。

 

「龍牙は双子で今回は女性版のほうが登校して来たというのは………」

「俺も龍牙君の家に行ったことがあるけどあの子が双子だっていう話は聞いたことがないね。それに、その程度のことならお前に話すだろ。」

 

「俺の幻覚だったって可能性は………」

「精神科行くか?」

「遠慮する。」

「それが答えだな」

 

「…まさか【黄竜】の呪いか!?」

「流石に滅茶苦茶だ。それに『何故今になって?』というはなしになる。」

「成長期だったってことで……」

「ナイナイ。それに流石に呪いの類だったら他の子達…お前の言葉を借りれば『ヒロインズ』のだれか、若しくはお前に話すだろ?」

「だよなぁ……」

それから結構な時が過ぎ、俺と一郎はこの後も様々な仮説を出した。その中にはまるで突拍子もない仮説も出て来て、原作通りに一郎の奴がとある『真実』―――火乃森龍牙が女性であるということから目を背けたいことがありありと感じられた。

 

俺は原作と違う展開にならないようになんとか『龍牙女体化事案』を違った結論にさせないように誘導し、なんとか『この場は保留』を勝ち取る事が出来た。

(はぁ…なんとか原作改変は回避できたか。)

俺は密かに胸を撫で下ろしながらも、その日の夕飯を作りに取り掛かった。

 

 

 

その数日後………

(うん?あれは…………)

これからとある用事で出掛けようとした俺は、今我が家族内で一番話題に上がっている男(女)がいた。

「龍牙君。お久しぶりだね?」

「あっ、零也さん…」

男性にしては低い背丈、どちらかというと女性に見える顔、数か所に赤のような色彩の入った髪。

うん…ホントにね、こうして見るともう完全に女の子に見えてしまうね。

 

「この道を通って来ってことは家になにか用事でもあるのかい?」

「はい…実は、少し一郎に話すことがあって・・・・」

「それは、僕も聞いた方がいい内容かな?」

「……………。」

「分かった。無理にとは言わないよ」

「えっ…でも――」

「誰にでも話したくないことの一つや二つ、よくあることさ。勿論俺にもね?」

「ありがとう、ございます。」

 

なるほど、今日は龍牙が一郎に本来の性別を明かす日か………まっ、俺に出来る事はなさそうだな。

 

「気にしないで、俺はしばらく留守にするから、一郎には勝手に冷蔵庫探る様に言っといてくれると助かるね。」

「分かりました。伝えておきます。」

留守にするというのはあながち間違いではない。俺が先ほど言っていた用事…それは、新刊のことについて担当の人と話し合うことだ。

正直あの人は底が知れないので出来る事なら遠慮したいが…担当との話し合いはどうしても避けては通れない仕事なので行くしかない……ハア、思い出すだけで憂鬱な気分となる。

 

「じゃあね。その話す内容は分からないけど、一郎に宜しくね?」

「はい。」

普通に気が沈んでいる龍牙の様子に内心苦笑しながらも、インターホンを鳴らした彼―――否、これから心情では彼女となるのだろうか?

そんな彼女を一郎が迎えた所までを確認し、俺は駅に停まっていたタクシーを拾い、俺が本を出版してもらっている【ブラック文庫】へと向かった。

 

 

 

ブラック文庫本社・第五会議室

「いやだから何度も言うように主人公の過去をこの場面で入れることによって、これまで敷かれてきた伏線が一気に回収されるんですよ!?ここでいれないわけにはいけません!!」

「でもそれだと本のページ数だって一気にオーバーするんだよ?そりゃ多少は融通は利くけどいくらなんでもこのページ数は――例え我が出版社のエースでもある君でも……ねぇ?」

 

俺は今目の前にいる女性担当者と討論を繰り返して来た。

てゆうか俺がさっきからこのシーンの重要性をこんなにも必死に説いているというのに、この人がページ数を理由にイヤイヤ言ってくるためにさっきからずっと平行線である。

 

目の前の女性は、さっき言った通りに俺の本の担当者、榛原恵(はいばらめぐみ)さん。20代前半(だと本人は言っている)、結構な数の人気作品を抱えているやり手の担当者で、たかだか新人賞を受賞しただけの俺に声を掛けてくれたありがたーい存在ではあるのだが……なんと言うかこの人、うん。底が知れない。ほんっとうに底が知れない。いや別に異能力者とか使徒の類とかゆう話ではなくて、本当に何故か底が知れない。

 

「だーかーらー!ここで過去編入れとかないと主人公の宿敵(クマ)との関係が不明瞭なまま次巻へ行っちゃうんですよ!?いざとなれば土下座だって土下寝だってしますから!」

「あぁ……そう―――それならね。こっちにだって考えってもんがあるんだよ?」

「え?」

 

「2巻同時発売」

 

「すんませんした許して下さい俺に出来る範囲ならなんでもやります。」

ここで『なんでもしますから』と言わないのがミソである。『うん?今何でもするって…』という展開は絶対に防ぐ。

 

「そんじゃまあ若君弄りはここまでにして……」

「えぇ!?」

「実際にはそのぐらいのページ数で大丈夫だよ。丁度コミカライズの発売日と近いし、ある程度長けりゃ良い宣伝になるしね?」

 

「………」

「〝ありがとうございます恵様〟…は?」

「ありがとうございます恵様。これからも精一杯書かせていただきます。」

「お、おぉ…本当に言うとは思わなかったよ?」

実際結構な感謝もんである。自分的にも(恐らく)読者側にも。今回の話的にもどうしても過去編は入れたかった……全て無駄になったとしても粘った甲斐があったというものである。

「さて、原稿の方は前に送られてきたし、打ち合わせ自体はさっきのでほぼ終わったから、今日は帰っていいよ?あ、でも新刊を出したからと言って書くのをサボっちゃダメだよ?」

「分かってますって、俺が今まで原稿の提出期限を破って黒服の方々に『ホテル詰め』されたことがありました?」

「…ふぅ。本当に、君みたいな真面目な作者が増えてくれれば、こっちも半日以上を追っかけに使わなくて済むのにね…。」

ん?なんかやけに実感が籠っているコメント・・・まさか

「今日だれかの追っかけでもしてたんですか?」

「…【オーバーヒーロー】の勇王(ゆうお)先生を追って軽くアキバまで行ってたよ。」

「……お疲れ様です!!!」

 

成る程勇王先生か…たしかにあの人仕事はスピーディ且つテクニカルだけど仕事をサボりがちになるような気がするな。この前雑誌のインタビューの一環で対面したときも『もう今すぐ帰りたい』オーラムンムンだったし、

「今はどうしているんですか?」

「ホテルだと何故か脱出するから丁度この隣の会議室で後ろに黒服さんを三人従えて(強制的に)仕事させてるよ。」

「まぁあの人は何だかんだ言って締め切り(多少は)守るから大丈夫じゃないですか―――」

 

『アァアアァアア!アイディア浮かばないのオオォォォオオオーーー!!!?」

 

「「…………………………」」

 

…成る程職業病か。

 

「差し入れ持ってった方がいいですか?」

「舞い上がって身に入らなさそうだからダメ。」

了解っと………

 

 

 

俺は勇王先生にご冥福をお祈りしながらも、会議室の時計を仰ぎ見……って、もうこんな時間(午後六時)か。

一人で飯を食べれるようにはしているが、一応戻ったほうがいいだろうか?

 

「さっきも言いましたが、俺はもう何もないので帰ってもいいですかね?」

「あ~うん…まぁ問題ないっちゃ問題無いんだけど……」

「けど?」

「この後飲みにいかない?」

「…すみません。もう一回お願いします。」

「だから飲みに行かない?さっきも言った通り私勇王先生追って疲れちゃってさー。」

「あ~・・・・・・・・」

一応行けなくもないがどうしたもんか、上司との付き合いは大事なことだし。行ったほうがいいのは分かっているんだが…

 

「ねぇ頼むよ~君だってこの後暇だろ~♪」

「あ〜確かにそうっすけど……わざわざ行く必要有ります?俺。」

「酒は大人数で飲んだ方が楽しいだろ?」

まぁ確かにその通りなんだが…フム…………

 

「ちょっと電話入れてきてもいいですか?」

「弟さん?」

「はい。遅くなることは一応言っといたんですが…飲みに行くとなればもう日を跨いでも可笑しくなさそうなので」

「いいよ別に、誘ってるのはこっちだしね~」

上司に許可をとり、俺はスマホにて一郎に連絡を入れた。

プルル。プルル………ガチャ

「よお一郎(元気じゃないのは確定的に明らかだが)元気か?」

 

『…ああ兄貴か、うん。平気だ』

 

声が暗いことは口に出さず、俺は簡潔に用件を説明した。

 

「ちょっと上司と飲みに行ってくる。」

 

『了解。』

 

「適当に冷蔵庫の中を漁ってくれ、なんかの作り置きが入ってるはずだから。」

 

『わかった。』

 

「じゃあな~」

 

ガチャリ

 

いかにも絶望感漂う弟の声を聴き、後でしっかりメンタルケアしとこうと思いながらも、俺は絶賛お待たせ中の上司を振り返る。

 

「連絡したんで、行きましょう。この後直ぐですか?」

「いんや、この後私ちょっと予定があってね~ウチの資料室使ってもいいから15分程待ってくれると助かるよ。」

「・・・分かりました。どうせ店舗催促用のSSも書かないといけないので丁度いいです。」

「ん。相変わらず君はものわかりが物分かりがよくて助かるよ。」

 

 

 

 

 

 

三時間後・・・・

 

「…君、酒強いね。」

「ハイ?まぁ確かに祖父母に酒くっそ強いのがいましたのでたぶんそれの遺伝ですかね…」

(本人からしたら)想定外の事態に辺りをみわたしながらも零也は不思議そうに首を傾げた。

辺りには彼と勝負した挙句見事に潰されてしまったものたもの達が死屍累々とはこのことかと万人が納得するような光景が広がっており、お冷を運んで来た女性の店員が青ざめた顔をして零也を見ているが、彼自身はなぜそんなに顔を青ざめさせているいのるを見て苦笑いをした。

 

(そういや成人式の時もこんなことになってたな)

彼が思いだしたのは早二か月前となった成人式、彼自体は中高からは他校の学校に通っていたので小学生時以上の友人はいないのだが、折角なのででることにした。無事に成人式を終え、再会した(といっても結構な頻度で会ってはいたが)友人達と二十歳になってまず最初に行った所は…居酒屋だった。

 

そう、彼らが最初に行ったのは『大人になったらやりたいことランキング』堂々の一位(?)である『飲酒』だった。

動機は勿論 『大人の味』とは何か? 『酔う』とはどのような感覚なのか? という人間ならではの疑問、それと……もう一つ。

 

『あの零也の済まし顔を台無しにしたい(しよう)!!』

 

彼らが言うように普段彼は【冷静】を顔に書いたような感じ("家族"の前以外)だ。

無論友人が不良に絡まれたときは憤怒の表情を見せながらも助けられた友人達ですら恐れ戦く(おそれおののく)程の暴れっぷりを見せたのでまったくの無表情という程ではないのだが、如何せん普段の彼は余りにも感情の起伏が顔に出難いのは確かなので、今回零也の級友達はお酒の力を使って彼の無表情を崩そうとしたが・・・・まぁ結果は現在の状況を見て貰えばお分かりだろう。

 

彼の名誉のために一応言っておくが、別に彼が飲んだ酒と同じ量の水を飲んでいるとか彼の友人たちが特別酒に弱かったとかではなく。唯々零也が異常に酒に強いだけである。因みにコレは彼が持っているスキル【超人】の効果に由来するもので、身体能力同様に彼の内臓器官も強化されているのが理由。

そして時は現在へと巻き戻る・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

「はーいじゃあ今回は割勘なんで皆さんの財布から(勝手に)抜いていきますねー…っと。」

俺はこの場にいるいる人達すべてから財布を(無断で)拝借し、俺はお会計をすませた。

…にしても、俺と飲む人は(例外を除いて)みんなお酒に弱かったのかねぇ?一部のと人たち除いてみんなほぼ酔い潰れたしまった……

「俺が酒に強強すぎるのが問題が………滅多に酔えないってのは、中々辛いもんだねぇ。」

俺はその後自意識を保っている人達に別れを告げ、酔いつぶれた人の内で家が近い人は送り、遠い人はタクシーにぶち込んでその人の財布から払って貰った。

自己責任だから、ウン、シカタナイネ。

 

「うー…じゃあ零也君。護衛よろひく………」

最後の恵さんだけはうちと家が近いため、このまま送ることとなった。あぁ後今変なこと考えたヤツ、後で屋上な?って何言ってんだが…

「頼むから自分の足で歩いてくださいくださいよ…その、()()()()と当たっていますし……」

恵さんは結構起伏のある体つきをしていて、それで…あーなんだーそのー……アレがかなり大きい。そんな女性特有の武器がさっきから俺の腕にガンガン当たっている所為で、思考が乱れまくってる………

「う〜ん……あっつい。」

瞬時に嫌な予感が頭をよぎり、俺は即座に自信が羽織っていたコートを恵さんに羽織らせた。

「脱がないでくださいよ?」

「え〜?でも……」

「脱ぐんだったらお家の中で幾らでもどうぞ、そこだったら誰も文句言わないですので。」

こんな所で脱いだしまったら自分達が公衆猥褻罪でささっと捕まってしまう。

「ね~頼むよ~~。」

「ハァ…家も近いですし、もう少しだけでも我慢してください。」

「うぃ~~ムッシュ!」

・・・今の世代でわかる子いんのかそのネタ…?

 

 

 

 

 

 

 

恵さんを部屋に送り届けた俺は、そのままその足で家に帰ろうとした。

 

………したのだが、

「なんでこんなに使徒が闊歩しているんだ……?」

俺の目の前には近所でよく供養に使われている共同墓地があり、その中には何故か使徒が七体もいた。

これまで知られなかっただけでここでは使徒による使徒のための使徒専用の使徒集会でもあるのだろうか?

 

宴会で緩んだ体を力ませて無理矢理臨戦態勢を整える。

 

「丑三つ時―――ではないけど、こんな子供の遊び場でなにやっていやがる?」

威圧を込めた声で俺は使徒共に問いかけた。

 

 

『…!…何故ここに人間がいる………?』

『いや、寧ろ丁度いい。あの使()()()()()()を襲う前にこの人間で準備体操と行こうぜ!』

『いいねぇそれ!屈伸と同じぐらいの運動量にはなるだろ!!』

 

って、オイオイ。完全に俺を格下だと思ってっぞあいつ等―――――あ、そうだ。

 

「ハハッ!舐めたこと言ってくれんじゃねぇか!!お前らなんぞ――――柔軟体操にすらなんないようにな?」

姿勢を低くしクラウチングスタートの態勢をとり不敵に素敵に嘲笑って見せる。

 

『人間風情が言ってくれんじゃねえか!!』

『こちとら七人がかりだ。悪いがお前に勝ち目はなさそうだが?』

 

ッハ!そうゆうのは―――

「俺を地面に這いつくばせてから言え!!!」

『『『『『『『上等(だ)!!!?』』』』』』』

興が、乗って来たし…丁度いい―お辣和えにコイツの()()()()()()はまだ試してなかったしな!!!

 

己の中にある蒼くシャープな体型をした一体の化身――――――それを自分の周りに…(キモチ)を纏うイメージ…これはやっと去年から出来るようになった俺の新技術。

 

 

「【音速のバリウス】!!A(アーマー)アームド!!」

俺の後ろに現れた蒼いシャープな肉体をした化身が黄黒い光に変化し、俺の周りに纏わり――――なんか表現が違うな。『鎧を着る』っていったほうが正しいか?

 

その黄黒い光が俺に触れた瞬間―――俺は、音速の戦士となった。

 

 

 

パァァン!!

 

 

 

 

・神の視点

彼が音速の壁を破ったことによって発生した衝撃波が発生した後の一秒、様々な事が起こった。

「………ッ!」

瞬時に背後に回った零也の文字通りの突貫により、背中をとられた使徒二体の体に人間大の風穴が開いた。

「――シャア!!」

すぐにはなった中段蹴りにて目の前にいたハンミョウ型の胴体を爆散。――――直後の後ろ回り上段蹴りによって頭部を破壊した。

「ッフ!!!」

次も攻撃に繋げるかと思いきや、彼は思いっきり()()を蹴飛ばし、上空に打ち上る。

「…………。」

そして何を思ったか、空中で陸上のクラウチングスタートの構えをとった。本来は自身の速度限界以上の速度を出すための構えを、踏み締めるための地面がない上空でとった。

 

だが、彼の足は確かに地面を踏み締めているかのようだった。

 

「【ゼロヨン】!!!」

瞬間、彼の体はさらに加速し―――――――――

 

「―――ッッシ!!」

【技】の硬直が終わり、彼は踵落としをまたもや地面に向かって放ち――――――地球に真正面から唾を吐き掛ける様に巨大なクレーターを形成した。

 

この間、僅か一秒である。

この間、僅か一秒である(大事な事なので二回いいました)。

 

当然のことながら当たりの使徒は例外なく吹き飛んだ。

 

 

 

 

辺りには使徒が唯一の証拠とでも言うような黒い破片と、10Mぐらいの大きなのクレーターの中心で佇む『国の予算に結構な打撃加えちまったな』と思う零也であった。

 

 

 




Q.私は戦闘描写が苦手ですどうしたらいいですか?

A.格闘技でもやれ。
↑実際に会った友人との会話。




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