二人目の妹は入学すら出来ませんでした 作:スパイラル大沼
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目が覚めると、あたしは部屋で寝ていた。えっと……昨日は確か、シュウさんとデートして、帰りに兄ちゃんがピンチになってて、それで誰だか知らないけどその場にいた四人をフルボッコにして……それで……そうだ!雫ちゃんが大好きって言ってくれて鼻血噴射して気絶したんだ!
「雫ちゃん!今会いに行くからねぇ〜っ‼︎」
飛んだ。
*
しばらく飛んでると、自由の女神を見つけた。ヒャッホウ!アメリカだ!さて、雫ちゃん探しの旅へ……ん?ミサイル?あー哨戒網に引っかかったか。まぁミサイル程度、喰らって死んだふりしてやってもいいんだけど、服燃えるし、弾こう。
あたしはそのミサイルを殴って月まで飛ばし、そのままあたしは自由の女神が手に持ってるタイマツの上に着地し、分身しながら写真を撮った。そして、LINEを開く。
シルバー・ホーン『上陸記念!』
シルバーホーンが画像を送信しました。
*
夜。雫ちゃんの臭いと気配を辿って10時間が過ぎていた。アメリカ広過ぎでしょ……どこだよここ……もう疲れたよ……深雪からは「今すぐ帰って来なさい」のLINEが250通以上来てるし……。帰りたいよぅ……そのまま歩いてる時だ。
ドンっと肩に何かがぶつかった。
「what? Where is seen and do it walk?」
何処って……真っ直ぐ前ですけど……いやながらスマホしてたから下か。今回は私が悪いな。
「Sorry」
テキトーに謝ってあたしは帰ろうとした。だが、そのあたしの肩をそいつは掴んだ。
「Do you lick⁉︎」
「Do it want to be killed by you? Aging!!!」
なんかワラワラと集まって来たな……面倒くさいや……。あたしは「ん〜っ」とノビをすると、ニヤッと笑って言った。
「アメリカ上陸初殴り」
「?」
ガンッ!ゴンッ!ズバコーン!
「うん、自由の風を感じるね」
蹴散らして移動した。
*
週末。達也達の家に電話が掛かってきた。雫からだ。
「もしもし、雫?何かあったのか?」
画面に映った雫。その姿は寝間着姿だった。しかも、ガウンも何も着ていない。
「雫っ?あなた、なんて格好してるのよ!」
同性の深雪でも顔を赤らめてしまうような姿。だが、雫は、
『あっ、深雪、こんばんは』
「挨拶なんていいから!せめてガウンくらい羽織って!」
『……いいけど?』
不思議そうな顔で雫はガウンを羽織った。
『夜遅くにごめんなさい』
「こっちは別に遅くもないが、もしかして、飲んでるのか?」
『何を?』
「いやなんでもない。それよりどうしたんだ?」
『ん、できるだけ早く、知らせたほうがいいと思って』
達也は前に雫にヴァンパイアのことについて調べることを依頼していた。その結果報告だろう。
「もうわかったのか?凄いな」
『もっと褒めて』
(誰だ雫に飲ませた奴は……)
そう思いつつも達也はなんとか口を開く。
「いや、本当にすごいな、雫は。それで、何が分かったんだ?」
『吸血鬼の発生原因なんだけど、余剰……なんだっけ、余剰なんとかの黒い穴の実験みたいだよ』
「黒い穴?雫、それなんのこと?」
深雪が聞き返すも、雫は首を振る。
『知らない。私も達也さんに聞こうと思ってた』
「余剰次元理論に基づくマイクロブラックホール生成・消滅実験、じゃないか?」
『そう、それ』
「そうか……あれをやったのか。ありがとう雫」
『もっと褒めて』
「お、おう。本当にありがとう」
褒める、というよりお礼だったが、雫は満足そうに頷いた。
「そうだ、雫。美雨は知らないか?」
『美雨?』
「実は今、雫に会いにアメリカにいるそうなんだが……」
『こっちには来てな……』
『雫ちゃあーーーーんっ‼︎』
画面の向こう側で深雪が現れた。半眼になる達也と深雪。
『あ、美雨。こんばんは』
『こんばんは!雫ちゃん!いやー、「この写真の子知らない?」って、雫ちゃんの生着替え写真をいろんな人に見せて聞いてもまったく聞いてくれなかったからいろんな人を拷問しちゃったよ!それでそれで雫ちゃん!あたしのこと大好きなんだって⁉︎』
最後の台詞を聞いて達也は、70%の美雨を止めるためにあの録音機を使ってしまったことを全力で後悔した録音した事は雫には内緒にしてあるし、どう誤魔化そうか考えていると、画面の向こう側から予想外の声が聞こえた。
『うん。大好きだよ』
『ふえっ……?』
画面の向こうで、美雨にゆっくりと迫る雫。美雨はなんとなくビビってしまい、ゆっくりと下がるが、後ろのベッドにつまずいて座り込んでしまった。
『みう………』
『し、雫ちゃ………』
『ちゅうー』
雫は美雨にディープキスをした。
『………? っ? っ⁉︎』
顔を真っ赤にする美雨と、隣の深雪。そのまま雫は美雨をベッドに押し倒し、美雨の服を脱がし始めた。
「し、雫!やめなさい!落ち着い……」
「し、雫!」
流石に達也も大声を出す。だが、鬱陶しく思ったのか雫は画面に近づいて言った。
『18歳未満、お断り……』
そのままブツッと通話が切れた。二人は顔を真っ青にしたまま、しばらく動けなかった。
無理して英文作りました。間違ってても訂正しないでください。恥ずかしくて死にます。