二人目の妹は入学すら出来ませんでした 作:スパイラル大沼
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エリカの家。
「と、いうわけで匿って下さい」
「………自業自得じゃない」
「なんでよー!あたしが悪いって言うのー⁉︎」
「そりゃねぇ……いや、その敵討ちっていうのは悪くないんだけど……いや、なんていうのかなぁ……。達也くんは自分に責任感じてるんだと思うよ?」
「? なんで?」
「そりゃあ、本来なら美雨は巻き込まれないはずの戦いに巻き込んで退学にさせちゃったわけだから」
「なんで巻き込まれないの?」
「魔法科高校生じゃないからよ。そもそも、横浜に美雨がいたのは本来の学校の行事だからでしょ?普通なら一般生徒と一緒に逃げてなきゃおかしいのよ」
………確かに。
「でも、なんにせよあたしは戦ってたと思うな。自分達がフィールドワーク中だったとしても」
「それと今回のことじゃ関わり方が違うもん。元々、戦力として考えていたのと正当防衛じゃ。達也くんの責任の感じ方も違うよ」
………意外だ。エリカが割とまともなこと話すなんて。
「と、とにかくアレだけ言っておきながら今から帰るのはちょっと……」
「気持ちはわかるけどねぇ……。まぁ1日くらいなら泊めても平気だとは思うけど……」
「なら!お願いいたします!」
「まぁ親もいないしね。いいよ上がって」
言われてあたしは部屋に入った。さすが、なんか名門道場なんだっけ?であって家はデカイ。でも迷子になりそうだな。
「じゃ、あたしの部屋で寝るから、ついてきて。それとお風呂はシャワーでいい?」
「うん!ごめんね夜中に」
「ううん。あたしも今さっき帰ってきたところだから」
「へ?」
「あーいやなんでもない。ほら、早く上がって」
言われてあたしはエリカの家にお邪魔した。
*
ご飯はもう食べてる(ここに来る途中にマックで済ませた)ので、とりあえずシャワーだけ。しかし、責任感じてる、かぁ……兄ちゃんが感じる必要なんて皆無なのになぁ……。っと、そんな事より明日は誰の家に泊まるか考えないと。最悪の場合はアメリカまで飛んで雫ちゃんの部屋ってのもいいかもしれない。そうすればあんなことやこんなことを……グフフッ。
「美雨〜。パジャマここに置いとくわよ」
「あ、どーも」
お風呂から出ると、パジャマが置いてあった。浴衣だ。客人用かな?あたしはありがたく借りて、浴衣を着る。ちょっと大きいけど、まぁなんとかなるでしょ。
洗面所を出てあたしはエリカの部屋を探す。その時だ。ガララッと玄関が開いた。たまたま玄関の前をあたしが横切っていたのでその入って来た人物を目があった。
「あれ?シュウさん?」
「美雨ちゃん。久しぶり」
とててとあたしはシュウさんの方へ歩こうとした時だ。ぶかぶかの浴衣の帯がドアの取っ手に引っかかり解けた。
「えっ」
結果、あたしの身体は縦に大きく露出させられた。
「んなっ⁉︎」
「うえっ⁉︎」
顔を真っ赤にするシュウさん。あたしもだ。
「おかえりなさい!修兄様……」
出てきたエリカ。この後、メチャクチャ怒られた。