二人目の妹は入学すら出来ませんでした 作:スパイラル大沼
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「行くわよ美雨」
「おー!」
二人で敵に向かっていった時だ。
「ありっ?」
ドオオオオオオオンッッと美雨が爆発した。何も言えなくなる深雪。だが、すぐに口を大きく開いた。
「えええええっ⁉︎な、なんでええええええッッ‼︎⁉︎」
流石に冷静ではいられなくなった。見ると、敵はバズーカのようなものを構えている。
「くっ……美雨!返事しなさい美雨!」
「ぷっはぁ……ビックリしたぁ……」
返事がしてホッとする深雪。そして、煙がものすごい勢いで晴れた。美雨が思いっきり息を吐いて、煙を払ったのだ。
「大丈夫⁉︎美雨……」
声をかけた深雪が顔を赤くした。
「へーきだよ。少し驚いただけ……」
「全然平気じゃないわよ!服を見てみなさい!」
「へ?服?」
言われて自分の体を見下ろす美雨。服が破けてセル戦の悟飯みたいな服装になっていた。
「………? っ! ッッ‼︎⁉︎ な、なっなななにコレェっ⁉︎」
バババッ!と見えてる方の胸を隠す美雨。
「なんでこんなっ……!」
「バズーカ直撃したらそうなるわよ。って、言ってる場合じゃないわね……!」
言いながら深雪は敵全体を凍らせる。すると、呂が突撃してきた。
「しまっ……!」
だが、その深雪の前に美雨が立ち塞がった。そして、呂の突撃を片腕で止めた。
「美雨……?」
「深雪、あたし良い方法思いついちゃった」
「ど、どうしたの?」
で、美雨は邪悪な笑みを浮かべた。
「こいつら全員消せば、あたしの恥ずかしい思い出は無かったことになるよね」
「え?あ、あー……そう、なのかな?」
曖昧な返事しか出せない深雪を他所に美雨は目の前の呂の腹を殴った。後ろに吹っ飛ぶも、ダメージがあるようには見えない呂。ニイっと笑ってきた。
「むっ、威力を抑えすぎたか」
そして、向こうはダッとこっちに駆け寄って来きて、蹴りを入れてきた。それを美雨はガード。だが、予想以上の威力に蹴り飛ばされた。
「っ」
「美雨!」
だが、壁に激突する瞬間に壁を思いっきり蹴り、美雨はジャンプして呂に殴りかかった。
「おンどりゃあァァァァッッ‼︎‼︎」
吠えながら呂を殴り、呂は両腕を自分の頭上に構えてガードした。
「ああああああああッッッ‼︎‼︎‼︎」
拳と腕がぶつかり合い、押し合いになる。が、美雨が腕を振り切ると、呂は地面に深く減り込んだ。だが、穴の中から腕が伸びて美雨の腕を握って投げ飛ばす。その美雨に呂が追撃するが美雨も空中で体制を整えて殴りかかる。そして、お互いの拳が顔面にブチ当たった。
「やるじゃん。前より強くなってる?」
「二度も負けてる。次は勝つ」
「へぇ、なら試してあげるよ。あんたがあたしの何割の力を引き出せるかをさ」
そのまま二人は距離をとった。そして、再び殴りかかった。すると、奥の方で敵兵士が美雨にライフルを向けた。その兵士に深雪は容赦なく制裁を下す。
「っやぁっ!」
呂の廻し蹴りを美雨は殴って弾くと、顎にアッパーカットをぶち込んだ。そして、腹に向かって拳を五回叩き込む。だが、呂はなんとか耐えて、上から拳を振り下ろした。それをガードする美雨。
「んぎぎっ……!」
すると、美雨の脇腹に手刀が叩き込まれた。
「ッッ」
そのまま横に吹き飛ばされる。ガシャアァァンッッと壁に突っ込み、減り込んだ。
「ぺっ」
口の中を切ったのか、血を含んだ唾を吐き捨てると、美雨は瓦礫の中から出てくる。
「やってくれんじゃん……。ていうか、半裸の女の子なんだから欲情して手加減したりとかないわけ?」
「……貧乳に欲情はしない」
そう言われると、美雨は突然無表情になった。ゾクッとする呂。
「………今、言ってはならないことを言った……言ってはならない事を言ったよ……」
で、美雨はジロリと呂を睨んだ。
「行くよ、四割」
そして、地面を思いっきりブン殴った。
「ッ⁉︎」
地面にヒビが入り、遅れて地割れが起きた。地面が安定しなくなり、グラつく呂。その隙を逃さずに美雨は突っ込んだ。
「‼︎」
「喰らえ」
そして、美雨は右腕を大きく振りかぶり、呂のおデコの前に右手を持っていった。
「デコピン」
中指をブオッと勢いよく繰り出し、呂のおデコにクリティカルした。兜は割れ、おデコは減り込み、そのまま思いっきり場外ホームラン、遠くへぶっ飛ばされた。
「ふぅ……。終わったよ、深雪」
美雨が言うと、深雪は微笑んだ。
「どんまい」
「どういう意味⁉︎」