二人目の妹は入学すら出来ませんでした 作:スパイラル大沼
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夏休み明け。あたしはいつものように兄ちゃん達と登校した。で、軽く雑談しながら学校に到着。そのままそれぞれのクラスに入………、
「………あれ?あたし何組だっけ」
思い出せない。兄ちゃんも深雪も先に自分の教室入っちゃうし……。すると、会長さんが歩いてるのを見掛けた。ちょうどいいや。聞こう。
「会長さぁーん!」
「? あら、美雨ちゃん?どうしてここに?」
「どうしてって、今日から学校でしょう?で、あたしが何組だか教えて欲しいんだけど……」
「いや何組も何もあなたこの学校じゃないでしょう?」
「あっ」
すべてが腑に落ちた。
*
どーせ始業式しかやらないんだから今日の学校はサボることに決定しました。そんなわけで、あたしは家に帰り、ゴロゴロする。眠い。寝よう。うん。決定。
*
目を覚ますと、窓の向こうは暗かった。どうやら、夜のようだ。だが、誰も帰ってきてないのか、誰もいない。何やってんの?あのシスブラコンどもが。
「ふわあぁぁぁ………っっ」
ねんむい……。
「しかし遅いなー。お腹減ったし。たまには料理しようかなぁ……」
と、思ったが、机の上にはすでに料理らしきものが置かれていた。
「何これ……誰が作ったのこれ」
見ると、書き置きがあった。
『さっさと起きなさい。間違っても自分で料理なんて血迷ったことしないように。 深雪』
「色々と言いたいことはあるけど……とりあえずなんで起こしてくれなかったの?」
気になって時計を見ると、1:00を指していた。
「………本当になんで起こしてくれなかったのバカ兄妹……」
そんなことを考えつつもあたしはありがたく恨みがましく晩飯を頂戴した。
*
一週間後。一高。
「で、なんであたし呼ばれたの?」
「ごめんなさいね。美雨さん」
会長さんが言った。
「実は、明日には選挙が公示されるのに、立候補者がいないの」
「なんの?」
「生徒会よ」
「で?なんであたし呼ばれたの?関係なくない?」
「そうなんだけど……。ほら、なんだかんだ美雨ちゃんはこの学校の生徒よりこの学校のために活躍してるじゃない?」
「会長がそれ認めちゃうんだ……」
「だからね、あなたにあーちゃんを説得して欲しくて」
「喜んで」
「内容聞く前から⁉︎」
「あーちゃんってあれですよね?中条さんですよね?」
「そうよ?」
「あんな歳上ロリータ娘と合法的に会話出来るなんて断る理由がないじゃないですかあっ‼︎」
「そ、そう……?とにかく、お願いね?」
「あ、でもその前にあーちゃんさんの好きな物と嫌いなものを教えて下さい!」
「ふえ?」
「交渉は飴と鞭ですよ!会長さん!」
「そ、そうね。分かったわ」
さて、どんな事しようかなあ……グヘヘへへ。