AKIRA、赤裸々　来月６日DVD発売

　ダンス＆ボーカルグループ「ＥＸＩＬＥ」のＡＫＩＲＡ（３７）は昨年、ソロプロジェクト「ＴＨＥ　ＦＯＯＬ　ＰＲＯＪＥＣＴ」を立ち上げ、俳優やパフォーマーとしての顔と等身大の自分をアートや映像の世界で表現してきた。その第４弾として２月６日にＤＶＤ「ＴＨＥ　ＦＯＯＬ　ＭＯＶＩＥ～Ｒａｗ　ｔｏ　Ｒｅｆｉｎｅｄ～」を発売する。自身をＴＨＥ　ＦＯＯＬ＝愚者と位置付け、ＡＫＩＲＡは何を伝えようとしているのか。

　プロジェクト第１弾は初の自叙伝「ＴＨＥ　ＦＯＯＬ　愚者の魂」（毎日新聞出版）から始まった。借金まみれだった下積み時代や上京後の負の連鎖など、初めて明かすエピソードとともに葛藤、焦燥、怒り、悲しみを赤裸々につづった。

　「タロットの『ナンバーゼロ』のカードの意味合いを含めたネーミングなんですが、自叙伝を発表したとき、もうワンランク上のビジョンを掲げてスタートできたかなと思った。この言葉はすごく自分らしいし、表現者としてのテーマにしていこうと思いました」

　第２弾は昨年９月に大阪で写真展を開催。第３弾のオリジナルグッズの発売に続き、第４弾はＡＫＩＲＡが企画・制作・編集・ナレーション・出演のすべてを担当した映像作品だ。自身のＥＸＩＬＥとしての活動の裏側に密着したドキュメントムービーのほか、海外で過ごすプライベートタイムをロードムービー調に仕上げた。

　さらに「ＡＫＩＲＡ’Ｓ　ＦＯＣＵＳ」としてＥＸＩＬＥの楽曲の中からＡＫＩＲＡの世界観で新たに制作したミュージックビデオ（ＭＶ）集を収録。中でも「ＨＥＲＯ」（０４年１２月発売）はひときわ思い入れ深い作品となっている。

　「ＥＸＩＬＥに入る前、ＭＶ撮影でロサンゼルスに同行させてもらったとき、『俺もＥＸＩＬＥになりたい』と誓った思い出の曲。当時のメンバー６人が撮影したのと同じ場所で今回、一人で踊ってきたんです。当時の６人の映像もフラッシュバックで使っています。ＨＩＲＯさんがハーレーに乗っていた道も同じように走ってきました」

　俳優とダンサーの両面を併せ持つ者だけが表現できる独自の世界。その可能性は無限大に広がっている。

　「自分の感性や肉体を駆使して、等身大の自分がどこまで作品を作っていけるか。アート展の中で、そのときの感情とマッチさせて踊りながらペインティングしてみるとか、ライブでリアルに作り上げていくのは面白いと思う。ゆくゆくはショートフィルムとか、映画が作れる自分にも挑戦していきたい」

　さらなる飛躍のため、今年は海外を拠点に活動し、語学や新たなスキルを磨く。愚者の魂…それは、愚かなほど純粋なハングリー精神なのかもしれない。　（江川悠）

　今年から米ロサンゼルスを拠点に活動するＡＫＩＲＡは、ハリウッド地区で１８日（日本時間１９日）にオープンした所属事務所のダンススクール「ＥＸＰＧ　ＳＴＵＤＩＯ」ＬＡ校を前日に小林直己（３４）とともに訪れた。

　ＥＸＩＬＥ加入前の２００３年、ＥＸＰＧ第１号の東京校のインストラクターとなったＡＫＩＲＡは「ものすごい広がりをみせてきたなと感慨深いものがありますね」としみじみ。「僕たちの友達もそうですし、ＬＡでストリートのダンスで活動している人たちが世界に羽ばたけるような環境作りだったりというものをすることが、自分たちのダンスへの恩返しかなと思いますし、米国からもＴＲＩＢＥ（一族）的な軍団が現れたら、僕らの理想でもありますよね」と語った。

　天才詩人の北原白秋と秀才音楽家と呼ばれた山田耕筰の友情を描く映画「この道」（佐々部清監督、公開中）で、ＡＫＩＲＡは山田役を熱演している。

　オープニング直後に指揮者として登場する丸刈りの老人は６０代の山田。ハリウッド級の特殊メークを駆使し、ＡＫＩＲＡ自身が演じている。生徒役のエキストラたちも最初は全く気付かなかったという。「（６０代相応の）いやらしくない、しゃがれた声を出せるように、前の日は酒飲んで大声出してわざと声をからしましたね」

　非凡な才能を発揮したのは、バイオリンを演奏するシーンだ。「素人だと１年音が出ないらしいんですが、僕は一発で音が出ちゃったんです。僕、パフォーマーで体鍛えているので、自然と体の軸がしっかりしていたみたいで。劇中の長調は全部自分で弾いています」