トップ > 中日スポーツ > 大相撲 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【大相撲】

貴景勝4度目の正直 白鵬に勝ち1差離れず!

2019年1月26日 紙面から

貴景勝(左)が突き落としで白鵬を破る=両国国技館で(岩本旭人撮影)

写真

◇初場所<13日目>

(25日・両国国技館)

 横綱白鵬(33)=宮城野=は関脇貴景勝(22)=千賀ノ浦=に突き落とされ、3連敗で3敗に後退した。貴景勝は10勝目。関脇玉鷲(34)=片男波=が平幕北勝富士をはたき込み、11勝2敗で単独首位に立った。14日目に玉鷲が勝ち、3敗の白鵬と貴景勝がそろって敗れると、玉鷲の初優勝が決まる。再出場の小結御嶽海(26)=出羽海=は逸ノ城を寄り切って8勝目を挙げて勝ち越した。

     ◇

 “4度目の正直”で、貴景勝が大仕事をやってのけた。過去3度ともはね返された白鵬との結びの一番、低い立ち合いで出足を止め、突き押しで攻めてから迷いなく突き落とした。10勝目を挙げて、優勝争いでは玉鷲を1差で追う2番手に浮上。先場所Vの幕内最年少22歳に、双葉山以来83年ぶりとなる新関脇での優勝という快挙の気配も漂い始めた。

 おごることも、大風呂敷も広げなかった。「持ってる力を出し切ろうと思った」と何度も繰り返し、淡々と汗を拭い続けた。「何かが勝(まさ)ったから、勝ったわけじゃない。レベル、次元が違う。顔じゃないですから」。横綱への敬意を言葉で表現し続けた。

 初顔合わせは、2017年名古屋場所。ぶつかり稽古のように、両手を広げて待ち構える白鵬に突っ込んでいった。あえなく差され、寄り切られる完敗だった。

 そんな“玉砕”から1年半。「初対決の気持ち。悪い成績も経験値」というチャレンジャー精神を頼りにした。初優勝した先場所で3勝を挙げた突き落としが、決まり手となるのは今場所初めて。押し相撲も含めて武器をフル稼働。思い通り、すべてを出し切った。

 優勝争いと並んで、大関昇進の可能性も注目される最終盤。ざわつく周囲の熱狂をよそに「明日(14日目)も初日のつもり。一定の気持ち。力を出し切って負けたらしょうがない」。求道者ぶりが揺らぐことはない。 (志村拓)

 

この記事を印刷する

閉じる
中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ