二人目の妹は入学すら出来ませんでした 作:スパイラル大沼
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あたしは兄ちゃんに軽く足に包帯を巻いてもらうと、深雪のミラージバッドを観に行った。
「すごい……これが、ミラージバッド……」
「そーだな。お前のはミラージバッドじゃなかったもんな」
兄ちゃんに言われた。
「うるさいなぁー、そのくらい分かってるっての。そもそも魔法相手にあそこまで戦えたことを褒めてもらいたいね」
「偏倚解放を殴って跳ね返すやつが何言ってるんだ?」
「? 何それ」
「知らずに手を出したのかお前は……」
いや、本当にそんなの覚えがないんだけど。そんな事を話しながらあたしは深雪の宙を舞う姿をただ眺めていた。
「てかギリギリじゃん。勝てんの深雪」
「大丈夫だ。深雪にはいざという時のアレを渡してある」
「アレ?」
「すぐにわかる。飛行魔法だよ」
「あー……」
それってチートじゃないですかねー……。まぁどうでもいいけど。
結果、深雪の圧倒的勝利で終わった。
*
その日の夜。
「やーっぱりかぁー。深雪じゃなくて美雨だったんだ」
花音さんと部屋で話してる。深雪が復活した今、隠す必要もないと思ったからバラした。
「変だと思ったよ。見たことない魔法ばかり使うし……あれ?美雨って魔法使えないんじゃなかったっけ……」
「うん。だから使ってないよ?」
「へ?いやだって分身したり、地震起こしたり……」
「や、あれ全部自力だよ」
「…………は?………あっ、そういえば車蹴っ飛ばしてたっけ……」
「うん」
「ごめん、私がおかしかった」
「安心してください千代田先輩。おかしいのは妹の身体能力です」
深雪が余計な事を言う。
「もしかして、モノリスコード男子の田中太郎も美雨?」
「うん。あたし」
「なんかもう……ほとんど美雨の一人勝ちじゃない……」
「そんなことないよー。花音ちゃんだって優勝してたじゃん」
「いやそうは言われてもねぇ……やっぱ活躍の場が違うっていうか……」
「結局、ミラージバッドじゃ足怪我して、優勝したのは深雪だし……」
「あーそうそう。その足大丈夫?」
「大丈夫だよー。どーせすぐ治るし」
「あんまり無理しちゃダメだよ?女の子なんだから身体は大事にしないと」
「わかってるよー」
なんて話しながらお茶を飲んでる。
「………あれ?そういえば達也くんは?」
「あー兄ちゃんならどっか行ったよ?ウンコじゃない?」
「美雨。殺すわよ」
うわあ…この姉妹抹殺予告してきましたよ……。
「ふぅーん……。あっ!そんなことよりさ、肝試しやんない?」
「え?」
*
そんなわけで、外。集まったのはあたし、深雪、英美、雫ちゃん、ほのかちゃん、花音ちゃんの6人。
「つまり、森一周して帰って来ればいいのね?」
「うん」
これはつまり?雫ちゃんがあたしに抱きついてくるイベント発生?そのまま森の中に引き摺り込んで、そのまま木の下で互いの服を脱がし合って、グフフフフフ。
「美雨?涎で湖が出来てるよ?」
「はっ!いけねっ!」
雫ちゃんに突っ込まれ、とりあえず口元をティッシュで拭いた。
「じゃあとりあえず、2人ずつ行こうか」
そんなわけで、グーパー。これで、雫ちゃんと一緒になれば……!
結果!
1雫、英美!
2ほのか、花音!
3チート姉妹
とりあえず本気で神様呪いました。