二人目の妹は入学すら出来ませんでした   作:スパイラル大沼
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モノリス・コード3

 

 

 

決勝が始まった。

 

「二人とも、今まで通りに自由にやろう」

 

「おいおい、大丈夫なのかそれで?相手は十師族だぞ?」

 

「大丈夫。なんたってあたしがいるからね」

 

「ま、まぁそう言えばそうなんだが……」

 

「最悪、あの一条って人はあたしが相手をするよ。殺さない程度に」

 

「分かった」

 

そのまま三人は動いた。すると、一条も銃を構えながら歩いてこっちに来ていた。

 

「じゃ、挨拶代わりに一発」

 

美雨はそう言うと、プッと勢いよく唾を吐いた。それが一条に向かうが、一条はギリギリ躱す。

 

「避けた……」

 

(今の唾、当たってたら肩を貫通してたな。やはり化け物か、田中太郎。だが、魔法は防げるか?)

 

考えながら一条は偏倚解放を放つ。それを美雨は殴って弾いた。

 

「なにっ⁉︎」

 

「欠伸が出るよ」

 

(ま、魔法すらも弾けるのか……⁉︎)

 

だが、一条は怯むことなく、美雨に向かって攻撃をする。

 

(だが、お前の攻撃は威力が高過ぎる。俺に手出しは出来ないはずだ!)

 

そのままガンガン攻撃するが、美雨は殴ってすべて弾いた。

 

「このっ……!」

 

「!」

 

横で、幹比古と戦いながらその様子を見ていた吉祥寺が思った。

 

(あいつ、もしかして……!)

 

「将輝!」

 

「どうした」

 

「あいつ、もしかして………!」

 

「………! なるほど」

 

「試してみる価値はあるよ」

 

「そうだな。行くか。残りの2人は任せるぞ」

 

「うん!気を付けてね」

 

そのまま作戦会議を終えると、一条は走り出した。何もせず、ただ突撃した。

 

「!」

 

「なにっ⁉︎」

 

そう、美雨に魔法がない以上、物理的に殴ることは出来ない。だから、美雨は無視するべきだ、と二人は悟ったのだ。だが、美雨はつまらなさそうに走ってくる一条にこう吐き捨てた。

 

「ごめん。それじゃ無理なの」

 

こっちに来る前に拳圧でぶっ飛ばした。周りから見たら魔法にしか見えないだろう。

 

「なっ…!将輝!」

 

「そこ!」

 

「え?」

 

余所見した瞬間に、吉祥寺も倒された。そして、最後の一人はレオが倒した。なんかあっさり終わったなおい。

 

 

 

 

「いやー勝った勝った。お疲れーミッキー。レオ」

 

「おう。よくやったな、美雨」

 

「うん。ありがと。ミッキーもお疲れ。すごかったよ、あの公家みたいな髪型した人倒した時」

 

「う、うん。ありがとう。でも、美雨のがすごかったよ?」

 

「ううん。あたしは魔法使えないし、精霊も呼べないもん。だから、ミッキーはすごいよ」

 

「そう、かな……」

 

顔を赤くして照れるミッキー。男の子も可愛いところあるなー。なんて思いつつ、レオにも声をかけた。

 

「レオも、お疲れ様!」

 

「おう」

 

そのまま二人と別れた。

 

 

 

 

さて、明日でラストだ。ミラージバッド。深雪、そして渡辺さん達の代わりになるよう、頑張らないと、と気合を入れ、部屋に入った時だ。

 

「お、お帰り、美雨………」

 

「」

 

中には、

 

 

学ランを羽織り、両手に指ぬきグローブ、片腕に包帯、片目を前髪で隠した雫ちゃんが立っていた。

 

 

「や、闇の炎に抱かれて消えろ!」

 

 

「」

 

思わず声を失った。か、可愛い。可愛い過ぎる……。だが、それと共に思ったことが一つ。何やってんのこの子。

 

「あの、雫ちゃん?」

 

「ダークフレイムマスターだ!」

 

「ええ〜……」

 

あたしが反応に困ってると、深雪がパタパタと寄ってきた。

 

「ねぇ(小声)」

 

「何(小声)」

 

「どうしたのよ、てかあなた何を吹き込んだのよ(小声)」

 

「洗脳したみたいな言い方やめてよ。なんもしてないから(小声)」

 

「嘘おっしゃい。どうせあなたの影響でしょ?(小声)」

 

「絶対違う。それだけは自信持って言える(小声)」

 

「とにかくなんとかしなさいよ。このままじゃあの子のゴールが分からないわよ(小声)」

 

「なんとかも何もないでしょう。あたしも何考えてるかわかんないよ今回ばかりは……って、あっ(小声)」

 

「? どしたの?(小声)」

 

「あたし、昨日自販機の前で花音先輩にカッコいいって言ったんだよね。もしかしたら……(小声)」

 

「……………」

 

「……………」

 

二人でチラッと雫ちゃんを見た。

 

「魔剣ダーインスレイプ!」

 

うわあ……あたしはぶっちゃけると中二病患者は好きじゃないんだよなぁ……。アニメで見るぶんにはいいんだけど……。

 

「………どうしようもないわね」

 

深雪が言った。

 

「まぁ任せてよ深雪。とにかく、元に戻すから」

 

で、あたしは雫ちゃんに生暖かい笑顔で言った、

 

「カッコイイネ(棒読み)」

 

光の速さで雫ちゃんは出て行った。

 

 

 

 





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