二人目の妹は入学すら出来ませんでした   作:スパイラル大沼
<< 前の話 次の話 >>

34 / 91
モノリス・コード2

 

 

 

 

5日目。美雨とレオと幹比古の三人はフィールドに立った。が、美雨以外の二人の表情はよろしくない。理由は一つだ。今回の美雨の立てた作戦はこの一言だけだった。

 

『ケースバイケースで………バイケースで……ケースで…(←エコー)』

 

その様子を見ながら達也は何か第三者の介入がないか、目を光らせている。客席では、エリカ、美月、雫、ほのかに花音や啓も座っている。

 

「楽しみだね。っていうか深雪と美雨は?」

 

「さぁ……美雨ちゃんはどーせゲームだと思うけど……」

 

「っていうか、田中太郎なんて人、うちの学校にいたっけ?」

 

と、話している。ちなみに美雨は「田中太郎」という選手名で出場している。すると、モニターに三人が映った。メイクされているが、6人は一発で思った。

 

((((((田中太郎、明らかに美雨だ………))))))

 

速攻バレた。

 

「なにやってんのあいつ……」

 

「ていうか、七草さんや達也くんは許したの?」

 

「まぁ男子に見えなくもないけど……」

 

「深雪だったりしないよね」

 

「当たり前じゃん。あんなアホなことするの美雨以外にいる?」

 

と、五人が言う中、雫がつぶやいた。

 

「これで、結婚出来るかも……」

 

『えっ』

 

 

 

 

そのままモノリス・コード開始。ステージは密林で、相手は八高だ。

 

「おっしゃあ!行くぜ幹比古!」

 

「おう!デュフェンスは任せたよ美雨!」

 

「どーん」

 

美雨が思いっきり拳を振るうと、密林が吹き飛んだ。具体的に言うと、テマリが多由也倒した時みたいな。

 

「」

 

「」

 

『』

 

レオに幹比古だけじゃなく、敵含めて観客すらもが黙り込んだ。が、まったく気にすることなく美雨はレオと幹比古に言った。

 

「早く行きなよ。ほら敵あそこ」

 

「お、おう……」

 

少し早く機能したレオが走り出した。その後を幹比古が追う。すると、相手選手も魔法を発動してくる。が、それを美雨は拳圧で全てはたき落した。

 

「えっちょっ」

 

「待っ……ズルっ」

 

八高はなす術なく敗北した。そりゃそうだろうな。

 

 

 

 

「いやー!勝ったねレオ、ミッキー!」

 

あたしは2人に微笑みかけた。

 

「お、おう。そうだな。まったく勝った気しなかったけどな」

 

「すごいな、美雨は……。驚いたよ」

 

「違うよミッキー。今のあたしは田中太郎だよ」

 

「そ、そうだったね。太郎」

 

なんて話しながら三人でステージを出た。30分後には次の試合だから、そんなに時間があるわけでもない。だから、選手控え室にいる。すると、生徒会長さんが来た。

 

「あ、かいちょーさん。やっほー」

 

「あなたねぇ、もう少し抑えなさいよ」

 

「勝ったんだからいいじゃないですかー。それよりどうしたんです?まさか、おめでとうのチュー?」

 

「そんなわけないでしょ。いい?次の相手の二校のデータ渡しにきてあげたの。じゃあ頑張ってね」

 

「うん!それで、会長さん、お兄ちゃんは何か言ってませんでした?」

 

この質問の意図は、「第三者の情報は得た?」という意味だ。七草さんなら察してくれるだろうし、事実察してくれたようだ。

 

「ええ、おめでとう、とだけ」

 

収穫なし、か。

 

「分かりました。ありがとうございます!」

 

そのまま会長さんは去っていった。すると、レオがあたしにいった。

 

「お前ってさ」

 

「?」

 

「俺たちよりこの学校の中心人物との関わり多いよな」

 

…………確かに。

 

 

 

 





こんなチート野郎がいたら普通、取材が来るとか、他の学園が取材に来るとか、そもそも他校の奴の助っ人が認められるのかとか、登録選手以外の奴が出てるとか、そういう所は突っ込まないでください。





感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に
感想を投稿する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。