二人目の妹は入学すら出来ませんでした 作:スパイラル大沼
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「お前、男子のモノリス・コードの選手。拒否権は認めない。いいな?」
深雪の面倒を見ていたらノックがしたのであたしが応対し、兄ちゃんが出てきて一発目の台詞がこれである。
「じゃあな」
「いや待て。説明不足にもほどがあるよ」
「? 何がだ?」
「いや分かるでしょ。バカなの?死ぬの?」
「何を言ってるのかサッパリだ」
「イラっとするわ!まずあたしがなぜ深雪の代わり以外になるのか!そして、モノリス・コードとは何か!男子競技にあたしが出れるのか!いつのまに出場決定してたのか!報酬額はいくらか!答えてください!」
「モノリス・コード選手に怪我人が出たから。敵味方三名の選手によってモノリスを巡って魔法で争う。詳細はこの紙な。まぁ、髪を結んで男装すれば行けなくもない希ガス。ついさっき決定した。勝手に。報酬額は5万でどうだ?」
「いいよ、やろう」
五万か。俄然やる気出てきた。
*
そんなわけで、あたし、兄ちゃん、レオ、ミッキーが集まった。ちなみにあたしと深雪のことは事前に話してくれているらしい。ちなみにチームメイトはあたし、レオ、ミッキーの三人だ。
「いやそれでもおかしい。そもそも殴っちゃいけないんでしょ?あたしがいて役に立てるの?てか兄ちゃん出ないの?」
「俺は裏でコソコソ動いてる奴らの動きを探る。お前らが試合に出ている間にな。それと、お前は殴らなくても地割れくらい起こせるだろう」
「いや起こせるけど……」
「まぁまぁ、もう決まっちゃったみたいだし。よろしくね美雨」
「おう!やるからには勝とうぜ!」
レオとミッキーに言われればこちらも頷くしかない。すると、兄ちゃんが口を開いた。
「とにかく、美雨はデュフェンス、レオと幹比古はオフェンスを頼む」
「ま、待ってくれ達也。その子1人に任せて大丈夫なのか?」
「そこらの奴より全然強い。ていうかそいつのガードを突破できる奴はいない。冗談抜きで」
「し、しかし……」
「大丈夫だ。この前の地震の震源地はそいつだ」
「えっ……?」
ミッキーが困惑する中、兄ちゃんはつづける。
「レオ。この前見せたおもちゃ、あれを使え」
「ああ、了解」
「美雨は手を出すなよ。お前の一撃は過剰攻撃で失格になる」
「わかってるよー」
「ならいい。細かい打ち合わせはまた後でやる。それと美雨、七草さんが呼んでいたぞ」
「え?なんで?」
「極力男子に見えるように、改造してくれるようだ。俺には何のことだか分からないな」
この兄貴しらばっくれるの下手くそだなー。