二人目の妹は入学すら出来ませんでした 作:スパイラル大沼
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あたしと雫ちゃんは同率優勝。それと、ほのかちゃんの優勝を祝ってティーラウンジで達也とお茶を飲んでいた。が、もちろんあたしではなく深雪の優勝の扱いとなっているが。
「にしても、結局深雪の使ってた魔法はなんなの?なんかすごい地震が起きてたけど」
ほのかが純粋に聞いてきた。
「えーっと、まぁあれだよ。振動魔法の類い……」
「でも、震度5くらいはあったよ⁉︎すごい揺れたもん!」
あー……食い付きがすごい……。
「ま、まぁそれはいいじゃん」
「私は気になるもん!」
察しろよお前……と、思ったら雫ちゃんが言った。
「ほのか、そんなことより優勝おめでとう」
「ああ、そうだったな。おめでとう」
雫ちゃんの台詞に兄ちゃんが便乗する。ナイス。これでなんとかなるだろ。
「おめでとう。ほのか」
あたしも言っといた。
「うん。ありがとう。それで、魔法のことなんだけど……」
「あ、何か飲む?」
と、雫ちゃん。
「あ、注文しないとね。烏龍茶で。それで、魔法の……」
「ほのか、いい試合だったぞ」
と、兄ちゃん。
「ありがとうございます。達也さん。それで、まほ……」
「ほのか、愛してる」
今のはあたし。
「ええっ⁉︎そんな……って、喋らせなさいよ!」
バンッ!と立ち上がるほのかちゃん。可愛い。
「なんの魔法を使ったの⁉︎」
「「「ハリー・ポッター」」」
「もういい!」
*
大会七日目、新人戦四日目。特に予定はないので、あたしは深雪の所にいる。
「大丈夫?」
「ええ、最初に比べて大分楽になったわ。ありがと……いえ、原因作ったのは美雨だし今の取り消し」
「本当にあたしのこと大好きの癖に素直じゃないんだから……」
「あんまりからかってると怒るわよ?」
「てへっ☆」
あたしは舌を出してコツッと自分の頭を叩いた。
「今の、究極にイラっとしたわ」
「冗談だよー。でもね、」
そこであたしは言葉を切った。で、微笑みながら言った。
「あたしは、深雪のこと大好きだよ?」
「えっ………?」
言うと、深雪はうっすらと頬を染めた。不意をつかれたように目を見開き、頬に汗が流れる。
「な、何を………」
「なーんちゃって!あはははっ!なに間に受けてんの!可愛い深雪!」
「…………は?」
「顔赤っ!あっはははっ!可愛い!結婚したい!」
「〜〜〜ッッ‼︎‼︎みぃうぅ〜〜っ‼︎」
また何か来る、そう思った時だ。深雪は何もしなかった。と、思ったら、スッキリした表情で言ってきた。
「私だって、美雨のこと好きよ?」
「えっ………?」
今、なんて……。
「プフッ……冗談よバカ」
「んなっ………!」
「あなたも大概騙されやすいのね。良い弱点をもらったわ」
「み、深雪ー!」
そのままじゃれ合った結果、深雪の熱はあがった。