二人目の妹は入学すら出来ませんでした 作:スパイラル大沼
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で、三人で落ち着いて座る。飲み物を飲みながら。
「つまり、深雪さんの、妹なんだね」
「うん」
「ごめんね。つい、攻撃仕掛けちゃって」
「大丈夫だよ。あたしの方こそ人を殴るのに28.4%も本気で殴ってゴメンなさい」
「………それ、本気なの?」
「幹比古、美雨は30%で人を殴ると、殴った部位が吹き飛ぶ。お前に直撃していたら間違いなく頭が弾け飛んでいた」
「それを止めた達也は何者なんだ…」
「俺はちゃんと美雨の力を抜く方法を心得ている。まぁ、だからと言って勝てるかどうかは分からんが」
「まぁねー。身体が強過ぎて攻撃効かないしねあたしは」
「本当にな」
「は、はぁ……なんか、すごいね達也の家は」
「違う違う!すごいのはこのあたしなのさー!」
「調子に乗るな、美雨。とにかく、こいつらの処置が先だ」
「そうだね。じゃあトドメを刺そうか」
あたしが明るく言うと、兄ちゃんが引き気味に突っ込んだ。
「いやお前鬼か?幹比古は先に戻ってていい。こいつらの処置は俺たちに任せろ」
「分かった」
「またねーミッキー」
「み、ミッキー⁉︎」
そのままミッキーは去っていった。
「じゃ、あたしもそろそろお暇しようかなー。雫ちゃん達といたのに途中で抜けてきちゃったし」
「そうか」
「じゃ、山手線頑張ってね」
「九校戦だ」
*
元の場所に戻ると、律儀にも雫ちゃんとほのかちゃんは待っていた。
「おかえり」
「ただいまー。待っててくれたの?」
「うん。なんか、忙しそうだったから。30分経ったら探しに行こうかと思って」
「いいよ別に。あたしが誰かにやられると思ってる?隕石落ちてきても死なないよあたし。多分」
「うん。なぜか納得してしまう……」
「ま、いいじゃん。この後どうする?」
「もう少し散歩しよう」
「そだね。大丈夫、何があってもあたしが2人を守るから!」
「うん。頼もしすぎるレベルだね。じゃあ、行こっか」
そのまま、星が降るような夜空の中、三人で歩いた。君のことを追い掛ける私はいなかったけど。
*
帰ってきて、あたしはベッドにダイブした。
「疲れたぁ〜」
「あら、どこに行ってたの?」
「外で散歩してた。星が綺麗だったよ」
「あら、あなたがゲーム以外の世界を褒めるなんて珍しいわね」
「どういう意味?人をゲームの世界の人みたいに言わないでくんない?」
「はいはい……。じゃ、そろそろ寝ましょう。明日は早いのよ」
「えー?明日休みなんじゃないの?」
「……なんで知ってるのよ」
「休みに関しては敏感なんだよあたしは!」
「あっそう…もう何も言わないわ」
「ねぇ、深雪」
「ん?」
「たまには、一緒に寝ない?」
「…………そうね」
そのまま、一緒の布団に入る。
「…………」
「何よ」
「なーんか、オッパイ私より大きいなって思っただけ。同じ日に生まれたのに」
「普段の生活が違うのよ」
「うるさいバーカ。揉みしだくぞ」
「いいから。もう寝なさい」
寝た。