海上自衛隊の補給艦が確認した「瀬取り」とみられる様子。北朝鮮船籍のタンカー(左)に小型船舶が横付けしている(防衛省提供)

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 外務省は24日、北朝鮮船籍のタンカーが、洋上で違法に物資を積み替える「瀬取り」を行った疑いがある事案を確認したと発表した。

 国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会に通報し、米国などと情報を共有しているという。2018年1月以降、同省が公表した同様の事案は10件目。

 瀬取りとみられる行為は18日午後、海上自衛隊の補給艦「おうみ」が中国・上海沖約410キロで確認した。北朝鮮船籍のタンカー「AN SAN1号」に、船籍不明の小型船舶が横付けし、ホースを接続していたという。石油などの燃料を違法に受け取っていた可能性もある。

 このタンカーは昨年6月29日にも、瀬取りとみられる行為をしていることが確認されている。外務省によると、同じ船が繰り返し瀬取りをしている疑いが明らかになったのは初めて。同省幹部は「瀬取りが常態化している」と警戒している。(鬼原民幸)