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【社説】

米朝首脳再会談 成果を急ぐ妥協は禁物

 成果を急ぐあまり、安易な妥協をしてはならない。二月下旬に開かれる予定の第二回米朝首脳会談。非核化の原則を守りながら、安定した平和体制に向け、具体的行動と成果を導き出してほしい。

 まだ、会談場所などの詳細は発表されていないものの、再会談の実現を、まずは評価したい。

 昨年六月の、初の米朝首脳会談では、北朝鮮が完全非核化への努力を約束した。

 さらに、持続的で安定した平和体制を築くため、米朝両国が新たな関係を確立することなどでも合意している。

 まずは関係改善を進め、問題解決に取り組むという新しいアプローチだった。これを受け北朝鮮は、ミサイル発射や核実験といった挑発行動を行っていない。

 韓国との南北関係では、非武装地帯(DMZ)での監視所の撤去、南北を結ぶ鉄道・道路の着工式などが実現した。米朝首脳会談の成果だといえよう。

 残念だったのは、合意文に非核化に向けた具体的な行動が書き込まれていなかったことだ。

 北朝鮮は段階的な非核化を主張し、経済制裁の緩和を求めている。米国側は非核化が実現するまで制裁は解除しないとして対立、交渉はストップしたままだ。

 そんな中、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は、今年一月一日の新年の辞で、核兵器の製造、実験、使用、拡散を行わないと明言した。

 それだけ強い決意があるのなら、少なくとも核開発の主力拠点である寧辺(ニョンビョン)核施設への査察を受け入れ、廃棄に乗り出すべきだ。

 北朝鮮はすでに「米国の相応の措置」を前提に、寧辺施設を廃棄する意向を示している。

 トランプ大統領は今、内政の混乱に直面している。早々と会談実施を発表したのは、外交成果としてアピールしたいのだろう。

 ポンペオ米国務長官も最近、テレビで米朝首脳会談について「最終的には米国民の安全が目標」と語り、臆測を呼んだ。

 このため、米国は米本土を脅かす大陸間弾道ミサイル(ICBM)廃棄を優先し、制裁の一部緩和に応じるのではないかとの懸念も出ている。

 これでは事実上、北朝鮮の核保有を認めることになってしまう。日本などの周辺国をはじめ国際社会は、納得しないだろう。

 朝鮮半島の平和と安定を確実にするには、非核化での実質的な進展が欠かせないことを忘れてはならない。

 

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