二人目の妹は入学すら出来ませんでした   作:スパイラル大沼
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工場

 

 

 

 

 

翌日。寝坊した。枕元に深雪の書き置き。

 

『たまには痛い目を見なさい』

 

「この人でなし………」

 

すでに遅刻は確定している。こんな所で慌てても仕方ない。むしろ遅刻するのなら、どんなに遅刻しようと余り変化はない。だから、家でゲームした後、のんびり着替える。スカートとブラウスの代わりはあるが、ブレザーは昨日の破れた一騒動でない。仕方ないのでセーターで誤魔化すことにした。

 

「行ってきまーす」

 

出発してしばらく、一高の制服を着た男を見かけた。こんな時間にこんな所で彷徨いていたら間違いなく遅刻は確定だ。なのに、何食わぬ顔で何処かへ向かう。むしろ若干、コソコソしてるようにも見えた。明らかに怪しい。兄ちゃんに報告すべきか迷ったが、もう今頃学校に着いているだろうし、邪魔するわけにはいかない。

 

「少し、尾行してみよっか」

 

あとをつける。しばらく尾行していると、急に走り出した。気付かれたか。あたしは電柱の上に跳び上がり、さっきの奴を見付ける。………あの廃工場か。それだけ分かれば十分かな。あたしは電柱から降りると、学校に向かった。

 

 

 

 

その日の放課後。帰宅中、あたしの雫ちゃんセンサーが反応した。レーダー(目)を駆使し、全力で雫ちゃんを探す。とりあえずまた電柱の上に乗った。

 

「………見つけた」

 

距離48.293m。目標への曲がり角2つ。弊害物、目標の周りに3つ。…………まだいるんだ。DQNっていうの。あの野郎、あたしの雫ちゃんに手を出そうなんていい度胸してやがる。全員八つ裂きにしてやる。そのまま両手で四角形を作り、目標を捉える。

 

「目標と弊害物の距離、67.3cm」

 

その程度なら問題ない。あたしは電柱の上からジャンプし、弊害物の1人の腰にドロップキックした。その瞬間、その場から消えてそいつは壁に頭からめり込んだ。

 

「んなっ……⁉︎」

 

「なんだてめぇ!」

 

「だーってろカス」

 

そのまま瞬殺した。

 

「これが、結束の力だ」

 

決まった。決め台詞まで完璧。

 

「美雨?」

 

「大丈夫かい、愛しのベイビー」

 

「何言ってんの?まぁ、ありがと……」

 

「はうう……少しだけ怖かったよぅ……」

 

あたしに抱き付いてくるのはほのかちゃんだ。

 

「よしよし、大丈夫だよ。あたしがいる限り、ほのかちゃんは傷付けさせないし、仮に傷付けられたらそいつはマントルまで減り込ませるから」

 

「後半いらないよぅそれ……」

 

なんてやってると、あたしの左腕に雫ちゃんが飛び付いてきた。

 

「わ、私も少し、怖かった……」

 

「雫ちゃんがデレたー!お持ち帰りしたい!」

 

「…………やっぱ全然怖くない」

 

「ほれほれー素直になりなよー。ほのかちゃんが羨ましかったんでそー?」

 

「そ、そんな事ないっ」

 

「じゃあ離れてよー」

 

「うっ……ほ、ほんの少しだけ……」

 

「素直な雫ちゃん可愛い!結婚しよう!」

 

「それは無理」

 

なんてやり取りをしながらあたしはさっきぶっ飛ばしたDQNの方を見た。工場の作業服……。今朝の奴と関係ありそうかな。

 

 

 

 

 





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