二人目の妹は入学すら出来ませんでした 作:スパイラル大沼
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あたしは一人で剣道部相手に暴れ回る兄ちゃんを見ながらさりげなく剣道部の嫁の方へ向かった。
「すごい……」
「ハイ、ハニー?」
「はぁ?」
………すごい返事をされてしまった……。いや確かに今のはあたしの方が酷いよね。
「いや、あの…………」
「って、あなたは新入生総代の深雪さんね?」
「え?あ、いやあたしは……」
「その腕章……あなた、風紀委員だったんだ」
「はい。あなただけの風紀委員でございます」
今のは決まった。多分惚れたな。
「なら、さ………」
「はい」
「あの二科生の子をなんとかしなさいよ!剣術部に襲われてるのよ⁉︎」
「……………は?」
あたしが何を思う間もなく、その人はあたしの背中を押す。
「いいから、早く!」
「うあっ!」
押し出され、剣術部の人の背中に顔をぶつけた。そっか、今あたし、兄ちゃんのブレザー着てるんだった。
「なんだお前……風紀委員の腕章?」
「や、これは……あのっ」
「このっ!こんな所で捕まってたまるか!」
剣術部の人は竹刀で突きを放ってきた。あたしはそれを右拳で剣先から鍔の部分まで砕き、そのまま左手の人差し指と中指で、そいつの鼻の穴に指を突っ込んで、ムシキングのトルネードスローをした。
「グハァッ!」
「なんだ⁉︎」
「あぁ!指にハナクソが!」
きったな!ティッシュは持ってないし、どうしようかと思ってたら、さらに別の剣術部員が殴りかかって来る。
「また風紀委員か!」
「やっちまえ!」
などと声が上がる中、あたしはその殴りかかってきた奴に指に着いたハナクソをデコピンで飛ばす。
「ハナクソミサァイルぅッ‼︎」
五代目火影のデコピンバリの威力を持ったハナクソはそいつらのおデコにクリティカルし、後ろにひっくり返った。
「ぐあっ!」
「うおっ!」
そのまま、あたしと兄ちゃんはしばらくジャッキーチェン無双をした。ジャッキーハナクソ飛ばさないけど。
*
生徒会室。まさか二度もここに呼ばれようとは……。が、今回は兄ちゃんも一緒にいる。
「つまり、司波くんのブレザーを羽織っていたあなたを風紀委員と勘違いした壬生さんがあなたを押し出し、あなたは逆上した剣術部員の背中に衝突し、そのまま喧嘩になってしまったってことね?」
生徒会長さんに尋ねられた。
「壬生さんではありません!あたしの嫁です!」
「美雨、真面目に答えなさい」
「それであっています……」
兄ちゃんに怒られたので真面目に答える。今は生徒会長と風紀委員長とあとあたしが校舎に突撃しかけた時に止めてくれたゴリ文字さんに尋問されている。
「ま、そういう事ならいい。今回はうちの生徒に非があった。野球部の件と言い、済まなかったな」
「いえいえ、気にしないでくださいゴリ文字先輩!」
「ご、ゴリ……?」
「あ、お礼と言ってはなんですが、来週発売されるエロゲの初回限定版を買うお金を半分……」
「いい加減にしなさい、美雨」
兄ちゃんにまたまた怒られちゃった。
「そういうことなら、今回の事は不問とします。それと、美雨さん」
「はい」
生徒会長に呼ばれた。
「この後、時間あるかしら?」
「えーこの後は雫ちゃんと保健室のベッドでぐふふふふなことを……」
「司波くん、この子本当に大丈夫なのかしら?」
「病気ではありませんが、精神的に問題があるのは確かです」
「お兄ちゃん⁉︎」
思わず振り返ってしまった。
「ま、とにかく付いてきて」
「はーい。またねー兄ちゃん。あ、ブレザー返したほうがいい?」
「いや、腕章だけでいい」
「はい」
腕章だけ渡して、あたしは生徒会長と廊下に出る。
「で、どこに行くんですかー?早く雫ちゃんとベロチューしたいんですけどー」
「保健室よ」
「えっ、生徒会長あたしとそういう事……ダメです!あたしには心に決めた人がいるんです‼︎」
「あなたの頭の中はそればっかなの⁉︎」
そんな会話をしながら保健室に到着。すると、野球部の人がいた。爆発犯の。
「あっ、あの人……」
その人はこっちを見る。
「その、すまなかった……。逆上して殴りかかった挙句、犯人に仕立て上げようとして………」
「ほえ?」
「それと、止めてくれて……ありがとう」
「いえいえー!そんな気にしないで下さい!あ、でも制服は弁償してくださいね!明日からブラウスとスカートは代わりがあるけど、ブレザーは一枚しかないんですから」
「あ、ああ。そのくらいなら出させてもらおう」
で、あたしは生徒会長に振り返る。
「会長さん!これで終わりですか?」
「ええ。私からも謝っておくわ。ごめんなさい」
「いいんですよそんな〜。あ、じゃあ代わりといってはあれですが、オッパイを揉……」
追い出された。