二人目の妹は入学すら出来ませんでした 作:スパイラル大沼
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次の日、またまた放課後。あたしはようやく部活見学へ。
「うーむ、とは言っても何部に行こうか……」
なんか、こう……かっこいい部がいいなぁ。でもあんま身体動かしたくない。やめた。ゲーム出来なくなるし。帰宅部でいいや。そう決めて、あたしは学校を出た。
そのままゲーセンに入った。で、財布を出そうと鞄の中を漁った時だ。
「あれ?これって……」
確か、CADだっけ……?このスマホみたいな奴。確か深雪のだよね。なんでこんなとこに……あっ。そういえばあたしの携帯どこに行った?まさか、間違えた……?急いで帰宅して携帯を見ると、大量の着信がきていた。
「あっ、一件だけ雫ちゃんだ!掛け直そう!」
そのまま発信する。
「もしもし雫ちゃん⁉︎電話くれた⁉︎もしかして、とうとうあたしの熱いプロポーズを……」
『美雨?』
…………なんか聞きなれた声が聞こえたんだけど。
「…………誰?」
『誰?とはご挨拶ね。人のCAD勝手に学校に持って行って。お陰で今日の授業のほとんどは見学になってしまったわ』
「ご、ごめんってば!今持ってくから!どこにいる?」
『校門の前で待ってるわ』
そうと決まればあたしは速攻で家を出た。ここからなら走って8分くらいで向こうに着くだろう。
「ぬおおおおおっっ‼︎‼︎」
そのままガンダッシュ。周りの人から見たら風が吹いたようにしか感じないだろう。
*
「まったく……あの愚妹は……」
イライラした口調を隠そうともせずに言う深雪。
「まぁまぁ。誰にでも間違いはあるよ」
やんわりと落ち着かせるのはほのかだ。
「とは言っても、携帯とCADを間違える?普通に考えて」
「美雨、本物のブァカ」
雫が呆れたように毒を吐いた時だ。雫の姿が消えた。
「?」
「?」
「しぃぃぃずぅぅぅくぅぅぅちゃあぁぁんっっ‼︎‼︎」
「ひやああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁっっ‼︎‼︎」
そのまま光の速さで校舎に突っ込む、と思ったら校舎の壁を駆け上がり、雫をお姫様抱っこしたまま、美雨は屋上に到達した。と、思ったら、そのまま後者を踏み台にして空中で半回転する。周りから二人の姿は速すぎて見えず、勝手に校舎の壁に足跡が着いたようにしかみえない。
そのまま地上に落下しながら雫の頬をチュッチュッする美雨。
「その毒舌が可愛すぎてつい愛でちゃったよー!ねぇ結婚しよう!もう結婚して幸せな家庭を作……」
「や、やぁーーーっ‼︎」
「んー!その可愛い悲鳴も可愛……」
が、美雨は地面に落下し、雫だけ深雪に助けられた。ズガンッ!と落下したとは思えない音と共に地面に減り込み、戻って来るのに6分掛かった。
「酷いよ深雪!なんであたしだけ見捨てるのさー!」
と、言いかけた美雨の体が凍る。
「み、深雪ちゃん⁉︎」
思わずほのかが声を上げるが無視して深雪は続けた。
「酷いのはあなたよ美雨。本当にどうしようもないのね」
「そ、その前に普通のヒトを氷漬けにしたら……」
「むんっ!」
バキンッと氷が割れた。
「ええ〜………」
呆れるほのかを捨て置いて、そのまま深雪は説教。
「あなたは!お兄様の妹である自覚があるのかしら⁉︎何度も何度も言動行動を慎みなさいと……」
「ま、まぁまぁ……続きは家でさ……」
「いいえ今です!逃がしません!」
「うええっ⁉︎雫ちゃん助けてよ!」
「…………知らないっ」
「そんなぁっ!」
うわあああん、と泣き叫ぶ中、雫は思った。
(唇、柔らかかったな………)
この後、もちろん四人は生徒会に捕まり、連行された。