二人目の妹は入学すら出来ませんでした 作:スパイラル大沼
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帰り道。
「そういえば兄ちゃん。一緒にいるあの人たちは誰なの?」
あたしは眼鏡の人とリオレウスみたいな髪型した人を指差した。
「おっと、紹介がまだだったな。こいつはさっき言った深雪の双子の妹、美雨だ」
「へぇー、確かに深雪に似てるかもね。あたしは千葉エリカ。よろしくね」
「私は柴田美月です。よろしくお願いします」
手を差し出してくれる千葉さんとぺこりと頭を下げる柴田さん。
「うん!よろしくねリオレウスとミッキー!」
「り、リオレウスぅ⁉︎」
「み、ミッキー……?」
二人は「?」とでもいうように言うが、あたしは特に説明を加えようとしない。すると、深雪が前に出た。
「ごめんなさい。うちの愚妹はすぐに人にあだ名を付ける人で……」
「わ、私は別に気にしてませんから……」
「あたしは気にするわよ!何よリオレウスって⁉︎」
「えー?知らないのエリカ?」
「しかもいきなり名前呼び捨て⁉︎」
なんてやってると、また後ろからチョップされた。
「美雨、初対面の方に失礼だぞ」
「だからって一々、チョップしないでよー!」
大抵、兄ちゃんがあたしに粛正する時はチョップだ。あたしが涙目で頭をさすってると、リオレウスが言った。
「別に大丈夫よ司波くん。気にしてないし」
「そうか?すまないな、エリカ」
「でも、リオレウスはやめて。せめてリオレイアにしなさい」
「じゃ、リオエリカで」
「…………もうなんでもいいわ」
あたしが最終決定をすると、リオエリカ……りゃくしてリオカは諦めたようにため息をついた。が、すぐに思いついたような顔になった。
「あ、そうだ。せっかくだからどこかでお茶でも飲んでいかない?」
「えーあたしジュースがいいー」
「うん、そういう意味のお茶じゃないからね。なんかこの辺に美味しいケーキ屋さんあるらしいんだ」
「入学式の会場の場所はチェックしてなかったのに、ケーキ屋は知っているのか?」
「当然!大事なことでしょ?」
「当然なのか……」
なんてやり取りをしてると、深雪が兄ちゃんの裾を引っ張った。
「お兄様、どういたしましょうか」
「いいんじゃないか。せっかく知り合いになったことだし。同性、同年代の友人はいくらいても多過ぎるということはないだろうから」
「出た、シスコン……」
「美雨、お前も学校の友達は出来たのか?」
「き、今日は新しい降臨があったからそれどころじゃなかったんだよ!」
「友人よりもゲームなのか……いいからお前も友人を作りなさい」
「そうよ。あなたならすぐに作れるでしょう?」
深雪にも言われ、あたしはテキトーに返事した。そんなやりとりを見ていた2人が呟いた。
「なんか兄貴というよりお父さんみたいだね……」
「妹さん思いなんですね……」
違う。この人はただのロリコンだ。
*
その夜。リビングで兄ちゃんと姉ちゃんがイチャついてる中、あたしはニヤニヤしながらプレ3をいじっていた。
「アッガイの真の力、見せてやるよ!ハマーンだってアッガイに乗ったんだからな‼︎オラァッ!…………あっやべっ。てか味方!お前ストフリで死んでんの⁉︎ちょっ…あぶなっ!」
「ゲームは静かにやりなさい」
み深雪に怒られた。
「それと、ご飯よ」