二人目の妹は入学すら出来ませんでした 作:スパイラル大沼
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入学出来ませんでした
入学式の日。
「おはようございます。お兄様」
「おはよう。深雪」
いつも通りの挨拶を交わす深雪と達也。
「朝ご飯、出来ています」
「じゃあいただこうか。………っと、美雨はまだ……?」
「も、申し訳ありませんお兄様。今、起こしてきますので先に食べていてください」
「いや、待っているよ。早く呼んで来なさい」
「はい」
そのまま深雪はパタパタと、自分の双子の妹……美雨の部屋へと向かった。そのままガチャっと扉を開く。
「美雨、起きなさい。朝よ」
その美雨は、
「えへへへ〜しおりちゃぁん……」
朝から布団の中でエロゲをやっていた。
「ふわあぁぁ……眠くなって来ちゃったなぁ……あ、しおりちゃんと一緒に寝ちゃおうかなぁ!えへへー!」
「……………美雨?」
「あ、深雪。まだ起きてたの?」
「美雨こそまだ起きての?もう朝よ」
「えっ?」
時計を確認する美雨。時刻は朝の7時を回っていた。
「うわ、やっばぁ!今日入学式じゃん!」
「早くしなさい。ご飯はもうできてるから」
「な、なんでもっと早く起こしてくれなかったの⁉︎バカ姉ー!」
うわあーんと泣きながら着替える美雨。そんな様子を見ながら深雪は頭痛を堪えるように頭を抑え、ため息をついた。
*
朝食を終え、あたし達は学校に向かった。けど、同じ学校とは言ってない。
「では、行ってくるぞ美雨」
「うん。じゃーね兄ちゃん」
「始業式の時にゲームやらないようにね」
「ギクッ、わ、わかってるよ」
あたしだけ入試で落ちました。別の高校の普通科に入学です。そのまま二人と別れて学校へ。
「…………はぁぁぁぁぁぁ」
本当にざけんなよ。なんでこうなるのかな。いや仕方ないとは思うんだけどさ落ちたもんは。でも一人はないよ。うん、一人ってのはどうもおかしいよね。
「勉強すりゃよかった……」
*
放課後。あたしは兄ちゃんと深雪の通う一高へ。暇だったし、玄関の鍵忘れたからこうせざるを得なかった。
「はぁ………」
まだかなー……。あのアホ兄妹。しばらく携帯を弄りながら待機。ゲームやってるなう。
「あーあー!ひーまーだーなー!」
意味もなく声を上げる。通り過ぎる人にヒソヒソ言われた。しまった!ここ学校前じゃん!絶対変な人と思われたー!
「うがあー!やらかしたぁー!」
しまったー!高校デビューしくった奴かあたしはー!あと闇ドロップの位置一個ズレてたー!思わずムカついて壁をガンガン殴ってしまった。ボゴッボゴッとあたしから半径3mくらいの壁が吹っ飛んでしまった。
「あっ、やべっ」
「そこの女子!何をしている!」
うわあっ……なんか風紀委員と書いてジャッジメントと読みそうな人達が来ちゃったなぁ……。
「あっ……いや、その………針で突いたらパァンッて……」
「風船かここの壁は!いいから来い!場合によっては……」
「何をしてるんだ?美雨」
兄ちゃんと深雪が来てしまった……。
「あ、兄ちゃん」
あたしはトタトタと近寄った。
「なんだ?君の妹か?」
「はい」
返事をしながら兄ちゃんは破壊された壁を見た。
「…………一応聞くが、お前がやったのか?」
「え、えー?なんのことかなー?」
一応惚けたが、兄ちゃんの鋭い眼光からは逃れられない。思わず視線を逸らす。タラタラと冷や汗が頬を通った。
「………ごめんなさい。あたしが壊しました」
「まったく……」
呆れながら兄ちゃんは頭に軽くチョップしてきた。
「っ痛ぅ〜……」
「すみません。俺の妹が壊しました」
「………素手で壊したのか?」
「い、いえいえ!そんな力ありませんあたし!非力なか弱い女の子なので」
てへっ☆と頭を自分でコツってやって舌を出した。その瞬間、今度は風紀委員っぽい人にチョップされる。
「反省しろ」
「ごめんなさい」
「まったく……今回は不問にしてやるが、次はないからな」
あーあ…怒られちゃった……。
「妹がお騒がせして、申し訳ありません」
兄ちゃんまで頭を下げてしまった。あぁ……あとで深雪に怒られる……もう睨まれてるし……。そのまま風紀委員っぽい人は行ってしまった。
「さて、俺たちも帰るぞ」
「美雨、後で話があります」
嫌だなぁ……怖いなぁ……。