歯科衛生士国家試験まであと40日!
今回の問題は、科目がランダムになっています!
どれくらいのスピードで解けるか、実力を試してみてください!
いますぐ挑戦!!
"成し遂げんとした志をただ一回の敗北によって捨ててはいけない。 "
シェイクスピア
解説
解答と解説です。
解説を読むだけではなく「どうしてその答えになるのか」を意識して復習していきましょう!
上顎前歯の舌側面を図に示す。矢印で示すのはどれか。
a.臼歯結節
b.基底結節
c.介在結節
d.カラベリー結節
答え:b
図は上顎前歯の舌側面であり、矢印は基底結節を示している。
基底結節は前歯における舌面歯頸隆線が著明になった場合をいい、上顎犬歯で発達がよい。
臼歯結節は乳臼歯近心頬面歯頸部付近にみられる結節である。
介在結節は上顎第一小臼歯および上顎第一大臼歯の近心辺縁隆線上にしばしばみられる結節である。
カラベリー結節は上顎第一大臼歯、上顎第二乳臼歯の近心舌面にみられる結節である。
(第26回午前 問4)
血清カルシウム濃度の恒常性維持において、活性型ビタミンDが作用するのはどれか。
正しい組み合わせを選べ。
a.骨
b.小腸
c.肝臓
d.皮膚
答え:a,b
活性型ビタミンDが作用する場所(標的器官)は、骨と小腸であり、血清カルシウム濃度を上昇させる。
活性型ビタミンDは血清カルシウム調節ホルモン作用がある。骨芽細胞内のビタミンD受容体と結合し、コラーゲンなどのタンパク質産生を促進する。
また、RANKLを発現させることで破骨細胞を活性化し骨吸収を促進し、血清カルシウム濃度を上昇させる。
小腸ではカルシウム結合タンパクであるカルビンディンD合成を促進することにより、カルシウム吸収を促進させる。
活性型ビタミンDは脂溶性ビタミンの1つであり、食物などで摂取されたビタミンDが皮膚での紫外線吸収によりビタミンD₃となった後、肝臓と腎臓で水酸化を受けて活性型ビタミンD₃となる。
したがって、皮膚と肝臓は活性型ビタミンDが合成される場所であり、標的器官ではない。
(第26回午後 問31)
PMTCに用いるのはどれか。
a.歯ブラシ
b.スケーラー
c.フッ化物配合研磨材
d.エアタービンハンドピース
答え:c
PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)とは、往復運動式のエバチップハンドピースとフッ化物配合研磨材を用いて、歯間隣接面も含めてすべての歯面の歯肉縁上および縁下1~3mmのプラークを機械的に選択除去する方法である。
術式は、
①プラークの染め出し
②研磨材の注入または塗布
③隣接面の清掃・研磨
④頬舌側面・咬合面の清掃・研磨
⑤歯面の洗浄
⑥フッ化物塗布
の順で行う。
歯ブラシ、スケーラーならびにエアタービンハンドピースはいずれも使用しない。
(第26回午前 問68)
摩耗症の小臼歯の断面図を示す。
矢印で示す灰色部の硬組織はどれか。
a.象牙質橋
b.原生象牙質
c.第二象牙質
d.第三象牙質
答え:d
摩耗症では摩耗面に露出した象牙細管内のトームス線維が変性・崩壊し、死帯とよばれる不透明な象牙質(図①)が形成される。
また、摩耗の刺激は象牙芽細胞を活性化し、髄腔面に第三象牙質(図②)が形成される。
両者は摩耗の侵襲に対する防衛反応である。
原生象牙質は歯根完成までに形成される歯髄腔の外形をつくる象牙質である。
歯根完成後、生理的条件下で第二象牙質が、う蝕や摩耗などの外来刺激で第三象牙質がつくられる。
象牙質橋は生活歯髄切断後に露出した歯髄面に形成される。
(第26回午後 問9)
歯面塗布に用いるフッ化物製剤とpHの組合せで正しいのはどれか。
a.NaF溶液─5.0
b.APF溶液─3.5
c.APFゲル─2.8
d.SnF₂溶液─7.0
答え:b
- APF溶液は、リン酸酸性フッ化ナトリウム溶液のことで2%フッ化ナトリウム溶液を正リン酸で酸性にしたもので、pHは3.4~3.5である。
- NaF溶液とはフッ化ナトリウムのことで、歯面塗布に用いられる場合、2%NaF溶液として使用されている。pHは中性(7.0)である。
- APFゲルとは、リン酸酸性フッ化ナトリウム溶液をゲル状にしたものである。pHは、APF溶液と同様に酸性でpHは3.4~3.5である。
遮光して保存する必要があるが、常温保存でも約1年間はpHの変化はない。 - SnF₂溶液は、フッ化第一スズ溶液のことでpH2.8付近である。
着色する可能性があるため、永久歯への歯面塗布としてはあまり用いられない。
(第26回午後 問68)
ハインリッヒの法則を示す。【 】に入る組合わせで正しいのはどれか。
1件の重大な事故の背景には【①】件の軽微な事故と、さらに【②】件の傷害には至らなかった事故<インシデント>がある。
a.①19 ②200
b.①29 ②300
c.①39 ②400
d.①49 ②500
答え:b
ハインリッヒの法則は、
「1件の重大な事故<アクシデント>の背景には、29件の軽微な事故とさらに300の傷害には至らなかった事故<インシデント>がある」
と、労働災害を統計学的に調査したハインリッヒが述べたものである。
重大事故になる前に、傷害には至らなかった事故<インシデント>の段階で分析して因子を減らせば、重大事故<アクシデント>を未然に防ぐことができるという考え方で、未然にリスクを把握して自ら安全行動をとれるようにすることが大切である。
(第26回午後 問94)
人口動態統計における死因別にみた死亡率の推移を図に示す。
矢印で示すのはどれか。
a.結核
b.肺炎
c.心疾患
d.肝疾患
答え:a
2015年の死亡率(人口10万対)を死因順位別にみると、以下のようになっている。
第1位:悪性新生物295.5
第2位:心疾患156.5
第3位:肺炎96.4
第4位:脳血管疾患89.4
図のグラフで、この値をあてはめると、高い2つが心疾患、肺炎である。
ほかのグラフは2015年時点で値が高いほうから、肝疾患12.5、結核1.6を示している。
死因別の死亡率の推移は、第二次世界大戦前までは上位を占めていた結核による死亡は大きく減少し、感染症から生活習慣病へと死因は大きく変化した。
近年の主要4死因(悪性新生物、心疾患、脳血管疾患、肺炎)の傾向としては、脳血管疾患のみ減少傾向にあり、ほかは増加の傾向を示している。
(第27回午後 問26)
窩洞にレジン充塡を行うためリテーナーを装着した状態の模型の写真を別に示す。
正しいのはどれか。
a.①
b.②
c.③
d.④
答え:d
写真は、下顎左側第二小臼歯にタッフルマイヤー型リテーナーを装着して歯頸部にウエッジを挿入し、隔壁を行っている。
隔壁の目的は、複雑窩洞を単純化することにより、修復材を塡塞しやすくし、隣接面形態や接触点を付与することである。
タッフルマイヤー型リテーナーは、2級複雑窩洞(臼歯部の咬合面・隣接面を含む窩洞)のコンポジットレジン修復などに用いる。
リテーナーは、頬側から装着し頭部が遠心方向に向くようにする。
リテーナーのバイスが患歯の歯頸部側にくるようにして、マトリックスバンドを固定し、ウエッジを舌側から挿入する。
(第27回午後 問100)
光化学オキシダントの原因物質となるのはどれか。
a.二酸化窒素
b.二酸化炭素
c.二酸化硫黄
d.二酸化ケイ素
答え:a
光化学オキシダントは、窒素酸化物(NOx)と揮発性有機化合物(VOC)とが太陽光に含まれる紫外線の作用により光化学反応を起こし、オゾンなどの強い酸化力をもった物質が二次的に生成されたものである。
光化学スモッグの原因となり、粘膜への刺激、呼吸器への悪影響を及ぼす、二酸化窒素(NO₂)などの窒素酸化物は主に化石燃料の燃焼によって生じ、その発生源には、工場のボイラーなどの固定発生源と自動車などの移動発生源が存在する。
二酸化硫黄は四日市ぜんそくや酸性雨の原因物資となる。
二酸化炭素は毒性が低く、空気中の濃度が3%以下では症状はないが、濃度が高くなることにより危険な状態になる。
二酸化ケイ素(シリカ)は、毒性はないが、工事などで粉砕することで粉塵となり、これを吸入することで、じん肺の一種である珪肺の原因となる。
(第26回午前 問25)
国民健康・栄養調査で、高度経済成長期と比べて、近年摂取量が増加しているのはどれか。
a.食塩
b.魚介類
c.炭水化物
d.緑黄色野菜
答え:d
国民健康・栄養調査は、健康増進法により毎年実施され、国民の身体の状況、栄養素等摂取量、食品別摂取量および生活習慣の状況などについて把握することができる。食品別摂取量の推移をみると、高度経済成長期と比べて、近年摂取量が増加しているのは、小麦、緑黄色野菜と乳類である。減少しているのは、米、砂糖・甘味料類、豆類に、この10年ほどでは魚介類も減少傾向にある。栄養素摂取量の推移をみると、増加しているのは、脂質とビタミンB₂、減少しているのは、エネルギー、炭水化物、鉄と食塩で、一旦増加して減少してきているのはタンパク質と脂質である。
(第26回午前 問32)