歯科衛生士国家試験まであと39日!

2年間分の過去問から、科目をランダムで出題しています。
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辛い思いはすべてプラスになる。苦しかったこと、悲しかったことが、いつか必ず花開く時が来る。辛いこと、悲しいことは幸せになるための必要事項。花開き、実を結ぶときに辞めてしまってはいけない。

美輪明宏

解説

解答と解説です。

解説を読むだけではなく「どうしてその答えになるのか」を意識して復習していきましょう!

40歳の女性、奥歯に物が挟まることを主訴として来院した。
器材の写真を別に示す。検査に用いるのはどれか、正しい組み合わせを選べ。

問題画像

a.①
b.②
c.③
d.④

答え:b,c

写真は、①研磨用ストリップス、②デンタルフロス、③コンタクトゲージ、④マトリックスバンドリテーナーである。

奥歯に物が挟まる原因として考えられることは、隣接面う蝕や歯の動揺によるコンタクトの離開などである。
そのため、原因確認の検査に用いられるものは歯の接触状態の検査器具のデンタルフロスやコンタクトゲージである。

研磨用ストリップスは、隣接面を含む窩洞のレジン充塡後の研磨に用いられる。
マトリックスバンドリテーナーは、ブラックの2級窩洞の隔壁法に用いられる。

(第26回午前 問76)

レジンインレー窩洞の仮封材として適切なのはどれか。
正しい組み合わせを選べ。

a.ストッピング
b.水硬性セメント
c.水酸化カルシウム製剤
d.酸化亜鉛ユージノールセメント

答え:a,b

レジンインレー窩洞の仮封材には、ストッピングと水硬性セメントを使用する。
酸化亜鉛ユージノールセメントは、レジンセメントの重合を阻害するため、レジンインレーの仮封材には適さない。
また、水酸化カルシウム製剤は歯髄覆罩材や根幹充塡材として使用する。

(第26回午前 問98)

舌を図に示す。
二点弁別閾が最も小さいのはどれか。

問題画像

a.①
b.②
c.③
d.④

答え:d

二点弁別閾とは、皮膚や粘膜を2点で同時に刺激したときに、2点であると判別できる最小の距離のことをいう。

1つの神経が支配する領域である受容野が大きいと二点弁別閾は大きくなる。
つまり、二点弁別閾が小さいほど感覚としては鋭敏であることを示す。

図は舌上の領域を示しており、舌の中では舌尖(④)が最も感覚が鋭敏で、二点弁別閾が最も小さく、1.0mm程度である。舌背(①、②)や舌縁(③)の二点弁別閾は数~10mm程度である。

(第26回午前 問8)

ステファン曲線を実線で図に示す。
矢印の方向に変化させるのはどれか。正しい組み合わせを選べ。

問題画像

a.F⁻
b.Cl⁻
c.NO₃⁻
d.HCO₃⁻

答え:a,d

ステファン曲線とは、10%ブドウ糖溶液で1分間うがいした場合の歯垢(プラーク)中のpHの変動を示したもので、糖質が歯垢に作用すると、歯垢中のpHはエナメル質の脱灰を生じる臨界pHである5.5よりも低い値に低下するが、唾液の緩衝作用やフッ化物の働きによりpH値を上昇させる。

フッ素イオン(F⁻)は細菌の酸産生を抑制し、唾液中の重炭酸イオン(HCO₃⁻)は緩衝作用として働く。
硝酸イオン(NO₃⁻)は、歯の酸蝕症の原因の1つであり、塩素イオン(Cl⁻)は唾液の無機成分の1つであり、pH値の高低には関与しない。

(第26回午前 問18)

手指の消毒に使用するのはどれか。正しい組み合わせを選べ。

a.ポビドンヨード
b.グルタールアルデヒド
c.次亜塩素酸ナトリウム
d.クロルヘキシジングルコン酸塩

答え:a,d

手指の消毒には刺激性が少ない消毒薬が使用されるが、同じ消毒薬でも濃度によって適用範囲が異なる場合があるので注意が必要である。

ポビドンヨードは中域の抗微生物スペクトルをもち、手指や手術野の消毒、含嗽剤として用いるが、過敏症の既住や甲状腺機能に異常がある患者への使用には注意を要する。

クロルヘキシジングルコン酸塩は狭域の抗微生物スペクトルで、医療器具、手指、皮膚、創面の消毒に用いる。

グルタールアルデヒドは広域の抗微生物スペクトルで、器具の消毒に用いるが、タンパク質変性作用が強いため人体には不適である。

次亜塩素酸ナトリウムは中域の抗微生物スペクトルで、ガラス・プラスチック器具や環境の消毒に用いるが、皮膚刺激性があり、酸性溶液と混ぜると有毒な塩素ガスを発生するため、人体には不適である。

(第26回午前 問37)

口腔機能訓練時の写真を別に示す。
この訓練はどれか。正しい組み合わせを選べ。

問題画像

a.開口訓練
b.咳嗽訓練
c.筋機能訓練
d.ROM<可動域>訓練

答え:c,d

嚥下時の口腔機能の訓練法には間接訓練と直接訓練がある。
直接訓練は食物を摂取しながら摂食嚥下機能の向上をはかる訓練である。
間接訓練は食物を用いない訓練であり、基礎訓練ともいう。
間接訓練はさらに【嚥下機能に関する訓練】と【呼吸機能に関する訓練】に分けられる。

嚥下機能に関する間接訓練にはROM(Range of motion:可動域)訓練、筋機能訓練、シャキア法、開口訓練などがある。
舌のROM<可動域>訓練は舌を左右に移動させたり、前に突出させたりして舌の可動域を大きくする訓練であり、写真Aは舌のROM<可動域>訓練の様子である。

筋機能訓練は嚥下に関わる筋の筋力を鍛える訓練である。
写真Bは、舌に舌圧子を当てて押し返させることにより舌の筋力を鍛えていると考えられるので、筋機能訓練である。

開口訓練は最大開口させることで喉頭挙上に関わる筋を鍛える訓練である。

咳嗽訓練は呼吸機能に関する間接訓練であり、誤嚥物の排出のために重要であるとともに、呼吸筋の機能低下を予防できる。
腹部に手を置いて「えへん」と声を出しながら息を吐き、その呼気に合わせて腹部を押して咳の誘導をはかる。

(第26回午前 問108)

食道と胃の境界部はどれか。

a.肝門
b.噴門
c.幽門
d.肛門

答え:b

口腔に始まり、食道、胃、小腸(十二指腸、空腸、回腸)、大腸(盲腸、結腸、直腸)を経て肛門に至る長い管を消化管とよぶ。

食物は消化管を通り、最終的には糞便となって肛門から排出される。
食道と胃の境界部は噴門、胃と十二指腸との境界部は幽門である。肝門は肝臓における神経や血管などの出入り口である。

(第26回午後 問2)

学校保健における対人管理はどれか。正しい組み合わせを選べ。

a.PTA活動
b.学級活動
c.健康診断
d.感染症予防

答え:c,d

学校保健は、保健教育および保健管理と、これを円滑に運営するための組織活動を含めた3分野からなる。
保健教育は学校教育法で、保健管理は学校保健安全法で規定される。
保健教育は、体育科、保健体育科などの保健学習と、学級活動、学校行事などの保健指導とに大別される。
保健管理は、健康診断や感染症予防などの対人管理(人的管理)と学校環境の衛生、管理などの対物管理(物的管理)とに分けられる。
PTA活動などは組織活動に含まれる。

(第26回午後 問26)

6か月の乳児、保育園で保護者を対象とした歯科保健指導で口腔清掃方法について質問を受けた。
保護者は口腔清掃をまだなにもしていないという。全身疾患や口腔粘膜の異常はない。
口腔内写真を別に示す。適切な助言はどれか。正しい組み合わせを選べ。

問題画像

a.就寝前に歯ブラシで磨いてください。
b.小さなおもちゃをしゃぶらせましょう。
c.ガーゼで汚れを拭う準備を始めましょう。
d.指で口の中を触れることに慣れさせましょう。

答え:c,d

6か月の乳児。写真では下顎前歯部の乳歯が萌出している。
この時期の口腔清掃は授乳や離乳食のあと、指に巻いたガーゼで乳歯を拭くことを指導する。

前歯部の乳歯が生えそろう12か月過ぎからは、就寝前に歯ブラシで磨くよう指導する。

歯が萌出していない生後0~5か月ごろは歯磨きの必要はないが、この時期は口唇や口の中が最も敏感なころで、歯磨きの準備として指で口の中を触られるのに慣れておくことが大切である。

生後4~5か月ごろから衣類・おもちゃなどをなめる・しゃぶる行為がみられる。小さなおもちゃをしゃぶらせ、歯磨きを受け入れる準備をする。

(第26回午後 問92)

金属アレルギー検査はどれか。正しい組み合わせを選べ。

a.パッチテスト
b.薬剤感受性試験
c.ガスクロマトグラフィー
d.DLST<薬剤誘発性リンパ球刺激試験>

答え:a,d

金属アレルギーは金属とその化合物の感作が現れるⅣ型(遅延型)の接触アレルギーで、歯科では金属製修復物が口腔粘膜や歯肉に接触して生じる。

金属アレルギーの検査の主流はパッチテストで、被検材料を背中あるいは上腕屈側部の皮膚に貼付し、48時間後に絆創膏を剥がして皮膚反応の判定を行う。
さらに、貼付72時間後と1週間後にも判定する。DLST<薬剤誘発性リンパ球刺激試験>もin vitroで行う遅延型アレルギーの検査法で、患者の末梢血から白血球、特にTリンパ球を分離培養し、そこに金属イオンを加えアレルギーの有無を調べる。

なお、薬剤感受性試験は薬剤に対する細菌の感受性を調べる検査法、ガスクロマトグラフィーは歯科臨床では口臭の精密検査に活用されている検査である。

(第26回午前 問35)