歯科衛生士国家試験まであと38日!

2年分の過去問題からランダムに出題しています。
問題の内容を理解できているか、実力を試してみてください!

いますぐ挑戦!!

困難を予期するな。決して起こらないかも知れぬことに心を悩ますな。常に心に太陽を持て。

ベンジャミン・フランクリン(アメリカの政治家)

解説

解答と解説です。

解説を読むだけではなく「どうしてその答えになるのか」を意識して復習していきましょう!

健康日本21(第二次)の「歯・口腔の健康」の項目と目標値の組合せで正しいのはどれか。
正しい組み合わせを選べ。

a.20歳代における歯肉に炎症所見を有する者の減少──25%
b.40歳代における進行した歯周炎を有する者の減少──40%
c.60歳で24歯以上の自分の歯を有する者の増加──60%
d.80歳で20歯以上の自分の歯を有する者の増加──50%

答え:a,d

国民の健康づくり対策を進めるため、平成25年度に「21世紀における第二次国民健康づくり運動(健康日本21(第二次))」が開始された。

この目標として、

  1. 健康寿命の延伸と健康格差の縮小
  2. 主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底
  3. 社会生活を営むために必要な機能の維持・向上
  4. 健康を支え、守るための社会環境の整備
  5. 栄養・食生活、身体活動・運動、休養、飲酒、喫煙および歯・口腔の健康

上記それぞれの項目ごとに数値目標が設定された。

歯・口腔の健康の項目と目標値は下表のとおりである。

解説画像

(第26回午前 問22)

32歳の女性、ある日の食事内容における食事バランスガイドの評価と食事の写真を別に示す。
摂取することでバランスが向上するのはどれか。
正しい組み合わせを選べ。

問題画像

a.①
b.②
c.③
d.④

答え:a,d

「食事バランスガイド」とは、1日に「何を」「どれだけ」食べたらよいかを「コマ」をイメージしたイラストで示したものである。
健康で豊かな食生活の実現を目的に策定された「食生活指針」(2000年)を具体的に行動に結びつけるものとして、2005年に農林水産省と厚生労働省により策定された。

成人女性の摂取量の目安は、身体活動量が普通以上の者で、主食(5~7つ)、副菜(5~6つ)、主菜(3~5つ)、牛乳・乳製品(2つ)、果物(2つ)である。
身体活動量が低い者は、主食(4~5つ)と主菜(3~4つ)が少なくなるがほかの摂取量は同じである。

まず、図から摂取の目安量より少ない料理区は、主食と副菜であることがわかる。
次に写真より主食と副菜に該当する料理区分を探すと、それぞれ米飯(①)とひじき(④)の煮物である。梨(②)は果物、冷奴(③)は主菜である。

(第26回午前 問89)

5年間の保管が規定されているのはどれか。
正しい組み合わせを選べ。

a.診療録
b.歯科技工指示書
c.産業廃棄物管理票
d.歯科衛生士業務記録

答え:a,c

診療録は、歯科医師法に基づき5年間保存する。
産業廃棄物管理票は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)に基づき5年間保存する。
歯科技工指示書は、歯科技工士法に基づき2年間保存する。
歯科衛生士義務記録は、歯科衛生士法施行規則に基づき3年間保存する。

そのほかに、法令上作成保存が求められている書類として、助産録は保健師助産師看護師法に基づき5年間、調剤済みの処方せんは薬剤師法に基づき3年間の保存が義務づけられている。

(第26回午前 問94)

O型血液で正しいのはどれか。

a.抗A抗体:あり 抗B抗体:あり
b.抗A抗体:なし 抗B抗体:あり
c.抗A抗体:あり 抗B抗体:なし
d.抗A抗体:なし 抗B抗体:なし

答え:a

赤血球の膜には凝集原とよばれる抗原が存在する。
ヒトではA、B型の2種類の凝集原の有無によって、ABO式血液型が決定される。

A型はA型凝集原を、B型はB型凝集原を、AB型はそれら両方をもっており、O型はいずれももっていない。
A型凝集原は抗A抗体(α凝集素)とB型凝集原は抗B抗体(β凝集素)とそれぞれ反応すると凝集を起こす。
ヒトの血清には凝集を起こさない組み合わせで、これらの抗体が存在する。

つまり、O型血液には、A型、B型いずれの凝集原ももたないので、血清には抗A抗体も抗B抗体も存在する。

(第26回午後 問5)

OHIのDebris ScoreとCalculus Scoreを表に示す。
OHIはどれか。

問題画像

a.2.0
b.2.5
c.3.0
d.3.5

答え:d

OHIは口腔衛生状態の評価に用い、歯面に付着しているプラークと歯石の付着・沈着面積をそれぞれ、0~3の4段階で評価する。
口腔内を下図のように6分割し、さらに頬側と舌側に分け、1区分の頬側・舌側それぞれの最も高い値を示す歯を選び計算する。
OHIのスコアは、
DI(Debris Index)=(DSの合計)/(被検区分数)と、
CI(Calculus Index)=(CSの合計)/(被検区分数)の合計で、
最小値は0、最大値は12となる。

設問では、スコアの集計は図の通りとなり、DI=15/6、CI=6/6で、OHI=3.5である。

(第26回午後 問21)

器具の写真を別に示す。
この器具で計測する2度はどれか。

問題画像

a.計測時に出血がある。
b.頬舌的、近遠心的に1~2mm動く。
c.歯肉辺縁部にプラークを確認できる。
d.骨吸収が1/3以上で反対側に貫通していない。

答え:d

写真は、根分岐部病変の検査に用いるファーケーションプローブである。

根分岐部病変の分類には、Lindhe&Nymanの水平的分類が用いられ、
1度は骨の吸収が歯冠幅径の1/3以内。
2度は骨の吸収が歯冠幅径の1/3を超えるが、反対側に貫通しない。
3度はプローブを水平方向に挿入すると貫通する。

歯周プローブは計測時の出血の有無を検査するのに用いられ、出血があれば炎症ありとみなされる。
歯の動揺度の検査には歯科用ピンセットを用い、通常、前歯はピンセットで切縁を挟んで唇舌的に動かし、臼歯部はピンセットを閉じて咬合面に押し当てて頬舌的・近遠心的に動かす。

検査の指標はMillerの分類が用いられ頬舌的、近遠心的に1~2mm動くのは2度を表す。
歯肉辺縁部のプラークの付着の有無を評価する指標は、PCR(Plaque Control Record)である。
プラーク染色後に歯面を頬側、舌側、近心、遠心の4つに分け、染色された歯肉辺縁部に接する歯面数を数える。

(第26回午後 問79)

82歳の女性。義歯が時々はずれると家族より相談を受けた。
5年前にパーキンソン病を発症しパーキンソン病治療薬を服用している。
歯科医師の診察の結果、オーラルジスキネジアが頻繁にみられたが、義歯の適合は良好であった。
家族への指導で正しいのはどれか。正しい組み合わせを選べ。

a.服用薬剤はなるべく早めに休薬する。
b.定期的に義歯の適合を診察してもらう。
c.不随意運動が出たら口を閉じるようにする。
d.口腔ケアを行う際は軟らかめの歯ブラシを使用する。

答え:b,d

パーキンソン病は脳に異常をきたす原因不明の神経変性疾患である。
パーキンソン病は、手足の震え(振戦)、筋肉が硬くなる、動きが遅くなる、姿勢が保てないなどの症状がみられる。
オーラルジスキネジアにより義歯の維持や安定が妨げられ、義歯の刺激により口腔粘膜に潰瘍などを形成することがあるため、定期的に義歯の適合を診察する。
口腔ケアは、患者の体位を安定させ、口腔周囲筋のマッサージや軟らかめの歯ブラシでブラッシングを行う。
基本的に歯科診療のための休薬は行わない。

(第26回午後 問91)

セラミックインレー修復で、削り出し法<ミリング法>を応用してインレー体を製作する方法はどれか。

a.焼成法
b.CAD/CAM法
c.加圧法<押し込み法>
d.鋳造法<キャスタブルセラミックス>

答え:b

CAD/CAM法はセラミックブロックからインレー体を削り出す削り出し法<ミリング法>の一種。
歯型をCCDカメラなどで三次元的に計測して、そのデータをもとにコンピュータでセラミックインレーなどの形態をデザインし、コンピュータ制御の切削器具を用いてデザインした形態にセラミックブロックから削り出すことでセラミックインレーなどを製作する方法である。

焼成法は従来の陶材の調整法であり、金属やセラミックスで製作されたコア(フレーム)表面に陶材ペーストを築盛して陶材を焼き固めることで製作する。

加圧法<押し込み法>は、ゆっくりと加熱して軟化させたセラミックスを鎮型内に注入して調整・作製する。

鋳造法<キャスタブルセラミックス>は、鋳型に高温で融解させた流動性の高いガラスを金属鋳造と同様に鋳込むことで調整する。
鋳造後の時点では、ガラスは結晶化されておらず機械的強度が弱いので、鋳型から取り出したあとにガラスを再加熱して結晶化ガラスにする結晶化処理(セラミング)を行い、強度と透光性を改善する。

(第26回午後 問96)

消化器系を図に示す。
矢印で示す臓器から出る液体の役割はどれか。

問題画像

a.脂肪の乳化
b.腸粘膜の保護
c.炭水化物の分解
d.タンパク質の分解

答え:a

図の矢印で示す臓器は胆嚢であり、肝臓でつくられた胆汁を蓄えている。
十二指腸内に分泌される胆汁には、脂肪を乳化する働きがあり、脂肪の分解・吸収を促進する。
ムチンを含む粘液が十二指腸(ブルンネル線)や空腸・回腸から分泌され腸粘膜を保護している。
炭水化物を分解するアミラーゼは口腔では唾液腺から、腸管では膵臓から分泌される。
タンパク質を分解する酵素は胃液や膵液中に含まれる。

(第26回午前 問7)

小児の薬用量を求めるAugsbergerの式を示す。
▢に入るのはどれか。

問題画像

a.体重
b.身長
c.年齢
d.胸囲

答え:c

小児は、成人と比較して薬物代謝を行う肝臓や薬物の排泄を行う腎臓の機能が未発達なため、薬物投与量は成人より少なくなる。
小児の薬用量は体表面積から求める方法が最適とされる。
臨床においては、体表面積からの算出に近い値が得られるとして、小児の年齢をもとに投与量を決定するAugsbergerの式が使用される。
また、成人に対する投与量を1とした場合の小児の薬用量を計算し、簡便な表にしたのがvon Harnackの換算表である。

(第27回午前 問14)