歯科衛生士国家試験まであと37日!
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解説
解答と解説です。
解説を読むだけではなく「どうしてその答えになるのか」を意識して復習していきましょう!
医療現場におけるインシデント報告書の目的はどれか。
正しい組み合わせを選べ。
a.勤務評定
b.保健所への報告
c.メタ認知能力の育成
d.事故発生リスクの分析
答え:c,d
インシデント報告書は、誰にでもインシデントは起こりうる可能性があると認識して共有化をはかるものである。
インシデント報告書から事故発生リスクの分析、インシデントのパターンを認識して自分自身を客観的にみるメタ認知能力やリスク感性を高めて、再発防止に役立てることを目的としている。
勤務評定はインシデント再発防止の目的とは関係なく、保健所への報告も必要ない。
(第26回午後 問33)
68歳の女性、【①口の臭いが気になる】と訴え来院した。
【②5年前に脳梗塞を発症】し、左半身は麻痺があるという。
【③含嗽を指示すると問題なくできる。】
【④口腔内全体にプラークと食物残渣の付着があり】、舌は乾燥していて舌苔もみられる。歯肉は発赤・腫脹している。
①~④で客観的データはどれか。正しい組み合わせを選べ。
a.①
b.②
c.③
d.④
答え:c,d
患者情報の種類には、主観的データと客観的データがある。
主観的データとは、対象者や家族が話したことや書いたものなどの情報で、主訴、既住歴、現病歴、服薬、栄養状態、生活習慣、家族歴、健康に対する理解度や価値などをさす。
客観的データとは、専門家の観察によって得られた所見や検査データのことで、バイタルサイン、口腔内写真、口腔内外の観察、歯・歯列の観察、歯周組織の検査、口腔衛生状態の検査、エックス線検査、唾液検査、臨床検査などがある。
設問の①「口の臭いが気になる」は主訴、②「5年前に脳梗塞を発症し」は既住歴であるから主観的データである。
③「含嗽を指示すると問題なくできる」と④「口腔内全体にプラークと食物残渣の付着があり」は口腔内外の観察によって得られた情報であるから客観的データである。
(第26回午後 問81)
セラミックインレーの合着に使用するデュアルキュア型レジンセメントの取扱いで正しいのはどれか。
a.金属スパチュラで練和する。
b.セメントを窩洞に直接塡入する。
c.光照射を行う。
d.余剰セメントは完全に硬化してから除去する。
答え:c
接着性レジンセメントの重合方式には化学重合型と光重合型と化学重合・光重合を併用して重合するデュアルキュア型がある。
デュアルキュア型レジンセメントは光透過性を有するセラミックやコンポジットレジンの修復物の接着に適しており、光照射によって重合は加速されるが光の到達が不足して十分な重合が得にくい場合でも化学重合によって重合が補足される。
接着性レジンセメントの練和に金属スパチュラを使用すると、フィラーなどの成分によって成分によって金属が削られてセメントに混入し、色調や物性に影響するので、金属スパチュラの使用は避ける。
修復物の適合性がよければ、合着用セメントはできるだけ薄く均一にインレー内面に塡入されることが望ましいので口腔内よりも操作しやすい口腔外でインレー内面にセメントを塡入する。
いずれの接着性レジンセメントも完全硬化すると歯質からの除去が困難になるので、余剰セメントの除去は硬化する前に行う。
(第26回午後 問95)
ある微生物のグラム染色像を別に示す。
この微生物が原因と考えられるのはどれか。
a.結核
b.梅毒
c.赤痢
d.食中毒
答え:d
グラム染色は、細菌細胞壁のペプチドグリカン層の厚さによって細菌を染め分ける染色法である。
青紫色に染まるグラム陽性菌はペプチドグリカン層が厚く、赤色に染まるグラム陰性菌はペプチドグリカン層が薄い。
写真の微生物はグラム陽性の球菌で、ブドウの房状の配列をしていることからブドウ球菌(Staphylococcus)である。
ブドウ球菌のうち、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)にはエンテロトキシン(腸管毒)を産生するものがあり、毒素型食中毒の原因となる。
結核はグラム陽性桿菌であるMycobacterium tuberculosis(結核菌)が、梅毒はグラム陰性らせん菌であるTreponema pallidumが原因となる。
赤痢の原因微生物には細菌(赤痢菌、Shigella)と原虫(赤痢アメーバ)があり、赤痢菌はグラム陰性桿菌である。
(第27回午前 問11)
頭部エックス線規格写真分析<セファロ分析>のトレース図を示す。
フランクフルト平面の設定に必要な計測点はどれか、正しい組み合わせを選べ。
a.①
b.②
c.③
d.④
答え:b,c
図の①はナジオン(N)で、前頭鼻骨縫合の最前点である。
②はオルビターレ(Or)で、眼窩骨縁の最下点である。③はポリオン(Po)で外耳道上縁の最上方点である。
④はセラ(S)で、蝶形骨トルコ鞍の壷状陰影像の中心点である。フランクフルト平面は②(Or)と③(Po)を結ぶ直線である。
①(N)と④(S)を結ぶ直線はS-N平面である。
これらの平面と下顎下縁平面〔メントン(Me;オトガイ正中断面像の最下点)を通り下顎下縁に接する直線〕は、頭部エックス線規格写真分析を行う際の基準平面となる。
(第27回午後 問36)
特定健康診査における基本的な健診項目はどれか。
a.心電図
b.眼底検査
c.貧血検査
d.血糖検査
答え:d
特定健康診査は、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に着目した健診であり、基本的な健診項目としては、
- 質問票(服薬歴、喫煙歴など)
- 身体計測(身長、体重、BMI、腹囲)
- 血圧測定、理学的検査(身体診察)、検尿(尿糖、尿蛋白)
- 血液検査(脂質検査、血糖検査、肝機能検査)
がある。
この健康診査の結果から生活習慣の改善が特に必要な者を抽出して、医師、保健師、管理栄養士などが、生活習慣の改善のための指導を実施することにより、生活習慣病を予防することを目的としている。
40~74歳の被保険者や被扶養者を対象として、医療保険者が実施する。
(第26回午前 問28)
破骨細胞の活性を抑制するのはどれか。
a.カルシトニン
b.バソプレッシン
c.活性型ビタミンD
d.副甲状腺ホルモン
答え:a
カルシトニンは甲状腺の傍小胞細胞から分泌されるホルモンで、破骨細胞の活性を抑えて、骨吸収を停止させ、骨から血中へのカルシウムの移行を抑えて、血中カルシウム濃度を低下させる。
一方、副甲状腺(上皮小体)から分泌される副甲状腺ホルモン(パラトルモン)は破骨細胞を活性化し、骨吸収を促進して、血中カルシウム濃度を上昇させる。活性型ビタミンDは破骨細胞の活性を抑制しないが、骨吸収を抑制する働きをもつ。
バソプレッシンは脳下垂体後葉から分泌されるホルモンで、腎臓に働き水の再吸収を促進することで、抗利尿作用および血圧上昇作用をもつ。
(第26回午後 問7)
舌の写真と線で囲んだ部位の拡大写真を別に示す。
矢印で示すのはどれか。
a.糸状乳頭
b.茸状乳頭
c.葉状乳頭
d.有郭乳頭
答え:b
写真は舌の表面(舌背)である。
舌背には舌乳頭とよばれる多数の小突起が存在し、その形から糸状乳頭、茸状乳頭、葉状乳頭、有郭乳頭に分けられる。
糸状乳頭は舌背全面に存在する小さな舌乳頭である。
矢印が示す茸状乳頭は糸状乳頭の間に散在し、先端が茸状に膨らんだ形をしている。
葉状乳頭は舌の後部の側面に存在し、ヒトでは発達が悪くヒダ状である。
有郭乳頭は分界溝の直前に並ぶ大きな乳頭である。
(第27回午後 問4)
喫煙者の歯肉の特徴はどれか。正しい組み合わせを選べ。
a.出血傾向
b.浮腫性の腫脹
c.歯肉組織の線維化
d.メラニン色素の沈着
答え:c,d
喫煙は歯周病の発症と進行に大きな影響を及ぼす。
喫煙により微小血管が収縮し血行障害を起こしていることから、歯周組織が病原因子の影響を受けやすい状態に陥る。
また、末梢血流量が減少しているため、歯肉の炎症に起因する出血が少なく発症に気づきにくい。
喫煙者の歯肉組織は線維化しやすく、メラニン色素の沈着が認められる。
(第27回午後 問64)
頭蓋骨側面の写真を別に示す。
矢印の部位から起始するのはどれか。
a.咬筋
b.側頭筋
c.内側翼突筋
d.外側翼突筋
答え:a
頭蓋骨側面の写真で、矢印は頬骨弓を示している。
咀嚼運動に関与する咀嚼筋の起始部と停止部を問う問題である。
咬筋は、頬骨弓から起こり下顎角外面(咬筋粗面)に停止する。
側頭筋は、側頭窩から起こり下顎骨の筋突起に停止する。
内側翼突筋は、蝶形骨(翼状突起の翼突窩)から起こり下顎角内面(翼突筋粗面)で停止する。
外側翼突筋は、上頭が蝶形骨(側頭下稜と側頭下面)、下頭は蝶形骨(翼状突起外側板)から起こり、下顎頸にある翼突筋窩と関節円板につく。
(第26回午後 問3)