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釣り場、きれいに 回収協力で特典を提供 西伊豆町観光協が企画

(2019/1/22 17:44)
プロジェクトを通じ、釣り人らへごみ問題やマナー向上など海洋環境保全活動の啓発を呼び掛ける鷹野純也さん=1月上旬、西伊豆町
プロジェクトを通じ、釣り人らへごみ問題やマナー向上など海洋環境保全活動の啓発を呼び掛ける鷹野純也さん=1月上旬、西伊豆町

 西伊豆町観光協会は海洋環境保全活動の啓発を図るため、町内に訪れた釣り人をターゲットにした「西伊豆釣り場クリーンプロジェクト」を今月から始めた。釣りの合間などに拾ったごみを専用袋に入れて同協会に持ち込むと、町内の温泉入浴施設の割引券など特典と交換できる試み。美化意識やマナー向上を目指す。
 水産資源が豊富で、人気の釣り場スポットが点在する同町をはじめ、伊豆半島には県内外から多くの釣り人が訪れる。一方、釣り具や飲食ごみを放置したまま帰る釣り人が後を絶たない。
 熱海市の網代港は2016年7月、港内での釣り行為を全面禁止にした。管理者の県熱海土木事務所によると、ごみ放置以外にも車の違反駐車や迷惑行為が頻発し、地元住民から苦情が寄せられていたという。沼津市の静浦港でも同じ状況で、県沼津土木事務所は取り締まりを強化する。町では立ち入り制限している漁港はないが、ごみ問題が深刻化する前に対策を打ちたい考えだ。
 発案者で昨年5月に地域おこし協力隊に着任した鷹野純也さん(37)=横浜市出身=は「アウトドアを楽しむ以上、ごみやマナー問題について考える必要がある。一人一人が行動を起こすきっかけになれば」と訴える。
 プロジェクトには町内の温泉施設の運営会社や釣具店も協力。中古ルアーの特典もあり、地元では協力を検討する民間事業者があるという。釣り人には清掃活動の大切さと当事者意識を持ってもらおうと、町内のボランティア団体が普段から使用している専用袋を活用。釣りの前にごみ袋を同協会へ取りに行く。
 同協会の鈴木敏文専務は「プロジェクトに賛同する事業者が増えれば活動が活発になる。自然環境やごみ問題と向き合うまちづくりをしていきたい」と話した。
 問い合わせは同協会<電0558(52)1268>へ。

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