【芸能・社会】米倉涼子「シカゴ」3度目主演 史上初の快挙2019年1月25日 紙面から
女優の米倉涼子(43)が7月1日から14日まで米ブロードウェーのミュージカル「CHICAGO(シカゴ)」(ニューヨーク・アンバサダー劇場)で3度目の主演を務めることが決まった。日本人女優として史上初の快挙で、1999年6月30日に“女優宣言”してからちょうど20周年の幕開けを飾る。 今回のブロードウェーは計16公演と過去最多。その後、来日する米国キャストと共に大阪(8月1日~4日、オリックス劇場)、東京(同7日~18日、東急シアターオーブ)と凱旋(がいせん)公演も行う。米倉は米国キャストが世界各地で公演を行っていることにも触れ、「皆とツアーできたらもっと勉強になる。もっと骨太になる。アジアだったら私もやりたい」と台湾などのアジア各国で「シカゴ」主演という次の夢も明かした。 女優人生の節目を祝福する今回の晴れ舞台決定に米倉は、「自分が本当にほれ込んでつかめた唯一の仕事なので、ちょうどこの時期にやれるのはすごく感動的。後悔のないように振り切りたい」とクールな笑顔をみせた。 女優デビュー直後に観客として「シカゴ」と出会い、日本版の主演を経て12年に36歳で涙のブロードウェー初主演。17年に41歳で2度目の主演を果たし、2年ぶり3度目となる“聖地”での主演。「確実に年をとっているので、また一からやり直して足を引っ張らないように頑張りたい。40歳をだいぶ超えてきたので、もうちょっと大人のロキシー(主人公の名前)をやれたらいいな」と静かに意気込む。悪女ロキシーの魅力を問われると「私、けっこう人殺しを楽しんでます!」と声を弾ませた。
「シカゴ」初主演後に始まった主演ドラマ「ドクターX」がシリーズ化される大ヒット作品となり、昨年末まで放送された新ドラマ「リーガルV」も高視聴率を記録(ともにテレビ朝日系)。人気女優として多忙を極める中、米国に渡航すると欠かさずアンバサダー劇場に通って再演に備えていた。17年の公演後も「4、5回は見に行った。自分のパートを口ずさみながらペースに追いついていけるか確認したりしている」と明かした。 「シカゴ」と出会った自身を「強運だなと思う。私より踊りが上手で、歌が上手で、お芝居が上手で、英語もしゃべれる人はたくさんいる。その中でこういうチャンスをつかめたので本当にラッキー」と振り返った。「いま私が日本人で出て行ってルートができている。他の方もきっとやりたいと思ったりするかもしれない。そうなるとまだ負けたくないと思ったりする」と挑戦を続ける姿勢を強調した。 <「CHICAGO」> 1924年にイリノイ州シカゴで実際に発生した殺人事件をモデルに製作したミュージカル。愛人を殺害した主人公ロキシーが悪徳敏腕弁護士ビリーと組んで無罪判決とスターの座を狙うストーリー。ロキシー役は、ブルック・シールズら数々の実力派女優が演じている。75年にブロードウェーで初演され、96年から始まった再演が昨年11月に22年を迎え、アメリカ作品として歴代1位のロングラン記録を更新中。97年にトニー賞の再演ミュージカル作品賞などを受賞。映画化された「シカゴ」も03年の第75回アカデミー賞作品賞を受賞している。
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