オホーツク人のDNA解読に成功 ー北大研究グループー |
6月18日の北海道新聞朝刊に興味深い記事が掲載された。5~13世紀にオホーツク海沿岸などで独自の文化を発展させたオホーツク人の遺伝子を解読することに北大の研究グループが成功。オホーツク人のルーツには諸説あるが、現在の民族ではサハリンなどに暮らすニブヒやアムール川下流のウリチと遺伝的に最も近いことがわかったというもの。また、アイヌ民族との共通性も判明、同グループはアイヌ民族の成り立ちについて「続縄文人・擦紋人と、オホーツク人の両者がかかわったと考えられる」と推測している。謎に包まれたオホーツク文化が解明されることでオホーツク地域の魅力がさらに深まりそうだ。(以下北海道新聞から紹介します) |
一方、縄文人―続縄文人―擦文人の流れをくむとみられるアイヌ民族は、縄文人や現代の本州日本にはほとんどないハプログループY遺伝子を、20%の比率で持っていることが過去の調査で判明している。 |
どのようにこの遺伝子がもたらされたのかが疑問だったが、アイヌ民族とオホーツク人との遺伝的共通性が判明したことで、増田准教授は「オホーツク人と、同時代の続縄文人ないし擦文人が通婚関係にあり、オホーツク人の遺伝子がそこから受け継がれたのでは」と推測している。同大学院の加藤博文准教授(考古学)は「オホーツク人は、最後は消えたという表現がなされてきたが、アイヌ民族の形成にかかわった集団もいたことが示された。アイヌ民族の形成の多様さを遺伝子から指摘する研究成果だ」とみている。 |
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