サッカー日本代表が、今秋から始まる2022年W杯カタール大会のアジア予選で中東勢と対戦する場合の前線基地として、日本協会がアラブ首長国連邦(UAE)のドバイを候補地としている。アクセス、練習環境、治安、政情はいずれも二重丸で、強化拠点として最適。アジア杯期間中には現地情報を入念に仕入れている。
     東西約1万キロと広大なアジアにあって、中東勢との対決はW杯出場へ避けては通れない。特に、アウェー戦は相手との力量差に関係なく、時差、気候、コンディションなどの調整で苦労してきた歴史がある。そこで浮かび上がってきたのが、アジア杯準々決勝・ベトナム戦の開催地で、アラビア湾に面するドバイを直前合宿用の前線基地化する計画だ。
     「日本、欧州からもアクセスがいい」と日本協会関係者。国際線旅客数世界1位のドバイ国際空港は、世界の約300都市と直結。国内組と欧州組の合流地点となるほか、中東の各都市にも空路で約1時間から1時間半で乗り込むことが可能だ。
     練習施設も豊富で、今回のベトナム戦前日に使用した「ポリスクラブスタジアム」はドバイ・クリーク沿いの中心地にあり、ピッチ環境も良好。08年北京五輪に出場した反町ジャパンや、10年W杯南ア大会に出場した岡田ジャパンもドバイで暑熱対策を兼ねた事前合宿を行った。対戦国や日程などの条件がそろえば、世界有数のリゾート地が森保ジャパンの強化拠点となる可能性は十分にありそうだ。