俺も魔法科高校に入学する   作:フリーザ様
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奪還

 

 

テレビ局に偽装した車の中。リーナの部下達が中にいるのだ。そのリーナから通信が入った。

 

『早く逃げて!ダイキがそっちに向かったわ!』

 

急に言われたが、リーナがここまで声を荒げるということは少なくともただ事ではない。部下達はさっさと従い、車を動かした。そのまま公園の駐車場を出ようとした時、前に人が立っていた。茶髪であほげの生えた青年、高校生くらいだろうか。木刀となぜかSEIBUの袋を持っていた。

 

「っ⁉︎誰かいるぞ!」

 

「構わん、車に硬化魔法をかけるから突っ込め!」

 

そのまま大輝に突っ込む車。だが、前の青年は車に向かって突きを放った。それが車の先端部分に突き刺さる。

 

「っ⁉︎硬化魔法をブチ抜いた⁉︎」

 

「おい!アクセルを踏め!」

 

言われてアクセルを更に踏み込む運転席の男。だが、30センチほどしか動かない。青年が踏ん張ってるからだ。

 

「何してる!もっと踏め!」

 

「奥まで踏んでるよ!」

 

で、後ろの席の奴が窓から顔を出して魔法を発動しようとしたときだ。大輝は背負い投げをするように身体を反転させ、木刀を思いっきり縦に振り回し、車を思いっきりブン投げた。

 

「ッ⁉︎」

 

「なんて馬鹿力……!」

 

そして、空中に舞い上がった車に大輝はジャンプして突っ込むと、ライダーキックで突っ込み、車を突き抜けた。地面に着地した時、お姫様抱っこで眠っている鈴音を抱えていた。車は空中で爆発した。

 

「奪還完了」

 

そう呟くと、良いタイミングで鈴音が目を覚ました。

 

「ん……なんですか、騒がしいですね……」

 

「あ、起きたか?」

 

「大輝、くん……?」

 

「……、そうだ!私、知らない外国人に眠らされて……!」

 

「その外国人は眠ってます。大丈夫だ」

 

「助けて、くれたんですか?」

 

「ああ。あとこれ」

 

「はい?」

 

「お土産」

 

「お土産、ですか……?」

 

「頼んだのはお前だろ」

 

「ありがとうございます。開けてもいいですか?」

 

「ああ」

 

開けると、達也と一緒に選んだマフラーが出てきた。

 

「これは………」

 

「マフラー」

 

「………中々センスありますね、大輝くん」

 

「知ってる」←選んでもらったとは言えない。

 

すると、鈴音は大輝の腕から降りて、自分の首に巻いた。

 

「ああ、やっぱ似合ってる。よかった……(深雪に相談して)」

 

「まだ終わってませんよ」

 

「は?」

 

言うと、鈴音は大輝の首にも同じマフラーを巻いた。

 

「?」

 

「これで、お互いに寒くありませんね」

 

「………なんか恥ずかしいからパス」

 

「そこは素直に『うん』と言うべきですよ」

 

二人はそのまま帰宅した。達也を置いて。

 

 





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