俺も魔法科高校に入学する 作:フリーザ様
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翌日。
「では、大輝くん。学校に行きましょう」
いつもの二人に戻って、大輝と鈴音は登校した。
「大輝くん、今日は仲直りの記念にお弁当作ったんですよ」
「あっそ」
「教室に食べに行ってもいいですか?」
「お願いだからやめてください。クラスで浮きます。食堂でいいだろ」
「分かりました」
今更だが、三年生は自由登校だ。鈴音が大輝がいるからだ。だから、鈴音が大輝と一緒に学校に到着し、教室に入り、一年の群れに混ざってお話しし、一緒に授業受けててもおかしくないのである。
「いや、おかしいよね確実に」
大輝が鈴音を睨みながら言った。
「? 何が、ですか?」
「なんでお前ここにいんの。授業中だろうが」
「いいじゃないですか。どーせ自習みたいなものなんですし……大輝くん、加熱・冷却は振動魔法ですよ。というか、自然魔法なんてありませんから」
すると、席の近いエリカの方から「プッ」と声が聞こえた。その瞬間、黒光りするバズーカを取り出す大輝。だが、
「ダメですよ大輝くん。授業中です」
鈴音に阻止された。
「そーだよ、大輝。授業中だぞー?」
「おい、お前ほんとに殺してやろうか。つーか殺すわ。真田キラー砲撃準備」
と、バズーカを構える。だが、鈴音がこめかみを抑えながら言った。
「………それでは、真田くんを殺すことになってしまいますが……それって自爆用だったのですか?」
「えっ」
「「「プフッ」」」
今度はエリカだけではなく、達也と美月も吹き出した。恥ずかしさで顔が真っ赤になる大輝の横で鈴音は続けた。
「やれやれ……大輝くんがバカなのは知っていますがここまでとは……よくそれでこの学校入れましたね」
「う、うるせー!勉強なんて出来なくても生きていけんだよ!」
「出た、バカの常套句」
エリカがさらに追撃する。
「おまっ……」
「千葉さん、あまり大輝くんを刺激しないで下さい」
大輝が言い返す前に鈴音が言った。
「はーい」
その素直な返事に大輝は予告無しに殺そうとしたが、鈴音が止めた。
「いいから、課題を終わらせましょう。私が教えてあげますから」
「……………チッ」
なんだかんだ言いながら鈴音には手を出さない大輝を見ながらエリカは美月に言った。
「………なんか、前より近くなってない?」
「一回喧嘩したみたいですからね」
「なるほど……だからか。でも、なんか、こういうの見てると……」
で、少年の目をするエリカ。
「無性に苛めたくなるよね!」
「エリカちゃん……」
呆れる美月を捨て置いてエリカは鈴音や大輝にバレないように近付いた。そして、大輝の耳元でふぅっと息を吹きかけた。
「わひゃっ!」
と、可愛らしい悲鳴のあとに裏拳が飛んできて、エリカは壁にめり込み、突き抜けた。大輝はさらにバズーカを撃ち込んで、爆発炎上させた後に木刀で九刀流阿修羅でフルボッコにした。
「………今のはエリカが悪いな」
「エリカちゃん。生きて帰って来れるでしょうか……」
「『わひゃっ』……大輝くん、耳弱いんですね……」
一人だけメモしてるやつがいた。
○
昼休み。中庭のベンチ。
「はい。大輝くん、あーん……」
「や、あの……自分で食べれるから……」
「あら私としたことが、箸を一膳しか持ってきてません」
「ワザとだ!」
「いい加減になさい!」
「ええ〜……なんで怒られたの俺……」
大輝が引き気味に呟くと、鈴音は言った。
「私は大輝くんと食べさせあいっこしたいんです。そのくらい察しなさい」
「ご、ごめんなさい……」
なんかキャラがブレてるなと思いつつも大輝は従った。で、口の中に鈴音が器用に切ったイカサマウィンナーを入れる。
「あっ、美味っ」
「ありがとうございます。ではこっちのキャベツを……」
「あーいやいや、俺が今度は食わせてやるよ」
「本当ですか?ありがとうございます」
で、大輝はひじきを箸でつまんだ。
「はい、あーん」
「あー………」
が、大輝の摘んだひじきは鈴音の鼻の穴に突っ込まれた。で、パシャリと写真を撮った。
フォルダ名:鼻の剛毛、と名付けると、携帯をしまった。
「スズ、鼻毛とんでもないことになってるぞ。手入れしろよ」
「少し、お話しましょうか」
笑顔でボコボコにされた。
○
放課後。一人で風紀委員に向かおうとする大輝をエリカと幹比古が止めた。
「ねぇ、大輝」
「あん?」
「頼みがあるんだ」
「なに。セ○クスの仕方?ごめん俺ゴム持ってないよ」
「ち、違う!」
顔を真っ赤にする幹比古。エリカが言った。
「明後日、暇?」
「暇」
「なら、私達とレオの仇討ちに行かない?」
「いいよ」
あっさりと答える大輝。
「この前は逃がしちまったし」
「この前?」
「あーいやなんでもない。とにかく了解だ。でも条件がある」
「何?」
「鈴音には内緒にしてくれ」
「? なんで?」
「夜遊びは怒られる」
「母親か」
てなわけで、大輝は二人と別れて風紀委員に向かった。