俺も魔法科高校に入学する   作:フリーザ様
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パンツ

 

 

昼休み。いつもの面子で食堂に飯を食いに行った。先に到着したのはE組のメンバー。後から、深雪とほのかともう一人、金髪の女の子がやってきた。

 

「ご同席させてもらって良いかしら?」

 

割と流暢な日本語。

 

「もちろん、どうぞ」

 

達也が答えた。

 

「リーナ、まずお皿を取ってきましょう」

 

「分かったわ」

 

深雪に促されて、三人はカウンターへ向かった。その後ろ姿を見ながら大輝は呟いた。

 

「………アレが留学生?」

 

「だろうな」

 

達也が答える。

 

「あの二人が並ぶと迫力あるねぇ〜」

 

エリカが感嘆を漏らした。

 

「随分打ち解けているんですね……」

 

美月も呟いた。

 

「つーか、あの髪の毛どうなってんの?ドリル?」

 

「ドリルっつーか、ファンネルミサイル?」

 

「し、失礼だよ。大輝、レオ」

 

二人の感想に幹比古がツッコんだ。すると、深雪とリーナとほのかが戻って来た。

 

「お待たせしました、お兄様」

 

深雪とほのかが椅子に座った。

 

「ご紹介しますね。アンジェリーナ=クドウ=シールズさん。もうお聞きのこととは思いますけど、今日からA組のクラスメイトになった留学生の方です」

 

ほのかが紹介すると、リーナは一礼して椅子に座った。

 

「リーナと呼んで下さいね」

 

E組勢も挨拶した。

 

「司波達也です。深雪と区別がつかないでしょうから達也で良いですよ」

 

「あたしは千葉エリカ。エリカで良いよ、リーナ」

 

「柴田美月です。美月と呼んで下さい」

 

「オレは西城レオンハルト。レオ、で良いぜ」

 

「吉田幹比古です。僕のことも幹比古で良いよ」

 

「ニャースでニャース」

 

「タツヤ、エリカ、ミヅキ、レオ、ミキヒコ、ニャースね。よろしく」

 

「リーナ、信じちゃダメよ」

 

深雪はまずそこを注意すると、大輝を睨んだ。挨拶くらい真面目にしろ的な。

 

「大輝です。はりきってまいりましょー!」

 

「ダイキね。よろしく」

 

とりあえず、挨拶だけ済ませておいた。

 

 

 

 

数日後、風紀委員会本部に大輝が行くと、

 

「あっ、真田くん、チョッと」

 

と、花音に捕まった。

 

「なに?」

 

「こちら、シールズさんのことは知っているわよね?」

 

「おう」

 

「シールズさんから風紀委員会の活動を見学したいつわて言われているの。日本の魔法科高校の生徒自治を見てみたいんですって。だから、彼女を連れて行ってもらえる?」

 

花音としては、たまたまいたからという理由で大輝に声をかけたつもりだった。だが、この人選は間違いだった。

 

「了解」

 

大輝は邪悪に笑って、リーナと風紀委員会本部を出た。

 

 

 

 

「じゃ、よろしくね。ダイキ」

 

「おー」

 

言われるがまま、大輝とリーナは廊下を歩く。

 

「まぁ、風紀委員ってのは魔法を使った喧嘩を武力介入する……まぁソレスタルビーングみたいなもんだ。ちなみに俺はその中の刹那ポジがいいと願ってる」

 

「願望なのね……」

 

普段の介入の仕方だと、むしろスローネ三兄弟である。

 

「おっ、例えばほら」

 

大輝の指差す先には、早速魔法を使った喧嘩が見える。

 

「ああいうのにこうして……」

 

と、大輝はバズーカを発射。爆発させた。リーナが唖然で固まる中、大輝は平気な顔で言った。

 

「黙らせるんだ」

 

「そのバズーカ、どうしたの?」

 

「テロリストにもらった。いやー本当に便利だわうん」

 

「て、テロリストに?」

 

「いや少し前にテロリストが学校を攻めて来たんだけどさ。その時に」

 

「強いのね、ダイキって」

 

「普通だ」

 

「でも、二科生なのよね?」

 

「そうだけど?」

 

「でも、カノンはダイキは一高でもトップクラスの実力者だって言ってた」

 

「あの野郎何余計なこと言ってんだ」

 

「ダイキ、なんで劣等生のフリなんてしてるの?劣等生のフリをしてて、なんで簡単に実力を見せちゃうの?」

 

「成り行き」

 

「真面目に」

 

「いや本当に。俺、魔法苦手だし。けど喧嘩は強い、みたいな?ほら、雑学ばかみたいに知ってる癖に学校の成績悪い奴みたいなもんだ」

 

「………そう。まぁ試験と実戦の実力は別っていうのは賛成よ」

 

と、意外な答えが帰って来た。

 

「ワタシも、実戦で役に立つ魔法師になりたいと思ってるの」

 

「俺は別にそんな事考えてねーけど。まだ将来の夢とか決めてねーし」

 

だが、その台詞に返事はない。リーナはニコッときな臭い笑みを浮かべた。その瞬間、大輝の目の前に掌底を打ち込んだ。大輝は腰から木刀を抜き、柄の部分で手首を真上に払った。

予想外の防御の仕方に、リーナの反応は一瞬遅れた。その隙に大輝はリーナの両足を強く払って、空中でひっくり返した後、両足を掴んで持ち上げた。逆さになった状態でリーナは言った。

 

「………本当に強いのね」

 

「おーそーだな。美少女留学生のパンツをこんな間近で見られるたぁ、強くて良かったぁ〜」

 

「へっ?」

 

両足を掴んでるということは、リーナのスカートは捲れているのである。大輝の目の前にはリーナのピンク色でウサギ柄のパンツがあった。

 

「き、キャアァァァッッ‼︎な、なんてことをするのよ!」

 

「いやぁ、風紀委員の見学をしに来たくせに風紀委員としてやっちゃいけないことしてたからなぁ。お仕置き〜」

 

「お、下ろしなさいよ!こ、この……!」

 

空いてる両手で大輝を殴ろうとするが、その両手を大輝は足で蹴って壁に押し付けた。ついでに、両足を片手で握って、もう片方の手でリーナのCADを没収する。

 

「や、やめなさいってば!」

 

恥ずかしさと頭がひっくり返ってるので顔が真っ赤になるが、大輝は真顔で奪ったCADをポケットにしまい、リーナのパンツを写真で撮った。

 

「可愛いパンツ履いてんな。小学生みたいな。これ、新聞部あたりに売り付けたら高く売れそう」

 

「な、何する気よ!」

 

「いや、新聞部じゃなくても学校の男になら全員売れそうだな……それともネットオークションにでも……」

 

「や、やめなさい!ごめんなさい!許して!」

 

「えーどーしよっかなぁ」

 

「離さないと怒るわよ!」

 

「ヘェ〜自業自得のくせに逆ギレしちゃうんだぁ。これはこのままの状態で校内一周するしかないな」

 

「ま、待って!それだけは……!」

 

と、言いかけるも無視して大輝は歩き始めた。だが、後ろから肩をポンっと叩かれた。

 

「ひっ……人が……!」

 

と、涙目になるリーナを無視して、大輝は切り札を召喚するようにリーナのパンツを前に差し出す。だが、後ろにいたのは鈴音だった。

 

「滅びのバースト・ストリーム!」

 

「あなたが滅びなさい」

 

「……………あっ」

 

珍しくビクッとする大輝。目の笑ってない笑顔の鈴音には、それだけの迫力があった。

 

「何をやってるんですか?真田大輝くん」

 

「……………」

 

何も答えない。答えられない。その大輝に構わず鈴音は問い詰める。

 

「何をやってるんですか?真田大輝くん」

 

一字一句変えずに問い詰める。大輝はリーナの手を離した。「ギャッ!」と、頭を打つリーナ。そのリーナに鈴音は優しく言った。

 

「ごめんなさい。私の彼氏が」

 

「へっ?か、彼氏……?」

 

「逃げてください。風紀委員会本部でチクってきなさい」

 

言われて、大輝は逃げようとした。だが、その首根っこを鈴音が掴む。

 

「お前じゃねぇよ」

 

その一言にリーナもビビり、逃げ出した。

 

「じゃ、大輝くん。お話ししましょうか。校舎裏で」

 

「や、俺のことあと用事が……」

 

「は?」

 

「あ、いやなんでもないっす……」

 

このあと、めちゃくちゃシバかれた。

 

 





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