俺も魔法科高校に入学する   作:フリーザ様
<< 前の話 次の話 >>

58 / 76
クリスマス

 

 

試験が終わった。鈴音の素晴らしい指導により、今回も乗り切った大輝は、クリスマスということもあって鈴音と二人で出掛けた。

本来なら、雫の送別会の予定だったのだが、「クリスマスなんだから彼女と!」と、エリカに押し切られて出掛けることになった。

 

「………あのさ、クリスマスデートってどこに行けばいいの?」

 

「いや私に聞かれても……」

 

さっきからずーっと大輝と鈴音は公園のベンチで座ってる。

 

「………つーかアレ、寒くない?とりあえずどっか店入って暖まろうぜ」

 

「そうですね。何処に行きます?」

 

「マック」

 

「ええ……クリスマスですよ?」

 

「じゃあケンタ」

 

「クリスマスといえばあるかもしれませんがファーストフード以外でお願いします」

 

「………もう家でよくね?」

 

「それは嫌です。………はぁ、まぁそうですよね。大輝くんに期待した私がアホでしたね。そんな事もあろうかと、事前に予定を決めておきました」

 

真由美にアドバイスもらったのは内緒である。

 

「決めてたのかよ……」

 

「ショッピングです。せっかくですから、何か買ってくれるんでしょう?」

 

ニッコリと微笑む鈴音。

 

「はいはい……。じゃあ行くか。なんか欲しいものある?」

 

「それ聞いちゃうんですか?」

 

「俺のセンスに任せるとガンプラとか買っちゃうけど」

 

「…………自分で選びます」

 

で、二人はとりあえずアウトレット的な所に出かけた。

 

 

 

 

街はほとんどカップルしかいなかった。

 

「さて、まず何処行く?」

 

「そ、その前に……お願いがあるんですけど……」

 

「あん?」

 

「あ、あれ………」

 

顔を赤らめながら鈴音は目の前のカップルを指差した。そのカップルは、腕を組んで歩いている。

 

「あれ、やりたいのですが……」

 

「ん」

 

大輝は腕を差し出した。すると、少し恥ずかしそうに鈴音はそれに、腕を通す。大輝はポケットに手を突っ込んだ。

 

「………あったかい」

 

目を閉じて呟く鈴音。

 

「柔らかい」

 

「台無しにしないでください」

 

「いやーでも意外とあるんだよねスズって……って痛たたたゴメン謝るから抓るな抓るな」

 

「外であまり言わないでください」

 

「へいへい。で、どの店入る?」

 

「……………」

 

じーっと大輝の顔を見る鈴音。

 

「何。鼻毛出てた?」

 

「いえ、その、照れたりしないのかなと思いまして」

 

「は?」

 

「せっかく、その……こちらが近くに寄ってるのに……顔色一つ変わらないんだなぁと思いまして」

 

「近くにどころか俺、あんたの穴の中まで入りましたからね?」

 

「〜〜〜っ‼︎だからそういう事言わないでください!」

 

と、顔を真っ赤にして大輝をポカポカ叩く。それでも大輝は涼しい顔を崩さない。

 

「で、何処入るの?これ三回目な」

 

「あ、すいません。えーっと……じゃああそこで」

 

鈴音の指差す先には服屋があった。

 

「了解」

 

そのまま店に突入。鈴音は早速、自分の好きな服を見に行った。普通に見たまんま清楚な雰囲気の服が好きなので、そっちへ行った。

早速、お気に召す服があったのか、大輝から離れて服を自分に当てた。

 

「どうですか?」

 

「いや着ないと分からんよ」

 

「試着室は……」

 

「つーかサイズ合ってるのそれ?」

 

「………選んできます」

 

で、サイズを選んで試着室に入った。

 

「………覗かないで下さいね。ここは外ですからね」

 

「わーってるよ」

 

一応、釘を刺しておいて着替えた。その間に大輝はグルリと店内を一周見てみる。何処もかしこもカップルばかり。リア充死ね、あ、俺もリア充じゃんとか思いながら欠伸をすると、シャッと音がした。

 

「ど、どうですか?」

 

鈴音が試着室のカーテンを開いた音だった。鈴音の服装はいかにも鈴音といった感じで、なんつーのかな、大人しい服装だった。

 

「綺麗」

 

「あ、ありがとうございます」

 

ストレートに言われて、カアッと赤くなる鈴音。

 

「特に、その清楚に見えてオッパイだけは強調してるエロさが綺麗です」

 

「んなっ……!だからそういう事言わないで下さい!」

 

胸のことより、あっさり見抜かれたことが恥ずかしくて声を荒げる。

 

「まぁ、よく似合ってるよ」

 

「…………ありがとうございます」

 

もう一回お礼を言って、試着室に戻った。

 

 

 

 

まぁそんな感じで買い物を続けること数時間後、気が付けば夜になっていた。色々と大輝に買ってもらい、それを嬉しそうに鈴音は手に持っていた。

 

「そろそろ帰るか」

 

「せっかくですから、イルミネーション見て行きませんか?」

 

「……見てどうすんの?」

 

「本当になんつーか……もういいや。とにかく行きましょう」

 

で、二人はアウトレットの中央のツリーを見に行った。

 

「綺麗ですね……」

 

「眩しいんだけど」

 

「だから風情もへったくれもないこと言わないでください」

 

「悪かったよ」

 

すると、大輝は鈴音の前にスッと箱を差し出した。

 

「ん」

 

「はい?」

 

「プレゼント」

 

「……………へっ?」

 

「そんなに意外かよ」

 

「いえ、そうではなくて。いつの間に買ったんですか?」

 

「スズがウンコしてる時にたまたま良いもの見つけて」

 

「ウンッ……!じゃない、そっちじゃないです!」

 

「ほら、いらないのか」

 

「ありがとうございます!」

 

叩きつけるようにお礼を言って、鈴音はプレゼントを受け取った。

 

「開けていいですか?」

 

「どんぞ」

 

で、紐を解く。少し楽しみだった。大輝のセンスによるものだったからだ。

 

「………さっき、自分が買うとガンプラになるとか言ってませんでした?」

 

「ほっとけ」

 

開けた。瞬間、爆発した。

 

「あ、間違えた。それ爆弾だった」

 

「嘘つけ!絶対にワザトですよね⁉︎つーかなんで爆弾なんて持ってるんですか!」

 

「こっちが本物」

 

で、今度こそプレゼントを受け取った。中には青いネックレスが入っていた。

 

「!」

 

「どう?俺のセンスも中々っしょ?」

 

ニヒッと得意げに笑う大輝。それに鈴音も微笑み返して、言った。

 

「そうですね。大輝くんにしては」

 

「あっ、着けてやろうか?」

 

「お願いします」

 

鈴音の首の後ろに手を回して、髪の毛をかきあげてネックレスを付けた。

 

「どうですか?」

 

「………ネックレスってさ、あんまり似合う似合わないとかないのな」

 

「はい?」

 

「いや、思ったより……こう、なんつーの?ナチュラルだった」

 

「そこは似合うって言っておくんですよ」

 

鈴音は言いながらも、ネックレスを両手で持って言った。

 

「大切にしますね」

 

「どーも」

 

そう言うと、写真を撮って二人は帰宅した。

 

 





感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に
感想を投稿する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。