俺も魔法科高校に入学する 作:フリーザ様
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放課後。大輝は風紀委員会本部に向かった。達也に押してもらって。中には花音と他数名しかいなくて、すでにみんな見回りを始めているようだった。
「あ、こんにちは。真田くん」
「よう」
「今日はここにいてくれていいからね。車椅子なんだから無理しないで私と書類の整理でも……」
「じゃ、パフェ食ってくるわ」
「人の話聞いてる⁉︎」
だが、大輝は無視して行ってしまった。
「じゃあ、俺も行ってきます」
「うん、いってらっしゃい……」
達也も出発した。
○
出発した達也は、大輝の後をこっそりとつけていた。今日一日、大輝を狙うような視線を感じていたからだ。何故大輝を狙うのか、一発で分かった。
(毎回バズーカぶっ放してたからなぁ……)
そんな事を思いながら大輝の後をつけていると、昇降口を出てすぐに、大輝が爆発した。
「やはり来たか………!」
すぐに達也は駆け付けたが、大輝はまったく無傷だった。
「おいおい、何の騒ぎだこれ」
「大輝、伏せろ」
「いや車椅子ですけど?」
達也はすぐに周りを見るが、攻撃してきた奴の姿は見えない。
「………逃げられたか」
「何事?なんなの?つーかなんでお前いんの?」
「いや、たまたま通りかかっただけだ。大丈夫か?」
「平気だよ」
「ならいい。またな」
そのまま達也は立ち去った。フリして後ろから再びストーキング。一緒に行くと言っても断られるだろうし、こうするのがベストだと思ったんだろう。
で、カフェに向かう途中、いつの間にか、三十人くらいに囲まれていた。
(何したらここまで恨まれるんだコイツ………)
達也は思わず呆れてしまった。
「何お前ら。集団告白?ごめん俺ホモじゃないよ」
「違うわ!」
「俺たちはお前に恨みがあんだよ」
「恨み?」
キョトンと首を捻る大輝。
「いつもいつも俺たちの事をボコボコにしやがって」
「少し、こちらの気持ちを分からせてやろうかと思ってな」
「だから大人しく、ボコボコにされてくれや」
中には金属バットや鉄パイプを持ってる奴もいた。だが大輝は、
「いつも?ボコボコ?何の話?」
「本気で分かってない⁉︎」
「何事も無自覚なのが一番タチ悪いんだぞ!」
「うるせーな。他人に俺のタチの悪さダメ出しされるいわれはねーよ。それより邪魔だ。退けよ腐れチキン。俺今からパフェ食いに行くんだよ」
言いながら大輝は全員の間を素通りしようとする。だが、その大輝の顔面にバットと鉄パイプが振るわれる。
「マズイ……!」
達也が再び助けようとした時だ。大輝は車椅子のボタンを押した。その瞬間、千手観音のように木刀が出てきた。
「はっ………?」
その木刀がビュビュビュビュッと飛び交い、片っ端から生徒をボコボコにした。
「スズが夜中に車椅子を弄ってたのはそういうことか」
ほぼオートである。大輝は何もしてない。大輝は携帯を取り出した。
「もしもし千代田先輩?俺を襲ってきたアホが三十匹転がってるんで、全員逮捕してくれます?」
で、大輝はカフェに向かった。その大輝の背中を見ながら達也は呟いた。
「………愛が重いんだな」