俺も魔法科高校に入学する   作:フリーザ様
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オルジナル
いつもの日常


 

 

繁留が帰ってから、大輝は車椅子の上でゲームをやり、鈴音は何をしたらいいのか分からず、ずっと座っていた。

 

「あの、スズさん。寛いでていいですよ。正座なんてしなくていいんで。あの辺にジャンプの山あるんで好きに読んでてください」

 

「……は、はい。あの、大輝くん」

 

「はい?」

 

「二人きりの時は……その、敬語やめてもらえませんか?」

 

「は?なんですか?」

 

「せっかく恋人になったんですから……その、学校ではそうもいかないでしょうけど、二人きりの時くらいは…」

 

「わかったよ。スズ」

 

「! はい」

 

で、鈴音は大輝の指差したジャンプの山に手を伸ばす。

 

「あまり漫画は読まないのですが……」

 

と、消極的ながらも読んでみる。思ったより面白かったのか、推理小説でも読んでるのかってレベルで読み込む鈴音。それを横目で見ながらも、大輝も手元でモンハンを続けた。

 

 

 

 

一時間後。

 

「あの、鈴音さーん?お腹すいたんだけど……」

 

「今いいところなんです!もう少し待ってて下さい!」

 

「………ねぇ、お願いだからお願い。お腹空いた」

 

「いいから静かに!」

 

大輝は泣きそうになった。このままじゃ飯が食えないと判断した大輝は結局、自分で作った。

 

 

 

 

翌日。二人は一緒に登校。

 

「アレだな。座ったまんまっていうのもなんか楽でいいわ」

 

「そうですか?痔にならないといいんですが」

 

「怖いこと言うなよ」

 

そんな事を話しながら歩いてると、後ろから声がした。

 

「よぉーっす」

 

「あら、千葉さん」

 

「エリカか」

 

「二人朝早く仲良いねぇ」

 

ニヤニヤするエリカ。

 

「エリカ、余りからかっちゃ悪いよ」

 

後ろに立っていた幹比古が注意をした。

 

「分かってるわよ。ミキ」

 

「幹比古だ!」

 

と、いつものやり取りをする。

 

「まぁな。で、なんか用?」

 

「いえいえ、お邪魔者は退散しますよ」

 

そのままエリカは走り去った。そのあとを追う幹比古。

 

「何しに来たんだあいつ」

 

「さぁ………」

 

で、昇降口に到着。

 

「じゃあ。またあとで」

 

「はい」

 

大輝と鈴音はそこで別れた。そこからは大輝は自分で教室まで行かなきゃならないわけだ。右手のレバーを上手く動かし、移動。だが、途中で椅子が勝手に動いた。後ろを見ると、美月が車椅子を押してくれていた。

 

「おはようございます。大輝さん」

 

「あ、どうも。悪いな」

 

「いえ。横浜では助けてもらいましたから」

 

結果的に助けたというだけで、決して助けようとしたわけではないのだが、まぁ美月が助けてもらったと思っているなら、それはそれでいいか、と大輝は思っていた。で、教室に到着。

自分の席まで運んでもらった。

 

「よう、大輝。大丈夫か?」

 

「ああ。まぁな」

 

前の席のレオが声を掛けてきた。

 

「しかし災難だったな。自分で投げた武器に潰されるなんてよ」

 

「自爆だけどな。本当にかっこつけなきゃ良かった」

 

「かっこつけてたのかあれ……。でも、よくあんな化け物をタイマンで倒せたなお前」

 

「あの程度なら問題ねーよ」

 

「そうか。お前にも色々稽古つけてもらいたいもんだぜ。技はエリカに教わったからな。喧嘩の仕方とかはお前だな」

 

「おい、何勝手に決めてんだよ。つーか俺から教えることなんてなんもねーし」

 

「そうでもないだろう」

 

そこに口を挟んだのは、達也だった。

 

「あ、達也」

 

「剣の使い方くらい教えてやったらどうだ?」

 

「叩く、以上」

 

「テキトー過ぎるだろ」

 

なんて、会話。いつものメンバーと会話をしていた。その様子を近くで見ている奴が一人いた。いつもいつも風紀委員の名の下に自分達を苦しめてきた大輝が、今は車椅子。このチャンスは滅多にないと感じたそいつは、密かに行動を開始していた。

 

 





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