俺も魔法科高校に入学する 作:フリーザ様
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大輝は未だ戦闘中だった。敵の銃弾を躱し、距離を詰めて斬る。後ろからチェーンソーで殴り掛かってくる直立戦車の足を、竹光の鞘で破壊し、バランスを崩させると、竹光で正面から叩き斬った。
その時、後ろから自分の左肩を銃弾が貫通した。後ろには、ライフルを持った男がさらに引き金を引く。その銃弾を、突きで両断しながら、銃口に剣先を突っ込み、さらに男の肩を貫通させ、竹光を横に振って左肩を斬り落とした。
「グアァッ‼︎」
声をあげて崩れ落ちるそいつの顔面を最後に叩き斬り、次の獲物に向かう。
だが、横からチェーンソーを構えた直立戦車が突進してきた。大輝は鞘と竹光でガードするも、後ろの廃墟まで押し込まれる。チェーンソーの刃が、浅く大輝の頭に刺さり、血が流れる。
「押しが足りない」
大輝はそう言うと、今度は押し返し、鞘で殴り上げて、空中に浮かせると、ジャンプして追い付き、竹光を突き刺して地面に叩きつけ、地上の敵を押し潰した。
「ハァ……ハァ……」
呼吸が乱れるも、なんとか意識は保っている。敵の数はそれでも二桁はいる。
「クソッタレが……」
思わず呟く大輝。
「敵は虫の息だ!やれ!」
そのまま敵が総攻撃仕掛けようとした時だ。大輝は敵に向かって走り出した。さっきよりも速く。
「まだまだ……虫の息には程遠いだろ……」
ニヤリと大輝は笑って見せた。
「俺はこんなところで死ねないんだよ。明日、ジャンプの発売日だしな」
そう呟くと、また暴れようと竹光を握り直して突っ込もうとした。その瞬間、敵の姿がフォワっと消えた。
「あ………?」
そのまま次々と消えていく敵。見上げると、達也がCADを構えて立っていた。
「待たせたな。大輝」
大輝の横に降り立つ達也。略して降り達也。ごめんなさい。
「何でてめーがここにいんの。てか何その格好。スパイダーマン?」
「色々あるんだよ、こっちも、あと今の俺は、大黒竜也だ。いいな?」
「分かったよ達也」
「全然わかってねぇじゃねぇか。つーかわざとだろ今の」
「まぁとにかく、こいつら全員やるぞ」
「おう」
そのまま達也は飛び、大輝は走った。二人の鬼神のごとき働きによって、ようやく殲滅した。
「あー疲れた……」
「すまんな大輝。俺は任務がある。ここで別れる」
「あ?いや、俺の方こそ助かった。まぁ俺一人でも殲滅できたけどねうん?」
「そうかよ……まぁどうでもいいか。じゃあな」
そのまま達也は飛んで行った。
「………俺もあのスーツ欲しいかも」
なんて呟いた時だ。バララララッとヘリコプターが降りてきた。
「あっ、来た」
そして、ヘリコプターからガバッ!と物凄い勢いで鈴音が飛び付いて来た。
「うおっ」
「真田くん!」
「す、鈴音さん?」
「良かった……無事で、良かった……」
心なしか、鈴音の声は震えていた。
「うーん……あんま、無事ではないんだけどね」
「ごめんなさい……あなたにあんな辛いこと、押し付けて……」
「いや俺の方から残るって……」
と、言いかけたところでヘリの中を見た。エリカがカンペをこっちに向けていた。
『優しく抱き返す』
「……………」
言われるがまま、大輝は優しく抱き返した。
『大丈夫ですよ。俺は、あなたの護衛ですから。あなたを家に送るまで死ねません』
「だじょ……大丈夫ですよ。俺は、あなたの護衛ですから。あなたを家に送るまで死ねません」
「真田、くん……」
『鈴音、お前は俺の天使だ』
「鈴音、お前は俺の天使だ」
「さっ、真田くん⁉︎」
『そのまま押し倒してチュー!』
「出来るか!」
急に大輝は怒鳴って、その辺にあった石をエリカにぶん投げた。
「バカだなオメー。もう少し段階踏ませるんだよ」
と、レオが面白がってる表情でエリカに言った。すると、鈴音はようやく自分のとった行動を思い返したようだ。人の前で男の人に抱き着く、思い出しただけで顔を真っ赤にする。
「そうよ千葉さん。まずは付き合わせるところから始めなきゃ」
「私だったら、キスの前に耳元で『愛してる』って呟かせるけどなぁ……」
「いやいや、『お前は俺が守る』とかいいんじゃないか?」
などとヘリの方から声が聞こえる。大輝は特に何も感じてなかったが、鈴音は完全に大輝に抱きついたまま離れない。真っ赤になった顔を見られないためだ。
「み、みんな……もうやめてあげてよ……」
「市原先輩のライフはゼロだよ……」
五十里と幹比古がいうと、ようやく止まる女子勢。
「あーそうか。そういうことか」
突然、大輝がポンッと手を叩いて言った。
「さ、真田くん……?」
「鈴音さん、俺のこと好きなんすか?」
全員が固まった。誰一人動かない。鈴音も動かない。というか動けない。堂々と言い切った大輝も大輝だが、それを気付かせたのは女子勢だ。
すると、ヘリのパイロットが動いた。ドアを閉めて飛び去った。
「ええええええッッ‼︎⁉︎なんで逃げんの!なんで逃げんの!」
大輝がツッコんだ。すると、鈴音も真っ赤な顔でダッシュした。
「だからなんで逃げん……‼︎」
ツッコミかけた所で、大輝は黙りダッシュした。そして、鈴音の真横を竹光で斬った。ガキンッと弾丸が斬られる。
「っ⁉︎」
達也と大輝から逃れた奴がいたようだ。そこに大輝は走り込み、叩き斬った。
「大丈夫ですか?」
大輝が聞くと、鈴音は真っ赤な顔で涙目でコクリと頷く。
「まだここは戦場ですよ。油断しないでいきましょう」
「………そうですね」
「で、俺のこと好きなの?」
「言ったそばからそれですか!」
ここからダッシュで逃げれば、また狙撃されるかもしれないし、何よりどーせ大輝からは逃げられない。鈴音は諦めたようにため息をついた。
「ええ、そうです……。す、す、好きですよ……」
「ふーん」
ニヤニヤする大輝。
「いやあ!モテちゃって困るなぁ!」
「嫌いになりそうです」
「早くね⁉︎」
「それで、返事はどうなんですか……?」
「へっ?」
「無理矢理告白させたんですから、返事はどうなんですか?」
「…………あー」
口を半開きにする大輝。
「お、俺は………」
続きはCMの後で!