俺も魔法科高校に入学する   作:フリーザ様
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モンハン

 

 

 

土曜日になった。もうほとんどのクラスが自習状態で、大輝はずーっとアイマスク装着して寝ている。

前の席でいびきをかかれていて、達也としては非常に迷惑だったのだが、少し前に起こそうと奮闘してみたものの、結局起きなかったので、我慢するしかなかった。

 

「ヌ〜〜〜ッヌ〜〜〜っッ」

 

(どんないびきしてんだコイツ……)

 

達也はそう思いつつも、授業の課題を終わらせた。

数分後、ようやく一時限目終わり。すると、エリカがご機嫌に達也のところに来た。

 

「達也くん、明日は何時頃会場入りするの?」

 

何をやらかすむもりなんだ、と一発で何か企んでるのがわかってしまった。

 

「……八時に現地集合、九時に開幕だ。開始三十分間はセレモニーでプレゼンは九時半スタート」

 

「……えっと、それで当校の出番は何時からなの?」

 

思っていた以上の情報を回答され、少し戸惑ったが、自分の聞きたかったことを聞いた。

 

「一高は最後から二番目、午後三時からだよ」

 

「それって、随分時間が余るんじゃない?」

 

「まあね。だからメインの発表者の市原先輩は午後から会場入りすることになっている。俺と五十里先輩は機器の見張り番とトラブルがあった際の応急処置に備えて行くんだ」

 

「ふーん……とにかく現地集合なんだ。デモ機はどうするの?」

 

「生徒会が運送業者を手配しているよ。服部先輩が同乗してくれることになっている」

 

「服部先輩って、市原先輩の護衛役じゃないの?」

 

「市原先輩には大輝と七草先輩と渡辺先輩が迎えに行くそうだ」

 

「…………何その最強の護衛」

 

エリカは思わずため息をついた。それには達也も同感だった。

 

「ところで、どうしてそんなことを?」

 

達也が聞き返すと、レオが言った。

 

「あのよ、その見張り番、俺たちにも手伝わせてくれねえ?」

 

「それは構わないが……何故そんな面倒なことをわざわざ自分からやりたがるんだ?」

 

「いや、まあ、なんだ……せっかく特訓したのに出る幕のないまま終わっちまうのは、なんたなく悔しいからな」

 

「学校まで休んでこいつをしごいたのに、出番がないまま事件は解決してました、なんてバカみたいじゃない?」

 

エリカが補足した。

 

「だんな動機にせよ、人手は多い方が助かるよ。それに、もう何も起こらない、と決まったわけでもないしな」

 

「えっ?事件は解決したんじゃなかったのかい?」

 

幹比古がさらに乱入してきた。

 

「事件が起こるのは一度に一つ、なんて決まりは無いぞ?論文コンペが狙われるのは毎年のことだ。本番前に起こった事件が解決したからといって、本番に別の事件が起こらないとは限らないだろ?」

 

「そうか……そうだね。だったら僕にも見張り番の手伝いをさせてくれないかな」

 

「ああ。頼りにしてるよ」

 

と、達也は微笑みながら返した。

 

 

 

 

放課後。大輝は達也と学内カフェに来ていた。二人で4DSでモンハンをしていた。

 

「おい達也。毒、毒、死ぬぞ」

 

「解毒薬忘れた」

 

「何やってんだよお前。てかそもそも、サマーソルト喰らうなっつったろうが」

 

「すまない。あれ完全に死角だった」

 

「操虫棍楽しいのは分かるけど、ピョンピョン無闇に跳ねてたらそりゃ、そうなるって。あっ、やべっ。閃光玉忘れた」

 

「持ってるぞ」

 

「いいからてめーは回復しろバカ」

 

と、話しながらティガレウスを狩る。

今、二人がやってるのはモンハンexG。G級まで行くと、どういうわけか、モンスターが合体する(例:ティガレウス、ウカムトルム、ジンラージャンなど)。ハンターは、キャンプに戻れば、指定した装備セットを二つまでなら替えられる。

 

「で、実際のとこどうなの達也」

 

大輝が砥石を使いながら聞いた。

 

「何がだ?」

 

「明日。来ると思う?」

 

「来るだろうな」

 

呂剛虎を刺客として送り込んできた敵全体の事を言っているのだろう。

 

「なぜ、そんなことを聞く?」

 

「いや、なんとなくだよ。それなら、俺も準備があるからな」

 

「準備、か……。なんの?バズーカと木刀以外にか?」

 

「ああ。暇潰し用のゲームとか漫画とか……」

 

「ああそう……いや、それ戦闘の準備と関係ないだろ」

 

「あるよ。敵来るなら持ってかない。壊れるし」

 

「なるほど……」

 

と、どうでもいい話をしながら二人で格ゲーをする。

 

「大輝」

 

「あん?」

 

「多分、明日俺はみんなの事を守れない」

 

「………どういう意味だよ」

 

「あくまで予想だけど、俺はもしかしたら、深雪の側にいてやれないかもしれない」

 

「というのは、うちのクソ親父と一緒に行動するかも、って事か?」

 

「ああ。だから……みんなを頼む」

 

「何、唐突に」

 

「お前なら、みんなを助けられると思ったんだ」

 

「……………」

 

「まぁ、俺がその場にいないとも限らないから、いなかった時でいいから、頼むぞ」

 

「………達也」

 

「なんだ?」

 

「力尽きてるぞ」

 

「あっ」

 

そんなわけで、翌日はいよいよ論文コンペだ。

 

 





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