今回のテーマは、基本4軸とダイナミクスとそのスペクトラム。
MBTIを最も分かりにくくさせているのは、INTPはこういう性格だ!みたいな分かりやすいステレオタイプの説明よりもむしろ、各タイプ間のあやふやな状態の構造がどうなっているかだと思う。
だから、INTPはこうだ!ESFJはこうだ!という説明でなく、「俺って外向か内向かよくわからないんだよね~」みたいな所の心理機能的なわかりにくい部分を明確化させる事にあると思う。
例えば心理テストで
(30%)E⇔I(70%)
(10%)S⇔N(90%)
(60%)T⇔F(40%)
(80%)P⇔J(20%)
などという数字が出た時にダイナミクス的にどうなっているのかを考えてみたい。
上記だとINTPに分類される。
Ti Ne S Fe
ですね。
でもNが90%なので極めてNが強いのに、Neは補助機能ですね。
これをどう解釈するか。
心理テストから、おおよその意識配分が基本四軸に沿って近似的に定量化されたというのは事実だと思う。
補助機能なのでNはサブ的にしか使っていないはずなのに90%とか何かおかしいじゃないか!っていう意見
判断軸の移動を考える(60%)T⇔F(40%)
Ti Ne S Fe⇒Fi Ne S Te
判断軸はTとFで比較的バランスのとれた数値。
これは内向的判断が主機能という見方ができる。
自分の感情と思考の両方を配慮しているが、自分の判断の色が濃いという事には変わりはない。
知覚軸の移動を考える(10%)S⇔N(90%)
Ti Ne S Fe⇒Ti Se N Fe
知覚軸は90%直感。
比較的バランスの取れた判断の根拠に直感の知覚を圧倒的に使っている。
「直感が90%なのにNが補助機能なのはおかしい」って理屈は知覚機能の変化がダイナミクス上でのどのように変化をするのかという議論が抜けているので的外れという事ですね。
考えるべきは心理テストで出た四軸が比較的(50%vs50%)に近い時、上記のようなダイナミクス上の軸の移動がどうなっているのかを考えるという事が大事なのだと思います。
そういう意味でスペクトラム的な理解に対する考察をすると、MBTIという物の本質がより明らかになっていくと思っております。
実は理解にかなり多次元的な見方が必要な代物という事ですね。
例えばPJ軸が(50%vs50%)に近い時はどうなるのだろう?
(TN)i (NT)e
主機能と補助機能の外向内向が固定されている。
PJがニュートラルに近いという事は内向外向軸の固定化状態の中で知覚判断をバランスよく行っているという事になりますね。
これはでも面白いですね。
(100%vs0%)みたいな極端な状態でなければTiの背後では必ずNiが幾分か動いているって事ですもん。
そうすると前の記事で少し考察した
主機能Ti 補助機能Niのような並びは可能なのか?(Te Neも同様ですね)
という問いかけは本質的にズレていたのかもしれない。
(100%vs0%)みたいな状況でない限り全ての人は
自分のタイプのダイナミクス的な心理機能以外も自然と使っているという事ですね。
(P80%vs20%J)のINTP(Ti Ne S Fe)がいたとして、20%分のJが存在する以上INTJ(Ni Te F Se)のダイナミクスも使っているのか?っていう。
つまり意識配分に幾分かNi的な注意と知覚に成功している時は補助機能以下の特徴も入れ替わっているのか?
という疑問が残る。
もしもこの仮説が正しいのならば、そもそも補助機能以下は全て無意識化で自動で決まっているという事になる。
単純にINTP型はTiに最も意識を向けて、次にNeに意識を向けて、次にSに意識を向けて、最後にFe・・・・
みたいな意識配分をしていると考えるのはそもそもおかしいのかもしれない。
Tiに意識を向けているけど少しNeに意識を向けてTiを補助している
のではなく、Tiに意識を向けているけど、Neに意識を向けた瞬間に内面のダイナミクスは
Ne Ti F Si
の構造が働いてしまっているのではないかという仮説。
これが、今まで私がMBTIダイナミクスの理解を根本的に勘違いしているかもしれない論拠。
インザグリップで補助機能不全になるのは全て無意識化で起こっている事なのに、補助機能に意識を向ければ、インザグリップが解消されるんじゃない?
みたいな言い方をしていたのはズレていたのかもしれない。
いや、補助機能に意識を向ければダイナミクス上INTP⇒ENTPになるわけで、そこの切り替えが上手く行ければバランスが取れるようになるという理屈は依然成立しているとは思うが。
Ti TeとかNi Siとかが連続で主機能補助機能として並ばないのは何故かみたいな考察もしたが、上記の仮説が成立しているのならば、これもそもそも的が外れていたのかもしれない。
「今まさにその場で意識をしている物が主機能になっている」のであれば、NiからSiに意識配分を変えれば主機能とダイナミクスの構造が入れ替わっているだけなのかもしれない。(Ni Siの並びだとストレスフルになるからって仮説を以前に立てたが)
じゃぁインザグリップの補助機能の機能不全の実態って何なのよって話になる。
「ストレス化で主機能に意識配分が過剰になって補助機能に意識を向けられなくなっている」のではなく「ストレス化で主機能に意識配分が過剰になって補助機能が無意識上で誤動作を起こしている」と表現を変えなければならなくなる。
つまり
(30%)E⇔I(70%)
(10%)S⇔N(90%)
(60%)T⇔F(40%)
(80%)P⇔J(20%)
のような並びがMBTI心理テストで得られたら、単純にここからINTPなんだと解釈するのではなく、Te Ti Fe Fi Se Si Ne Niの意識配分がどこに向かう時間帯が長くなる確率が高くなるのか?という見方をした方が正確な可能性もある。
ここで最初に言及したスペクトラム的な捉え方を一歩進めて、スペクトラムを確率論的に捉えるという見方もできるようになる。
(60%)T⇔F(40%)なので思考と感情バランスが良いので主機能は判断TiとFiの両方なのよ、ではなく、60%の確率で主機能思考判断のダイナミクスになり、40%の確率で主機能感情判断のダイナミクスになるという捉え方。
これだと、確率論的ダイナミクス構造という表現ができるようになると思う。
精神的なバランスが取れている時のMBTI心理テストの結果は参考程度にしかならない、というのは分かる気がする。
そうするとやはりインザグリップを基準にタイプ選定をしたほうがわかりやすい。
何故ならば、インザグリップ状態の時こそ、主機能への過剰依存によるストレス対処の癖がでるので確率論的スペクトラム上極端な構造になりやすいから。
自分自身の精神バランスが取れている時にMBTIの心理テストを受けるより、ストレス化で追い詰められている時にMBTIを受けた方が、本質的なタイプが判明しやすいという事になるんだと思う。
だからといって安定期に出た結果も心理機能のスペクトラム的な使い方の傾向としては、本当にそういう使い方をしているのだとも思う。
かなり分かりにくい文章だと思うので言いたいことだけ最後にまとめ。
Te Ti Fe Fi Se Si Ne Ni
のそれぞれの機能の注意の向け方の本質の話が論点。
例えばTiとFiのどちらが主機能か曖昧な時、内界の思考と感情の知覚は同時に起こっているのか?
それとも、実はデジタルな物で切り替わっているのか?
っていう事。
デジタルで切り替わっているのならば、単なるTi⇔Fiのスペクトラムと捉えるのではなく、確率論的なダイナミクスの心理機能の切り替わりが内面で起こっている可能性が高いのではないか?という事がこの記事では言いたい