俺も魔法科高校に入学する 作:フリーザ様
<< 前の話 次の話 >>
翌日。達也たちが関本の事情聴取、大輝はといえば鈴音の護衛。と、いってもほとんど誰からも襲撃を受けたわけではないので、一人でカップ麺啜っていた。
「ゾボッゾボボボボッ」
「………」
「ゾボボボボボボボボボッッ」
「ちょっとうるさいです。ゾボゾボやめてください」
「ズルズルズルズルズルズルズル」
「そういう問題じゃありません」
で、もっさもっさと咀嚼する。
「そうよ真田くん。そんなんじゃ侵入者とかに気付かないでしょう?」
花音もジトーっと睨む。
「何だよ。食いたいなら素直になれよ」
「なわけないでしょ!」
「本当だ。美味しいね真田くん!」
「啓も一緒になって食べない!」
「「ぞボボボボボボボボッッ」」
「うるせええええええええ‼︎」
花音は頭を抱えた。
「仕方ありませんね。夕方回っていますし……千代田さんも休憩してください」
「でも私はカップ麺なんて嫌ですよ」
「では、私と食堂に行きましょうか」
そのまま花音と鈴音は食堂へ。それを横目で見ながら大輝は五十里に聞いた。
「で、五十里さん」
「どうしたの?」
「千代田先輩とどこまでいったの?」
ボフォッ!とカップ麺を吹き出す五十里。
「なっななな何をっ……⁉︎」
顔を真っ赤にして聞く五十里。
「いや、だって付き合ってるしムカつくほどラブラブだし、人目気にせずにイチャイチャしてるし、ヤることヤッてるんでしょ?」
「や、やってない!何もやってない!」
「嘘だね。週一くらいのペースでイッてるんだろ?」
「そんなに多くない!」
「はい非童貞確定ありがとうございました」
「んなっ……!」
「で、どこまでいったの。もう中に……」
「わー!わー!わー!な、何言ってんの真田くん!」
口を抑えようとする五十里だが、大輝は涼しい顔で避ける。
「もしかしてエロ本に載ってるようなプレイはしてないよね。ケツの穴とか……」
「ダメだってばー!」
ハァ、ハァ、と呼吸を乱す五十里。
「ど、どういうつもりなの……?いきなりそんなこと聞くなんて……」
「いや暇だったから」
「暇潰し⁉︎」
「で、どうなの?千代田さんのおっぱい」
「ど、どうとは?」
「いや、制服越しだと普通だけどさ。意外と着痩せするタイプ〜とか、実はパッドでした〜とか」
「………よくそういうの許嫁に聞けるね」
「まぁいいじゃないの。エロトークで盛り上ろうや」
「まぁ、花音は見たまんまだよ。パッドしてるけど、そんなに変化はないよ」
五十里は吹っ切れた。
「へぇ〜。下は?もじゃもじゃ?」
「うん、割と。手入れとかしてないみたい」
「あーそんな感じするわー。大雑把だし。あの人、風紀委員本部とかでゴミ捨てる時とな半端ないんすよ。豪快過ぎて俺の学校のプリント捨てられたし」
「あ、あははっ……ごめんね」
「でもその調子だと、脇毛もボーボーなんじゃねーの?」
「御察しの通り……」
で、ぎゃはははははっと笑ってると、二人の肩に手が置かれた。そこには、花音が怒りの形相で二人を睨んでいた。
「げっ、か、花音⁉︎」
「何の話をしてるのよあんたら」
怒りのあまり、花音から魔人ブウのようなオーラが出ている。五十里はビビって立ち上がれない。だが、大輝は、
「ままま、落ち着けよ千代田先輩」
「黙れスケベ」
「いや、俺はスケベじゃない。いや、違うな。俺は確かにスケベだ。だが、お前は分かっていない」
そして、大輝は上を向いた後、目を見開いて言った。
「男はみんなスケベだッ‼︎」
「っ⁉︎」
その言葉にひるむ花音。大輝は続けた。
「どんな健全な男子だってエロ本は持っている。いや、逆にエロ本を持っていない男子は健全じゃない」
「なっ……何をっ……⁉︎」
「そこの五十里先輩だって過去にエロ本を買ったことがあるはずだ」
「そ、そんなわけない!そうなの啓⁉︎」
すると、五十里は目を逸らした。
「そ、そんな……」
ガクッと膝を付く花音。その花音に大輝は言った。
「だが、それは普通の事だ。男なら全員そうなんだよ。男っていうのは、二十四時間三百六十五日ムラムラしてる生き物なんだよッ‼︎つまり、男がエロ本を持っているのは、健康である証なんだッ‼︎」
ビシィッ‼︎と指を突き立てる大輝。
「で、でも……そんなの……」
震えた声を絞り出す花音。
「それでも貴様がまだ納得できないというのなら、自分の事を振り返ってみろ。貴様は一度でも五十里啓をオカズにした事がないか?」
そう言われ、ビクッと震える花音。
「貴様は一度でも!五十里啓×司波達也、五十里啓×十文字克人、五十里啓×関本勲を妄想した事はないのかッ‼︎」
「やめて…!やめてぇーーッッ‼︎特に最後のやめてぇーーッッ‼︎」
「そうだ!つまり、人間という生き物……いや、森羅万象、全生物がエロくてスケベで下衆で下心があって常日頃からムラムラしてる生き物なのだよッッ‼︎‼︎」
「いやあぁぁぁぁあッッ‼︎」
耳を押さえて、花音は倒れた。その花音に、大輝は優しく言った。
「だから、五十里先輩のことは許してやってください」
「………………うんっ」
涙ながらに花音は頷いた。そして、五十里とまた抱き合った。その様子を救世主ズラで大輝は見ていると、後ろから鈴音がポンッと肩を叩いた。
「私はホモ妄想なんてした事ありませんが」
「えっ」
「四六時中、ムラムラなんてしていませんが」
「ちょっ……なに怒ってんすか。鈴音さ……」
「お仕置きです」
「なんでよ!俺が一体何を……!」
だが、大輝の反論は続かなかった。追う鈴音と逃げる大輝のおかげで、ほとんど作業は進まなかった。