俺も魔法科高校に入学する   作:フリーザ様
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風紀委員

 

 

夏休みが終わり、学校開始。それと共に、大輝も活動開始。チュドオオオオオオオオンッッ‼︎と、爆発音が響いた。

 

「今、魔法を使った喧嘩してやがったな。逮捕するぜぃ」

 

と、大輝はバズーカをぶっ放しながら生徒を捕獲していく。その様子を、滝のように汗をかいて摩利は風紀委員会から見ていた。

で、その教室にいる全員に聞いた。

 

「と、いうあいつを部下に入れる覚悟があり、尚且つ命を狙われる覚悟がある奴は、風紀委員長になる権利をやる」

 

誰も手を挙げなかった。

 

「まぁそうだよな……懐に核弾頭を抱えてまで風紀委員の長になりたい奴なんて……」

 

と、言いかけた瞬間、摩利が背にしていた窓ガラスが爆発した。摩利は机の上に突っ込んだ。で、大輝はブッ壊れた窓ガラスのあった場所に、大輝がバズーカと今回問題を起こした生徒を担いで飛び乗った。

 

「大丈夫ですか?渡辺先輩。ダメですよ。人の悪口は本人に聞こえないところで言わなきゃ」

 

夏休みが終わってから、さらにパワーアップした暴れっぷりだった。

 

「だ、大輝……新しく風紀委員に入った奴がいるからそいつの面倒を見てやってくれないか……?外で待ってるから」

 

「りょーかいでーす」

 

そのまま、軽いノリで大輝は出て行った。

 

「………と、いうわけで、何か案はないかみんな。学校も風紀委員も私も救われる案が」

 

摩利に聞かれて、全員「うーん……」と悩む。すると、摩利が達也を睨んだ。仕方なく達也は答えた。

 

「真田大輝を風紀委員長にしてしまえばいいのでは?」

 

「ダメだ」

 

意外にも摩利は即答した。

 

「何故ですか?あいつなら実力もあるし、あいつ自身を委員長にしてしまえば命を狙われる奴もいなくなると思いますが」

 

「そんな事をすれば、学校は世紀末を迎えることになるだろう」

 

確かに……と、達也は納得してしまった。

 

「それに、一年生に委員長をやらせるわけにはいかないだろう」

 

「なら、真田を風紀委員から辞めさせればいいのではないでしょうか?」

 

別の女子生徒が手を挙げた。だが、

 

「いや、大輝のお陰で校内での問題が減ったのも確かだ。校内備品の破損は増えたがな。あいつが風紀委員にいるというだけで問題は減少する」

 

と、摩利は一蹴する。

 

「………いっその事、今真田が面倒を見てる子を委員長にしてしまえばいんじゃねーすか?」

 

今度は男子生徒が言った。

 

「………花音か。確か、あいつの得意魔法は地雷源だったな。あれなら大輝とも相性は良いかもしれん」

 

摩利は腕を組んで考えた。

 

 

 

 

その頃、大輝が外に出ると、待っていたのは花音だった。

 

「あ、真田くん」

 

「(誰だっけ)………どうも、先輩」

 

「今、誰?って思ったでしょ」

 

「思いましたね」

 

「そこは隠しなさいよ!」

 

怒鳴られても、涼しい顔の大輝。

 

「で、誰?もしかして同級生だったり?」

 

「違うわよ!千代田花音よ」

 

自己紹介されて、軽く会釈する大輝。

 

「で、千代田先輩。俺何すればいいんですか?」

 

「知らないわよ!」

 

「面倒見ろって言われたんすけど……あ、餌とかあげればいいのかな」

 

「私はペットか!」

 

「お手」

 

「怒るわよ。本気で」

 

「お代わり」

 

「殺す!」

 

花音は魔法を発動しようとした。だが、大輝は木刀を突きつける。

 

「魔法を発動するのと俺が木刀振り切るの、どったが早いですかね」

 

「……ムカつく」

 

「まぁ、とりあえず俺はまたいつも通り見回りするんで、付いてきて下さい」

 

で、二人は校内やら何やらを見回る。

 

「………にしても、真田くんってすごいよね」

 

「急に何」

 

「タメ語?まぁいいや。いやほら、未だに覚えてるからさ。クラウド・ボールの時のラケット捌き」

 

「ああ、あれすか」

 

「そうあれ。あれでファンも増えたんじゃない?」

 

「増えましたね。でもなんか、それ以上に怖がられてるみたいです」

 

「? なんで?」

 

「九校戦の前に部活勧誘期間ありましたよね。あれの時になんか変な通り名付けられましてね。あの時は木刀一本で暴れてましたから、中々血とかも飛んだみたいで」

 

「あー……私も見たよ。一回だけ。あれなら一年生がビビるのも分かるよ」

 

「そうすかね……」

 

「でもアレだけ剣の腕があるならさ、家に真剣とかあるんじゃないの?」

 

すると、大輝の動きがピタッと止まった。

 

「見てみたいなぁ、真剣なんて見たことないし……って、あれ?真田くん?どうしたの?」

 

「………………いえ、何でもないです」

 

「? なんか顔色が」

 

「や、ほんと何でもないんで。先に行きましょう」

 

先に進む大輝に花音は首を傾げたが、それ以上は聞かなかった。そのまま色んなところを見回る。食堂、購買、カフェ等を。

 

「………ねぇ、さっきからお金使うところばかり回ってない?」

 

「お腹空いてるんですよ」

 

「思いっきり私情だし……。それよりほら、体育館とかグラウンドは行かないの?問題とか起こりそうじゃない」

 

「部活の勧誘に合うからパス」

 

「えーいいじゃない。いこーよー」

 

「ウゼェ……」

 

「ほら、私が守ってあげるから」

 

「十年早いですね」

 

「本当ムカつく……」

 

だが、余りにもしつこいので仕方なく体育館へ。今日は剣術部の練習日だった。桐原が大輝に気付いて、話しかけてきた。

 

「よお、真田。珍しい組み合わせだな」

 

「(誰だっけ?)……はい、こんにちは」

 

「今、誰だっけ?とか思ったか?」

 

「思いませんでした。田中先輩」

 

「桐原だ!クラウド・ボールの時に一緒に練習したろうが!」

 

それで大輝はなんとなく思い出した。

 

「ていうか、千代田さんと真田くんって知り合いだったのね」

 

後から紗耶香がやってきた。

 

「こんにちは、真田くん」

 

「誰だっけ?………こんにちは」

 

「声に出てるわよ!壬生紗耶香よ!」

 

「あーあの剣道部の?」

 

「そうよ……。それで、今日はどうしたの?剣道部に入ってくれるの?」

 

「なわけねーすよ。渡辺先輩に同行を命じられて、こっちのアホ……じゃない、千代田先輩が体育館行きたいってダダこねたのでこっち来たんですよ」

 

「今アホっつった?あほっつったよね?」

 

花音は大輝にタイマンを挑もうかと思ったが堪えた。

 

「やめとけやめとけ、千代田。お前じゃ真田には勝てねぇよ」

 

「ちょっと、桐原くん?どういう意味?」

 

「そのまんまの意味だ。お前だけじゃない。そこらの奴じゃそいつには……」

 

「へぇ〜……言うじゃない。真田クン?」

 

ニヤリと好戦的な笑みと共に振り返り、活性化したサイオン粒子を噴出させる花音。

 

「なんすか?」

 

「闘るわよ」

 

「ホアチャアッ‼︎」

 

廻し蹴りが脇腹に減り込んだ。ドガシャアァァァッッ‼︎と、壁に叩きつけられる花音。

 

「ちょっと何す………」

 

と、言いかけた花音にむかって躊躇なくバズーカをぶっ放す大輝。爆発して吹き飛んだ壁に大輝は言った。

 

「風紀委員自ら騒動を起こしてどうすんだ。士道不覚悟で切腹だ」

 

「「土方さん⁉︎」」

 

壬生と桐原がツッコんだ。で、瓦礫の山から花音が出て来た。

 

「卑怯よ!正々堂々と……!」

 

「第二射」

 

問答無用で大輝は二発目を発砲。爆発する。

 

「真田、お前容赦ねぇのな」

 

「例え風紀委員でも、校内の風紀を壊す者は粛清対象です」

 

「ていうか校内の設備を壊してるよね」

 

「千代田さんも壊れてるんじゃない?」

 

「壊れてないわよ!」

 

ガララッ!と花音が這い上がってきた。頭から血が出ている。

 

「いや壊れてんだろ。頭も頭の中も」

 

「真田!あんたもう許さないんだから!」

 

すると、花音は地雷原を発動。だが、大輝は床を木刀で魔法斬り。魔法はキャンセルされる。

 

「んなっ……⁉︎」

 

そのまま大輝は高速で距離を詰めて、CADに突きを放ってぶっ壊した。

 

「………渡辺先輩にチクられたくなけりゃここまでにしましょう」

 

「………参りました。ごめんなさい」

 

「じゃ、土下座」

 

「そこまでにしとけ、大輝」

 

呼ばれて振り返ると、摩利が立っていた。

 

「体育館で爆発が起きたと聞いて来てみれば……やっぱお前か」

 

「俺は魔法を使って俺に喧嘩売ろうとして来た千代田先輩を魔法なしで止めただけです」

 

「言葉だけ聞けば正しい行動なんだよなぁ……これが言葉のマジックか……」

 

摩利はボソリと呟くと、花音を呼んだ。

 

「と、いうわけで、委員長頼むな」

 

「……………はっ?」

 

「ちょーっと、大輝に命狙われたりするけど頑張ってな」

 

「ち、ちょっと待ってくださいよ!嫌ですよ!」

 

「決定事項だ。みんな賛成してる」

 

「私の意志は⁉︎」

 

「ない」

 

「そんな!待っ……」

 

「アディオス」

 

摩利は逃げた。膝をつく花音の肩に大輝は手を置いた。

 

「これからよろしくお願いしやす」

 

「うるさいわよ!」

 

 





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