さいたま女性死亡 逮捕の前橋市職員との交際巡りトラブルか 市長、記者会見で陳謝
さいたま市大宮区のビルで23日、埼玉県春日部市の会社員、金井貴美香さん(22)が包丁で切りつけられ死亡した事件で、殺人未遂容疑で現行犯逮捕された前橋市大渡町1の同市職員、鳥山裕哉容疑者(25)が「金井さんと交際していた」と供述していることが、捜査関係者への取材で判明した。埼玉県警は2人の間に交際を巡るトラブルがあったとみて、容疑を殺人に切り替えて動機や詳しい経緯を調べている。
逮捕容疑は23日午後5時55分ごろ、大宮区宮町2のビル5階の通路で、持っていた刃渡り約20センチの包丁で金井さんの首などに切りつけて殺害しようとしたとしている。
捜査関係者によると、鳥山容疑者は金井さんの首付近に背後から腕を回して押さえつけ、包丁で切りつけたといい、首以外にも上半身に複数の切り傷があった。
昨秋以降、金井さん本人などから同県警春日部署に「交際トラブルで鳥山容疑者から暴力を振るわれた」と複数回相談が寄せられていたという。同署は詳しい内容を明らかにしていないが「本人や家族の意向を踏まえて対応していた」と説明している。金井さんが住む春日部市のアパート近くの男性は取材に「半年ほど前、(金井さんの部屋付近の)ドアをたたく男の姿を見かけた」と話した。
前橋市によると、鳥山容疑者は2018年4月に入庁し、道路管理課所属の技師として勤務。事件当日の23日は通常通り出勤したが、昼休み後に「吐き気がする。頭が痛い」と体調不良を訴え、午後から早退した。勤務態度はまじめで、同僚によると、おとなしい性格で悩んでいる様子はなかったという。
鳥山容疑者が住むマンションの女性は「優しそうな青年だったのに……」と驚く。山本龍市長は24日に記者会見し「市職員の起こした事件によって一人の若者の命を奪い、ご家族や関係者に深い悲しみを与えたことを心からおわび申し上げます」と陳謝した。 【鈴木拓也、古賀三男、鈴木敦子】