俺も魔法科高校に入学する   作:フリーザ様
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ミラージ・バット

 

 

 

その日の夜。大輝の部屋に達也、深雪、エリカ、美月、レオ、幹比古、ほのか、雫が集まった。

 

「と、いうわけで、モノリス・コード優勝、おめでとー!」

 

『おめでとー!』

 

エリカの声に大輝以外全員が声を揃えた。

 

「待て、なんで俺の部屋でやる」

 

当然の指摘をした。が、キョトンとした顔でエリカは言った。

 

「へ?だって大輝、怪我してるじゃん」

 

「だから大人しくさせるっていう考えには至らなかったのか?」

 

「さっ、お菓子持ってきたわよ!」

 

「殺してぇ……神様お願いです。僕の体のほんの三秒くらいでいいので元気百倍にしてくれませんかぁ。三秒あれば一瞬なんで、マジ一発なんで」

 

と、ブツブツ神頼みする大輝を捨て置いて、ほのかが言った。

 

「にしても、すごかったですね達也さん!あの一条選手を倒すなんて!」

 

「俺一人じゃ勝ててたかは分からないけどね」

 

「何を仰いますか。無傷で帰ってきておきながら」

 

深雪が兄を褒められて嬉しそうに言った。

 

「でもよ、幹比古もすごかったよな!あの、カーディナル・ジョージを倒したし、最後まで残ったしな!」

 

「そういえば、幹比古くんだけですね。二人も倒したの」

 

と、レオと美月が幹比古を見ながら言った。

 

「そ、そんなことないよ。吉祥寺選手を倒せたのは油断しててくれたお陰だよ」

 

「それに引き換え……」

 

雫は大輝を指差した。

 

「一人も倒してない」

 

「るせーよバカ!」

 

大輝は珍しく怒鳴った。

 

「そう言うな雫。俺がそういう作戦にしたんだ。そもそも、大輝じゃ敵に攻撃すら出来なかったんだから」

 

達也の言う通り、大輝はまったく魔法を使えないわけではないが、得意ではない。特に、相手が将輝などの強敵で、魔法以外なしのルールの場合は何も出来ないに等しい。

 

「じゃあ、なんで達也さんは大輝さんを選んだの?」

 

「デュフェンスに使えるからだ。魔法を無効にできる時点で、こいつがいれば負けはない。それでもまさか、負けるのは思わなかったけどな」

 

「誰を守って負けたと思ってんだ!いやむしろ負けてないね!反撃出来ない立場であそこまで堪えたんだ。むしろ俺の勝ちだろこれ」

 

大輝がウガーッと食って掛かる。だが、

 

「いや、勝ちはないわよ」

 

深雪が冷たく言い放った。

 

「そうね。勝ちはない」

 

便乗するエリカ。

 

「むしろ価値がない」

 

「達也、テメーあとで相手してやる。覚えてろよ」

 

そんなことを話しながら、どんちゃん騒ぎは夜中まで続いた。

 

 

 

 

翌日。ミラージ・バットの試合前。大輝はエリカ、美月、幹比古、レオと見ていた。

 

「美月……メガネを外してて平気なの?」

 

エリカが美月に聞いた。

 

「正直……チョッと辛いかな。でも、いつまでも自分の力から逃げてるだけじゃダメだと思うから」

 

「……美月は別に、逃げてるわけじゃないと思うけど」

 

「眼って何?邪王真眼?」

 

そう聞いた大輝にレオが美月の眼のことを説明してる間に、エリカは美月に言った。

 

「無理したっていいことはないと思うけど。一足跳びに技術が身につくことはない、とは言わないけど、身体を壊しちゃうことのが多いんだから」

 

「うん……でも、見なくちゃいけない時に、見えているものから目を反らすのは、やっぱり間違ってると思うの。渡辺先輩が怪我した時も、私がちゃんと見ていることができたら、少しは達也さんの役に立てたと思うから」

 

「だから今回は、何か起こった時に備えて、見張っているつもり?」

 

と、エリカが聞いたときだ。幹比古が口を挟んだ。

 

「エリカが柴田さんを心配するのは分かるけど、もし達也の考えている通り、妨害工作に精霊魔法が使われているなら、柴田さんの目が一番頼りになるのも確かだ。一応、霊視放射光の刺激を緩和する結界を僕らの周りに作っておいたから、後遺症が残ることにはならないと思う」

 

すると、エリカは意地の悪い笑みを浮かべた。

 

「フ〜ン……?ミキが美月を守ってあげるんだ?じゃあ美月に何かあった時には、ミキが責任取りなさいよ?もちろん、男の子が女の子に対してとる責任だからね?」

 

「なっ、今は、そんなことを言ってるんじゃないだろ!」

 

顔を赤くして反論する幹比古。

 

「……お前ってホント、意地の悪い女だな」

 

説明を終えたレオがため息をついて言った。そのまま、また口喧嘩が始まるのかと思ったが、試合開始の合図で黙った。で、一高三年生の小早川の試合が始まった。

緑色の光球に向かって、小早川ともう一人が同時に飛び上がった。だが、優先権が得られる一メートル以内には相手のが早かった。小早川は慌てずに跳躍の勢いを止める魔法を使い、さらに足場に戻ろうとした。

その時、美月が「あっ」と反応した。そして、その直後に小早川の身体は重力に引かれて真っ直ぐ落ちた。

 

「っ⁉︎」

 

水面とはいえ、高さ十メートルの高さだ。怪我しないとは限らないと判断した大輝は木刀をぶん投げた。それが、小早川の服を貫通し、そのまま水面にギリギリ当たることなく、壁に突き刺さり、落下は阻止された。あ、一応言っとくけど、身体は貫通してないからね?

そのまま試合は中止された。

 

 

 

 

大輝のお陰で怪我はなかった。だが、精神的な後遺症は残る。真由美やら摩利やらと、保健室的な場所に連れて行かれた小早川を達也はぼんやり見てると、そこに美月と大輝がやってきた。

 

「達也!」

 

「みんな、か。あの木刀は大輝か?」

 

「そうだよ」

 

「よくやってくれたな。あれが無かったら怪我をしていたかもしれない」

 

「それはいい。それより美月だ」

 

「美月?」

 

で、美月は前に出た。

 

「何か見えたのか?」

 

「ええ、その……小早川先輩の右腕で……多分、CADをはめているあたりで光が、いえ、精霊がパチッと弾けたみたいに、その、見えました」

 

「そうか……見えたのか。それて、その精霊は弾けて散ってしまったんだな?」

 

「えっと……そんな感じでした。こう、電化製品がパチッと火花を散らして止まってしまう、みたいな……」

 

「………なるほど、分かった。そういうことか」

 

達也は一人勝手に頷く。

 

「よくやったな美月。今の情報はとても役に立った」

 

「! ありがとうございます!」

 

と、美月は頭を下げた。

 

 

 

 

その後、達也は無事にブチギレて、犯人を逮捕した。そして、みんなで安全に二試合目の深雪の試合を見守った。

 

 





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