俺も魔法科高校に入学する   作:フリーザ様
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怪我

 

 

翌日。モノリス・コード。大輝は森崎と他の一年と作戦の内容を話していた。

 

「つまり、俺がデュフェンスって事でいいんだな?」

 

「ああ」

 

まだ、大輝が代理の選手であることに納得してないのか、森崎は不満気な返事をするが、十文字に「七草の言うことには従え」と言われてしまった以上は、我慢するしかない。

 

「ま、了解。お前らオフェンス頼むぞ。やるからには勝つのが俺のモットーなんだから」

 

「分かってる。いやお前のモットーは知らんけど」

 

で、三人は転送された。場所はどっかの廃ビルの中。そして、試合開始。した直後だった。

 

「ッ⁉︎」

 

ビルが揺れた。それにいち早く気付いた大輝は、辺りを見回した。

 

「こいつぁ……!」

 

「なんだ……?」

 

続いて森崎が反応する。その直後、ビルが崩れ落ちた。

 

 

 

 

会場。達也はそこにやってきたのだが、動揺に包まれてるのを感じた。

 

「お兄様!」

 

深雪が駆け寄って来る。その隣には雫の姿もあった。

 

「何があったんだ?モノリス・コードで事故か?」

 

「真田さんが……!」

 

「どうした?」

 

まさか、やられたのか?と、頭の中に過ったが、すぐにそれを自分で否定する。あのアホがそんな簡単にやられるわけがない。だが、深雪の台詞でその否定したものが本当だとわかった。

 

「大怪我を………」

 

「大輝が?何があった?」

 

「それが……」

 

「市街地フィールドの試合だったんだけど、破城槌を受けて瓦礫に埋もれちゃったの」

 

と、説明をしたのは真由美だった。

 

「それは明確なレギュレーション違反だと思いますが」

 

「そうね……」

 

「それで、瓦礫の山から大輝さんが二人とモノリスを抱えて出て来たんだよ。多分、アレ試合続行するつもりだったみたい……」

 

雫が呆れ気味に言った。

 

「大輝さんのお陰で他二人は何とか大事には至らなかったみたい。瓦礫の山から這い上がってモノリスを置いてから応急処置して、その後に自分も頭から血を流してる癖に四高の選手探してたからね……」

 

「その大輝はどうなんだ?」

 

「大輝さんも酷いよ。酷いはずなんだけど……」

 

雫はチラッと保健室みたいなテントの方を見た。すると、丁度いいタイミングで大輝が出て来た。頭と身体に包帯を巻いてあり、身体の上には九校戦メンバー用のジャージを羽織っていた。で、完全に殺意を剥き出しの表情でトイレに入って行った。

 

「…………殺意出してトイレに行くのかよ」

 

「便意と殺意は関係ないもの」

 

達也の台詞に真由美が答えた。

 

 

 

 

そのトイレの中。大輝は電話していた。

 

『おう、珍しいな大輝。そっちから電話してくるなんて』

 

相手は真田繁留。父親だ。

 

「なぁ親父、無頭龍の連中のアジトはわからねぇか?」

 

『分かってたら殲滅してるよ。どうした?やられたのか?』

 

「うるせー」

 

『……えっ、マジやられたの?』

 

「黙れ。競技中に襲撃されたんだよ」

 

『……なーるほど。で、教えたとしてどうすんの?』

 

「ブラッドフェスティバル」

 

『血祭りって言え。………まぁわかったよ。なるべく早く突き止められるようにするよ』

 

「助かる。悪いな」

 

『その代わり、一人で行くなよ』

 

「あ?」

 

『じゃあな』

 

そのまま電話は切れた。で、大輝は本当にウンコしてトイレを出た。

 

「オイ大輝!」

 

声がして振り返ると、摩利が立っていた。

 

「勝手にうろちょろするなと言っただろ!怪我が悪化したらどうするつもりだ!」

 

「や、トイレくらい行っても……」

 

「ダメだ!私が付きそうと言っただろ!」

 

「え、何。お前俺のチ○コ見たかったの?」

 

「んなっ……!な、なわけないだろ!このヘンタイ!」

 

「ヘンタイはテメェだろうがッ!」

 

なんてやってた。

 

 

 

 

その日の夜。達也は真由美に呼ばれていた。その部屋へ行くと、真由美以外にも、摩利、十文字、服部、鈴音、あずさ、桐原、五十里の姿が見えた。

 

「今日はご苦労様。期待以上の成果を上げてくれて感謝しています」

 

ミラージ・バッドは一位、二位、アイスピラーズブレイクは一位、二位、三位を独占した。

 

「選手が頑張ってくれましたので」

 

「もちろん光井さんも里美さんもほかのみんなもそれぞれに頑張ってくれた結果です。でも、達也くんの貢献がとても大きいのは、ここにいる全員が認めているわ。担当した三競技で事実上無敗……現段階で新人戦の二位以上のポイントを確保できたのは、達也くんのお陰だと私は思っています」

 

「……ありがとうございます」

 

「今も言ったとおり、モノリス・コードはこのまま棄権しても新人戦の準優勝は確保できました。新人戦が始まる前はそれで十分だと思っていたのだけど」

 

と、そこで言葉を切る真由美。で、言いにくそうに言葉を続けた。

 

「新人戦の優勝を目指したいと思うの」

 

達也にとっては予想通りの台詞だった。

 

「三高のモノリス・コードには一条将輝くんと吉祥寺真紅郎くんが出ているのは知ってる?」

 

「はい」

 

「そう……一条くんの方はともかく、吉祥寺くんのことは達也くんの方が詳しいかもしれないわね。あの2人がチームを組んで、トーナメントを取りこぼす可能性は低いわ。モノリス・コードをこのまま棄権すると、新人戦優勝は、ほぼ不可能です。だから達也くん……森崎くんたちの代わりに、モノリス・コードに出てもらえませんか」

 

それも、達也の予想通りだった。

 

「……一つほど、お聞きしてもよろしいですか?」

 

「ええ、何かしら?」

 

「……なぜ、自分に白羽の矢が立ったのでしょうか」

 

「達也くんが最も代役に相応しいと思ったからだけど……」

 

「実技の成績はともかく、実践の腕は一年生男子で一、二を争うからな」

 

摩利が援護射撃をする。

 

「モノリス・コードは実戦ではありません。肉体的な攻撃を禁止した魔法競技です」

 

「魔法のみの戦闘力でも、君は十分ずば抜けてると思うんだがね」

 

「しかし、自分は選手ではありません。代役を立てるなら、一競技にしか出ていない選手が何人も残っているはずですが………。大輝とか」

 

最後にボソッと押し付けようとした。

 

「一科生のプライドはこの際、考慮に入れないとしても、代わりの選手がいるのにスタッフから代役を選ぶのは、後々精神的なしこりを残すのではないでしょうか」

 

達也は真由美達がもっとも言われたく無かったであろう部分を指摘した。真由美も摩利も反論できずに黙り込んだ。だが、十文字が口を開いた。

 

「甘えるな、司波」

 

「…………!」

 

「お前は既に、代表チームの一員だ。選手であるとかに関わりなく、お前は一年二百名の中から選ばれた二十一人のうちの一人。そして、今回の非常事態に際し、チームリーダーである七草は、お前を代役として選んだ。チームの一員である以上、その義務を果たせ」

 

「しかし……」

 

「メンバーである以上、リーダーの決断に逆らうことは許されない。その決断に問題があると判断したなら、リーダーを補佐する立場である我々が止める。我々以外のメンバーに異議を唱えることは許されない」

 

そして、十文字は最後に言った。

 

「逃げるな、司波。例え補欠であろうとも、選ばれた以上、その務めを果たせ」

 

達也は言われたことをようやく理解した。これは、九校戦のみを念頭においた話では無かった。逃げる道は塞がれた。その時だ。

 

「おもしろそーな相談してんなオイ」

 

後ろから声が掛かった。そこには、大輝がいた。

 

「大輝!お前は部屋で安静にしてろって言っただろ」

 

摩利に怒られるも無視して、大輝は続けた。

 

「その話、俺も混ぜて下さいよ」

 

「ダメだ。お前は怪我人だろう」

 

即答したのはやっぱり摩利だった。

 

「ひでぇじゃねぇですか。俺はリストラですか」

 

「違う。お前も軽傷というわけじゃないんだ。そんな状態の奴を試合に出せるか」

 

「気合いがあれば大抵はなんとかなるんですよ。金属バットも言ってたでしょ」

 

「現実はそうはいかない。ダメだ。モノリス・コードは事故も多い」

 

「めんどくせーな。300円あげるから見逃してよ」

 

「300円で誰が動くか!」

 

すると、達也が口を挟んだ。

 

「大丈夫ですよ。大輝は対人戦闘能力なら俺よりも上です」

 

「おい、司波!」

 

「怪我は俺がさせません。それに、大輝は『魔法斬り』という魔法があります」

 

「魔法斬り……?」

 

「クラウドの時に見たでしょう。敵の魔法のかかったボールを片っ端から打ち消していました」

 

「………なるほど、あれ別に馬鹿力ってわけじゃなかったのか。いやそれにしても……」

 

「いいだろう」

 

許可を出したのは十文字だ。

 

「ただし、我々が危険だと判断したら、その時点で交代だ。いいな?」

 

十文字の一言で、大輝のチーム入りが決まった。

 

 





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