俺も魔法科高校に入学する 作:フリーザ様
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そんなこんなで、最終セット。お互い2セットずつ取って、泣いても笑っても次で決まる。大輝と三高選手はグラウンドに立った。
「ようやく、ラストか」
前の方で騒いでた摩利はいつの間にか真由美達の所に戻っている。
「ま、これなら勝っても負けても発破は掛かったんじゃないか?」
「そうですね。これならアイス・ピラーズ・ブレイクも期待出来ます」
と、摩利の一言に鈴音が頷いた。で、試合開始。出てきたボールを三高選手は撃った。瞬間、カッ!と発光した。
「っ⁉︎ これは……!」
「スタン⁉︎」
大輝も目を閉じていた。だが、大輝の身体は反応し、球を打ち返す。打ち返した。だが、球はネットに掛かった。
「最後の最後で隠し玉をもっていたな相手は……」
「ていうか、なんで打ち返せるのよ真田くんは……」
呆れる真由美。で、二球目が飛んできた。今度は相手は振動魔法などを中心に攻めてきた。発光、幻術、加熱、冷却などを組み合わせて攻めてくる。だが、大輝はそれに前半見せた、魔法を打ち消す「魔法斬り」のみで対抗。
だが、相手はさらに奥の手があった。それは、大輝の足場を振動させることだった。足場が安定しなくなり、大輝は強い打球が打てなくなっていく。更に大輝に二点入り、相手は三対〇。
更に、ボールは増えて六個のボールがフィールドで飛び交っている。明らかに不利だ。
「まずいわね。負けちゃうわ、このままだと……」
と、真由美は呟いた。
「元々、彼の役割は他の生徒の発破をかける事。十分、役目は果たしてくれました」
鈴音も目を閉じて諦めかけていた。だが、その時だ。大輝はラケットを一本捨てた。
「!」
「試合放棄?」
真由美が呟いたが違った。大輝は大きくジャンプし、天井に着地すると、踏み台にしてジャンプし、ボールに追いついて打ち返した。で、地面に手を着くと、空中で回転しながら別の球に追い付き、打つ。
すると、全く離れた距離に球が飛んできた。片方になったラケットを投げて、球を返し、地面に転がってるラケットを拾って別の弾に食らい付く。
「おいおい……猿かあいつは……」
摩利が引き気味に呟いた。
「驚いた……あんな事も出来るのね彼は……」
真由美も目を丸くする。その間にも大輝は壁、天井、すべてを利用して、ボールを打ち返した。そして、ボールは残り二球。点差は四対三で負けている。
その時だ。大輝は緩い山なりの球を打った。
「!」
「マズイ……!」
さっきまで諦めてたはずの真由美が声を漏らす。当然、そのチャンスボールを逃さずに相手はそのボールにCADを向ける。その時だ。大輝は二球目を強く打った。それが、三高選手のCADを握る手に直撃した。
「ッ‼︎」
余りの強打に、CADを落とす。そして、二球目は当然地面に落ち、山なりのボールはゆっくりと、地面に落下した。シンッとなる会場。
『winner真田大輝』
電光掲示板その文字が出た瞬間、ワアァァァァッッと歓声が上がった。
○
夕食の時間、疲れがまだ取れない大輝は椅子を座り込んで飯を食ってる中、周りには女子の皆様に囲まれていた。
「ねぇ、真田くん。クラウドの時はどんな魔法使ってたの?」
「すごい打ちだったし、かなり速かったよね」
「打った球なんて消えたように見えたよ」
「バカね、球よりも真田くんの動きの方がすごかったわよ。スターバースト・ストリームみたいだったもの」
「あとラケット投げたあれもすごかったわよね」
「それ、わかる」
と、話す女子の群れに囲まれた大輝の感想は、「ウザイ」の一言に尽きるのだった。いや、普段なら別に悪い気はしないのだが、今日はまだ疲労が取れていない。その様子を遠くから、真由美、あずさ、鈴音、摩利は見ていた。
「すごい人気になっちゃいましたね〜」
と、あずさは呟いた。一人言のつもりだったのだが、鈴音が「そうですね」と続いた。
「まぁ、彼のお陰なのかは分かりませんが、アイス・ピラーズ・ブレイクは男子も女子も決勝に進出ですね」
「そうねぇ……。でも、確かに彼はすごかったわね……。ほとんど人の動きじゃなかったもんねぇ」
「というか、結局彼は魔法を使いませんでしたね」
「そうね……って、摩利?どうかしたの?」
さっきから黙ってる摩利に真由美が尋ねると、何故か不機嫌そうな顔をしていた。
「別に。何でもない」
「………どうしたの?なんか不機嫌?」
「なんでもないと言っている」
その視線の先にいる大輝は、深雪のお陰でなんとかその場を離れた。で、大輝は一人で飯を食っている。すると、奥の席でバンッ!と誰かが、つーか森崎が立ち上がった。で、大輝をキッ!と睨むと不機嫌そうに出て行った。
それにイラッとした大輝は、フルボッコにしてやろうと立ち上がった。が、疲れてるので、「今回は見逃してやる」と、心の中で小者みたいな事を言って座った。そんな大輝の前に達也が座った。
「よう。お疲れ。それと、おめでとう」
「どーも……明日は筋肉痛だなこれ」
「それは本当にお疲れだな……。その疲れてるところ悪いんだが、聞いてもいいか?」
「何」
「お前、魔法を斬ったよな?」
「………あー……。やっぱりお前にはバレたかー……」
「なんなんだあれは?」
「別に隠すようなことじゃないから言うけど、あれは『魔法斬り』。俺が生まれた時から使える魔法の一つだ」
「魔法斬り……」
「おう。俺もどういう仕組みなのか知らんし、どの規模の魔法なら斬れるのかも分からんけど、まぁ何度かすごそうな魔法斬ってるし、ある程度は斬れると思うよ」
「………なるほどな……。魔法斬り、か」
「そんだけか?」
「ああ。すまないな。疲れてる所を」
「いいよ別に。今度パフェさえ奢ってくれれば」
「分かったよ」
「えっ?分かったの?奢ってくれんの?」
「ああ」
大輝は小さくガッツポーズした。