開門時にマイナス1度を指していた温度計も、ダノンスマッシュが登場した午前9時半には8度まで上昇。澄み渡った青空の下、栗東坂路で行われた追い切りは、まさに“視界良好”と思わせるものだった。
北村友を背に、単走でじわっと加速。鞍上の指示にしっかりと従い、しまい重点に緩やかな後傾ラップを刻んだ。4F53秒4-39秒3-12秒6とタイムは平凡ながらも、馬体からは目下の充実ぶりがひしひしと伝わってくる。動きも上々。余力を十分残してフィニッシュラインを越えた。
1週前の栗東坂路で4F49秒9-36秒2-12秒2の猛時計を出した。直前のソフトな内容は予定通りだ。鞍上は「動きは本当に良かった。何より、1週前にびっしりやっている割に落ち着いているのがすごくいい」と走りを高く評価。順調な成長ぶりに「もともとポテンシャルが高く、期待していた馬ですからね。大きいところへ無事に進められれば」と目を輝かせる。
重賞連勝へ。父ロードカナロアも手掛けた岩本助手は「馬体が一回り大きくなっている。背が伸びてボリュームも出た」と確かな成長を伝える。カナロアと同じ道をたどり、京阪杯→シルクロードSを連勝して軌道に乗りたい。安田隆師は「乗り役は“きれいな馬場でやりたい”と話していましたし、今の緩い馬場がどうかな。(Aコースから)Bコースに変わってどれだけカバーできるか」と課題を挙げるが、成長急な今のスマッシュならば克服できるはず。父譲りのスピード&パワーを発揮し、V発進を決める。 (栗東取材班)