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【競馬・ボート・競輪】

[ボート]あす開幕 GI江戸川大賞 福来、熱き魂で波を制す

2019年1月24日 紙面から

 開設63周年記念GI「江戸川大賞」があす25日、江戸川ボートで開催される。関東地区で今年最初の記念レースに全国名うての波乗り巧者が多く参戦。昨年の賞金王・峰竜太をはじめ、全24レース場制覇へ残すはここ江戸川だけとなる毒島誠ら、話題に事欠かないシリーズ。地元東京からは浜野谷憲吾を中心に総勢12選手が出場。中でも、熱い気持ちは誰にも負けない福来剛に今回はスポットを当て、大会に向けての思いを本紙にぶつけてくれた。

 ピットでは明快な受け答え。だが、一度レースに行くと良くも悪くも“激烈”の言葉がよく似合う。持って生まれた熱き魂。ボートレーサーとしては中堅世代にさしかかっても、まだまだ伸びしろはある福来剛がこれまでの経験、今後を存分に話してくれた。(聞き手・角田大輔)

 -東京3場の中でも、江戸川の存在とは

 福来「江戸川に関しては波がやっかい。でも、それが時として敵にもなるけど、味方にもなる。そういうのを味わえるのが江戸川。他では体感できないレース場のひとつですね。それに今、一番家から近く、回数を多く走らせてもらっているのも江戸川。走り始めは遅かったけど思い入れは強いですね」

 -A1復帰後、記念を2節走って

 「記念は『すごく難しい』と感じるけど、走っていて一般競走では得られないものを感じます。みんな調整を合わせるのが早い。僕とかも合わせられてはいるけど、予選が終わってベストで走れることが多い。(エンジンが)出ていても他の人が先に合わせていて、最終的に一緒になったりする。もうちょっと手前手前で走れれば予選を突破できるのかな。常に記念で走りたい気持ちはありますね。さらに上を目指せるチャンスなのかなって気持ちにさせてくれるのが記念。GI初優出したのは蒲郡(2008年7月)でしたけど、その時、江戸川が休催中でタイトルは『江戸川大賞』でした。思い入れが強いこのタイトルで、今回はしっかりやらないといけないですね」

 -最近のリズムは

 「(昨年の)ゴールデンウイーク明けて5月の終わりを境にリズムはつかめてきました。でも、ここ最近は合わないこともあります。暮れの多摩川(優勝)はツキも味方してくれました。求めた乗りやすさがきて準優、優勝戦は臨めました。正月の江戸川はリズムは悪くなかったけど、石渡(鉄兵)さんがエンジンをしっかり出していたというか、自分もある程度は仕上がっていました。でも、それで満足してしまったのがいけなかったのかな」

 -2017年にはB2級と苦しい時期を過ごした

 「あの時は正直ちょっとどうしようかと…。でも、やってしまったことは仕方ない。前向きにとらえようと。西島(義則)さんとかが一時、『最強のB2』と呼ばれていたこともあって、あっせんが入った時は優勝してやるぞって気持ちではいました。でも、そこでFをしちゃうと50回は走れない。スタートを行けないジレンマはありましたね。ただ、B2で時間はあったし、次のあっせんまで3週間とかあったので、その時にトレーニングを始めました。体を動かすきっかけを与えてくれた。パーソナルのトレーナーを初めてつけて、それがいい転機になりました。本当は(B2級を)経験しない方がいいけど、前向きにとらえたい。無駄ではなかったと言いたいですね」

 -現在、通算975勝。もうすぐ1000勝も見える

 「そこまで気にしていなかったけど、同期が達成していたりするので通過点は早く超えないといけないと感じた。遅くてもゴールデンウイーク開催前までにはしたい」

 -関東での記念出場は16年6月・桐生周年以来

 「その頃は調整を見失っている時期でした。その点からすると最近は自分の調整の道は、はっきりしている。ぶれない調整。その時と今では気持ちが違うんじゃないかな。後付けになるけど、記念ではいつも20%台のエンジンしか引けないのでモーター抽選ですね。40%とか、評判のエンジンを引きたい。前検日にそれを手に入れて、自分の調整がしっかりできればというところにかかっている」

 -今年の目標は

 「まな弟子の内堀(学)がA1に上がって、追いつかれたというのがある。さらにステップアップできれば。それと87期の代表に近いまでの存在になって、同期を盛り上げたい。できればタイトルの1個でも取ってですね」

<福来 剛(ふくらい・つよし)> 1981(昭和56)年6月13日生まれの37歳。166センチ、50キロ。血液はA型。東京都出身。東京中華学校高等部中退。選手養成87期生、東京支部所属。同期には出畑孝典、山崎哲司、福島勇樹、杉山正樹、中村尊、石橋道友らがいる。00年11月・多摩川でデビュー(5着)。06年12月・多摩川で初優勝。GIは06年1月・新鋭王座決定戦(からつ)で初出場。08年7月・蒲郡周年で初優出(3着)。通算優勝は22回。

 

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