茨城女子大生殺害、「口を塞いだ」出頭前の容疑者は・・・
15年前に茨城県霞ヶ浦近くで女子大学生が殺害された事件で、国際手配されている男が出頭する意向を固め、24日にも、フィリピンを出国することがわかりました。JNNは男が出頭の意向を固めるまでを、独自取材していました。
出頭する意向を固めたのは、事件当時18歳だったフィリピン人の男(33)です。
この事件は、2004年1月、茨城県阿見町付近で茨城大学の女子大学生(当時21)が連れ去られ性的暴行を受けて殺害されたうえ、遺体を遺棄されたものです。
ランパノ・ジェリコ・モリ被告(37)は殺人などの罪で起訴され、無期懲役の判決を受けた一方、共犯の当時19歳と18歳だった男らは国際手配されています。
事件後、フィリピンに逃亡していた当時18歳の男は、JNNの取材に女子大学生を死亡させたことは認めましたが、殺意は否定しました。男はマニラの空港に向けて出発し、警察は、日本に到着し次第、逮捕する方針です。
去年10月、男は初めて、母親に犯行を打ち明けました。
「あの女性を暴行したんだ」(当時18歳の男)
「息子よ、なぜそんなことをしたの」(男の母親)
「女性は激しく抵抗したけど、口をふさいだんだ。ボールペンを使った。こうやって胸を刺すふりをしたんだ。殺すつもりは無かった」(当時18歳の男)
“告白”を聞いた男の母親や親族は、男に強く出頭を促し、事態が動くきっかけとなりました。
男は、フィリピンで叔母に育てられました。2003年、男が18歳だった時に、出稼ぎで日本にいた母親と一緒に暮らすことになり、初めて日本に渡りましたが、そのわずか1か月後の2004年1月に、犯行に及んだといいます。男はその直後にフィリピンに逃亡。定職につくこともなく、違法薬物を使うようになったといいます。
「家族に付き添われて、男が出てきました」(記者)
去年、薬物中毒の治療を始め、男の状態は大幅に改善。記者に「出頭の決意を固めた」と話したうえで、こう話しました。
「(遺族と)面と向かうのが怖いんです」
Q.何か遺族に伝えたいことは?
「謝りたいです。ゴメンナサイ」
また、男は遺族に対して謝罪の手紙も書いていました。
「本当に申し訳ございませんでした。私は自らが犯した愚行を自白します」
男はこうした内容の手紙を母親に託したといいますが、遺族の元に届いたのかはわかっていません。
そして22日、出国を前に男は、世話になった叔母の自宅で最後の手料理を食し、夜には被害者の女子大学生に祈りをささげました。