■卒業と同時に就職は困難に
卒業を控えた大学生の間では、「大学卒業と同時に社員証を首からぶら下げるのは昔の話だ」との言葉が聞かれる。就職競争がますます激しくなり、卒業後も自分の能力向上に努めなければ、狭き門を通れないからだ。昨年の韓国教育部(教育省)、韓国教育開発院による調査では、16年8月から17年2月の大卒者のうち、17年末までに就職に成功したのは66.2%だった。うち、卒業以前に就職が決まったのは3人に1人の35.3%だった。残りは大学を卒業後にさらに就職活動を続けたことになる。
卒業後、就職が決まるまでに要する期間は長くなりつつある。昨年の統計庁による調査で、15-29歳の青年が学校を卒業、中退後、最初の職場を見つけるまでに要した期間は10.7カ月だった。調査開始以来で最長だ。大学に入学してから卒業するまでの期間は5年と1.1カ月だった。
たとえ正社員として就職が決まっても、就職戦争が終わるわけではない。中小・中堅企業への就職者の相当数がさらに高い年収や安定した職場を目指して就職活動を続けるからだ。ジョブコリアの調査によると、正社員就職者の16%は「今年前半に他の大企業の新人採用に応募する」と答えた。公共機関への就職を目指すという人も12%いた。正社員就職者の4人に1人が大企業や公共機関に入るために就職活動を継続する計算になる。
延世大経済学部の成太胤(ソン・テユン)教授は「韓国では中小企業、非正社員から大企業、公共機関の正社員に転職することは難しいため、大卒後すぐに良い職場に入ろうと激しく競争する。理工系、ビジネス系などの一部人気学科を除けば、問題はさらに深刻だ」と分析した。