2月1日の法改正を前に「モバイルバッテリー」が安売りされているって本当? 家電量販店に聞いた

カテゴリ:暮らし

  • PSEマークが入っていないモバイルバッテリーは販売不可に
  • 経産省「モバイルバッテリーによる発火等の事故が急増」
  • ヨドバシカメラ、ビックカメラ、ケーズデンキ、エディオンに聞いた

現在、ツイッター上でとあるツイートが話題になっている。
内容は「2月1日からの法律改正に伴い、家電量販店でモバイルバッテリーが安くなっている」というものだ。これは果たして本当なのだろうか。

経済産業省のホームページで調べてみると、2018年2月1日の発表として、以下のように記述されていた。

今後、モバイルバッテリーを電気用品安全法に基づく規制対象と扱うこととします。なお、市場への影響を考慮し、1年間の経過措置期間を設定しますが、平成31年2月1日以降は、技術基準等を満たしたモバイルバッテリー以外は製造・輸入及び販売ができなくなります。(経産省HPより抜粋)

安全性を保証する“PSEマーク”

具体的な基準として、来月2月1日から、販売事業者にはすべてのモバイルバッテリーに“PSEマーク”がつけられたものの販売が義務付けられる。つまり、PSEマークが入っていないモバイルバッテリーの製造・輸入及び販売ができなくなるのだ。

PSEマーク

PSEマークとは、法律を守って製造もしくは輸入された「特定電気用品以外の電気用品」に表示されるマークのことで、事業者が自分たちで安全性を確認してあること、国が定めた一定の安全基準などを満たしていることの証となる。

そうなると、2月1日を前に、PSEマークが入っていないものが安売りされているということが現実味を帯びてくるが、まずは、なぜモバイルバッテリーにPSEマークの付与を義務付けるようにしたのだろうか?経産省の担当者に聞いてみた。

モバイルバッテリーによる火災など急増

ーーモバイルバッテリーのPSEマークを義務付けした背景は?

モバイルバッテリーにつきましては、近年、事故が急増しておりまして、電子機器の外付け電源として用いられるリチウムイオン蓄電池そのものと解されますことから、今回、通達を改正しまして、規制対象であることを明確化することとなりました。

モバイルバッテリーの事故件数推移

ーーモバイルバッテリーによる事故等は、どれくらい発生している?

年々モバイルバッテリーによる事故は増加しています。平成25年から29年の総数は150件にも及び、そのうち約7割が火災を伴う事故が発生しています。

具体的な事故事例としましては、以下のようなものがあげられます。

・ズボンのポケットにモバイルバッテリーをいれた状態で転倒し、外部からの衝撃により内部ショートが生じ、異常発熱により火傷を負った

・リコール品と知らず、充放電を繰り返すうちに内部ショートを起こし、火災が発生した

・モバイルバッテリーを充電しながら就寝していたところ、内部ショートが生じ、周囲の可燃物に引火する火災が発生

充電中、発火したモバイルバッテリーの再現(経産省より)

また、経産省によると、モバイルバッテリーによる発火等の事故の原因として、以下の事柄が考えられるそうだ。

・製造上の不良(異物混入や組み立ての不具合等)
リコール製品の可能性も高いため、使用製品がリコール対象製品かどうか確認することも重要。

・セルや保護回路の損傷(落下、押しつけなど使用上の外的要因)
消費者の使い方による損傷は、事故原因として最も多い。落下や鞄内での押し付けの他、車内など直射日光が当たる場所へ放置、鞄に入れっぱなしの充電は要注意。「衝撃」「圧力」「熱」はなるべく与えないこと。

・バッテリーの寿命
寿命期間は製品や使用方法によって、大きく変わる。使用中の製品に「変形」や「過度な発熱」がみられる場合は使用を中止、適切な廃棄を心がける。

各家電量販店に聞いてみた

では実際に、2月1日からの法律改正を前に、現在売られているモバイルバッテリーの価格は下がっているのだろうか。各家電量販店の広報担当者に聞いてみた。

ーーモバイルバッテリーの価格は下がっている?

(ヨドバシカメラ)
はい。通常価格より大幅に値下げしての販売をしておりましたが、現在では8割から9割ほどが売り切れている状況です。それらはすべて、PSEマークが入っていないものです。具体的には1月10日から、8280円のものを3980円で販売しておりました。

(ビックカメラ)
現在、販売しているモバイルバッテリーはすべて、PSEマークが入っている製品のため、特段そのような価格対応は実施しておりません。

(エディオン)
確かに1年前と比べますと、価格は下がっておりますが、PSEマークに関連した値引きではございません。
といいますのも、PSEマークが入っていないモバイルバッテリーは処分する方針で作業が進んでおりまして、現在はPSEマークが入ったものに入れ替えている段階です。

(ケーズデンキ)
去年半ばから、徐々に段階的に値下げを進めておりまして、在庫はほとんど残っていない状態です。具体的な値下げ額は、商品や店舗によって異なってきますので、一概には言えません。PSEマークが入っていないものは、店頭に並んでいるもので終了か、店舗によっては既に取り扱っていないと思われます。

家電量販店ごとに対応は違ったが、安売りしているところも在庫はあとわずかということだった。
また、PSEマークが入っていないモバイルバッテリーも、正しい使用方法を守って使用すれば、発火する危険性などは考えにくいというのが、各担当者の見解だった。

モバイルバッテリーに関わらず、電化製品は正しい使用方法を守り、安全にお使いいただきたい。

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