俺も魔法科高校に入学する   作:フリーザ様
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九校戦の様子

 

 

 

そんなこんなで、九校戦が始まった。開会式の間、大輝はアイマスクを着けて爆睡。で、早速真由美の試合である。スピード・シューティングの。

大輝が欠伸をしながら試合の観客席に座ってると、隣に達也と深雪とほのかと雫が座った。

 

「意外だな。大輝も他人の試合に興味あったのか」

 

「生徒会長にボコボコにされて泣きそうになりながらも競技を続けないといけない相手選手を笑いに来ただけだ」

 

「なんつー楽しみ方してるのよ……」

 

深雪が半眼になって言った。

 

「まぁ、スピード・シューティングのルール分かんないから見ててもよくわかんないんだけどね」

 

「じゃあ私が説明する」

 

と、自分が出る競技だからか、雫が言った。

 

「空間に射出された自分の色の標的を魔法で破壊して、その数を競うんだよ。だけど予選と違って準々決勝以降は対戦型になる」

 

「予選では大破壊力を以て複数の標的を一気に破壊するという戦術も可能だが、準々決勝以降は精密な照準が要求されるというわけだ」

 

と、達也も言った。

 

「へー。なるほどね」

 

つまり、狙い撃つぜェッ!ね。と、心の中で納得する。

 

「従って普通なら、予選と決勝トーナメントで使用魔法を変えてくるたころだが……」

 

「七草会長は予選も決勝も同じ戦い方をすることで有名ね」

 

その達也の台詞の続きを言ったのは、エリカだった。達也達の後ろに座っていた。

 

「エリカ」

 

「ハイ、達也くん」

 

「よっ」

 

「おはよう」

 

「おはようございます、達也さん、深雪さん、ほのかさん、雫さん、大輝さん」

 

レオ、エリカ、幹比古、美月と挨拶する。

 

「達也とその愉快な仲間たち」

 

「纏めるな」

 

レオが不満そうに言った。

 

「もっと前の方が空いてたんじゃないか?」

 

と、達也が後ろのメンバーに言った。

 

「達也くんたちの姿が見えたから。それにこの競技は離れた所からじゃないとわからないでしょ」

 

「まあな」

 

「バカな男どもが多いせいね」

 

「青少年だけではないようだがな」

 

「お姉様〜って奴?ホント、嘆かわしいったら」

 

「そう言うな。確かにあれは近くで見る価値があるかもしれん。毎日のように顔を合わせていた俺でも、別人かと思ってしまうくらいだからな」

 

「うわっ!深雪、どうする?浮気よ、ウワキ」

 

その言葉に、達也も深雪も苦笑いを浮かべる。

 

「会長さんをネタに同人誌作ってる人たちもいますしね……」

 

「……それは初耳ね」

 

美月の呟きにエリカが少し引き気味に言った。

 

「……美月、あなたはそれをどういう経緯で知ったのかしら?もしそういう趣味があるなら、わたしあちの友情を見直したいのだけど」

 

深雪も引き気味に言った。

 

「えぇっ?いえ、そんな趣味なんてありませんよ!」

 

「ミヅキ、エロイ〜」

 

「だ、大輝さん!」

 

真っ赤な顔で怒鳴られるも、大輝はケラケラと笑う。

 

「始まるぞ」

 

が、達也の一言で全員がコートに注目した。で、試合開始。その様子を大輝はぼんやり眺めていた。

 

「本当にロックオンじゃん……」

 

「ロックオン?」

 

「次の試合、『狙い撃つぜェッ!』って言ってもらおっかな」

 

「何言ってんだお前」

 

なんて達也と話してる間に試合が終わった。

 

「スゲェな、あの人。一発も漏らしてねぇよ」

 

「まぁ段違いではあるな」

 

「カッケーな。アイーダより遥かに正確な狙撃だ」

 

「さっきから何の話だ?」

 

「や、なんでもない」

 

 

 

 

続いてバトルボード。コースの準備が終わり、選手がコールされる。摩利の出番だ。選手紹介アナウンスで摩利の名前が呼ばれた瞬間、

 

「委員長ー!」

「摩利さぁーん!」

「くたばれ渡辺この野郎ォォォォ‼︎」

「今くたばれっつったの誰だ!」

 

と、若干一名(というか大輝)を除いて黄色い声援が飛ぶ。ちなみに最後のは摩利本人の台詞だ。

 

「………どうもうちの先輩たちには、妙に熱心なファンが付いてるらしいな」

 

「わかる気もします。渡辺先輩はカッコいいですから」

 

「事故死してさっさと委員長辞めてくんねーかなぁ」

 

「大輝、その木刀どうする気だ?」

 

木刀を投げようとしてる大輝に達也はツッコむ。で、競技が始まった。瞬間、四高の選手が水面を爆破させた。

 

「自爆戦術?」

 

エリカが呆れ声で呟いた。

 

「あっ、持ち直したぜ」

 

ちなみに摩利は四高選手の作り出した波にも巻き込まれずに早くも独走していた。

 

「チッ、勝つのかよ。やっぱりバズーカ持ってくりゃよかった」

 

「何に使うつもりだよ」

 

レオがツッコんだ。大輝の言った通り、硬化魔法と移動魔法を上手く使った摩利の勝利は、コース半分も過ぎないうちに確実なものとなっていた。

 

 

 

 

1日目の競技はすべて終わった。スピード・シューティングは大方の予想通り、女子男子一高が優勝した。

で、今は2日目。アイス・ピラーズ・ブレイクを見に来た大輝。すると、丁度五十里と出会した。

 

「あ、君は……」

 

「どうも」

 

お互い、名前を覚えてないけど、何度か顔は合わせてるので今更自己紹介するのもアレな関係だ。

 

「花音の応援?」

 

「一応」

 

「ありがとう。じゃ、こっちおいで」

 

「うぃっす」

 

と、五十里が中に入り、大輝はついて行く。で、スタッフ用のモニタールームに入った。中には達也と雫と深雪がいた。

 

「五十里先輩。……と、大輝?」

 

「よう」

 

「やあ」

 

お互いに「この人、五十里(大輝)って言うんだ……」と思いつつ、返事をした。

 

「千代田先輩の調子はどうですか?」

 

「ずいぶん気合が入っているよ。入れ込み過ぎて明日に影響しないか、心配なくらいだね」

 

「一回戦は最短決着だったそうですね」

 

「花音はああいう性格だから。もう少し慎重に行ってくれると、見ている方も安心なんだけど」

 

と、話してる中、雫が大輝に聞いた。

 

「クラウド・ボール、どうだった?」

 

「ダメだあんなんじゃ。会長が強過ぎて参考にならん。桐原先輩の方いきゃよかったぜ」

 

「真田くんはどうなの?新人戦」

 

と、深雪が聞く。

 

「いつも通りやるだけだ。やるからには相手の心をヘシ折る」

 

「あれ?なんか違くない?」

 

と、若干ずっこけながらツッコむ深雪。

 

「始まる」

 

雫が呟くと、4人はフィールドを見た。

花音と相手選手がフィールドに上がってきて試合開始。

 

「あら?」

 

「なに?」

 

「?」

 

相手の氷柱が五本倒れ、相手は防御から攻撃に切り替えた。あっさり、花音の氷柱も崩れ落ちていくが、花音は防御に回らない。

 

「思い切りがいいというか大雑把というか……倒される前に倒しちゃえ、なんだよね、花音て」

 

苦笑いで五十里が説明した。

 

「絶対、O型でしょ」

 

「うん、まぁね……」

 

自陣が六本になったところで、花音は相手の氷柱を全部倒し終えた。

 

「勝利!」

 

と、その場からモニタールームにピースする花音。それに五十里は手を振った。

 

 





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