俺も魔法科高校に入学する 作:フリーザ様
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生徒会室。
「と、いうわけで、クラウドボールの新人戦枠でお願いね。真田くん」
真由美に言われた大輝。
「………すいやせん、もう一度言ってもらえますか?」
「や、だからクラウドボールの新人戦枠でよろしくねって」
「すいません、もう一度言ってもらえます?」
「だーかーらー、クラウドボールの選手よ。魔法がなくてもあれ戦えるでしょ?」
「魔法が無くても戦えるとかそういうのの前に根本的なこと聞くわ。ルールは?」
「いや聞くことそこかよ」
思わず達也がツッコんだ。
「まず、二科生の大輝を出して平気なんですか?」
「平気よ。ルール上問題はないもの」
「そ、そういうことではなくてですね。他の一科生から文句出ないんですか?」
「今の一年生で真田くんに文句言える生徒は達也くんくらいのものよ」
「…………」
反論の余地が無かった。
「それに、ちゃんと成績残せば大丈夫よ」
「大輝はやる気あるのか?」
「やるからには勝つよ俺は」
「意外にやる気なのな……」
もう達也はどうにでもなれという感じだった。どうせ、自分には関係ない。それに、なんだかんだ達也は大輝の魔法を見たことがない。もしかしたら良い機会かもしれないと、少し楽しみでもあった。
「じゃあ、早速練習しようか」
摩利が威勢良く立ち上がった。
「で、クラウドボールって何?」
「まぁあれだ。テニスみたいなもんだ」
「なるほど。まぁスポーツ全般なら俺なんでもできるんで。テニスなんてチョロいもんすよ」
「そうか。じゃ、行くぞ」
早速、練習場に向かった。
○
練習場。クラウド・ボールとは圧縮空気を用いたシューターから射出された直径6cmの低反発ボールを魔法かラケットを使って、制限時間内に相手のコートへ落とした回数を競う競技だ。1セット3分で透明な箱にすっぽり覆われたコートの中へ20秒ごとに追加射出され、最終的には9個のボールを追いかける。
「どこがテニスだクソババァ!テニスはテニスでもテニプリだろうが‼︎」
と、大輝は割と本気でキレていた。
「まぁそう言うな。いいと言ったのは君だ」
「こんの野郎……」
「てかテニプリでもこの次元は無理だろう」
「そういう問題じゃねぇよ!」
で、大輝はため息をついた。
「ちなみに、クラウド・ボールってのは俺以外に誰が出るんすか?」
「君以外だと、本戦で真由美と桐原が出る。新人戦の女子は知らん」
「いや知らんって……てか七草先輩出るんすか?」
「そうだが?」
で、大輝はテニス姿の真由美を思い浮かべる。
「………似合いますね」
「何を想像したのか知らんが不快だな」
で、早速練習する為にラケットを持って大輝はコートに立った。
「じゃ、ボール射出するぞ」
摩利がそう言うと、ボールが飛んできた。それを普通に打ち返す大輝。
「なんだ、できるじゃないか」
「このくらい普通でしょ」
なんて言いながら練習してると、男子本戦の方に出場する桐原がやってきた。
「おう、お前もクラウド出るんだってな」
「誰?」
「一緒にテロリスト狩っただろうが!桐原だ!」
「………誰?」
「まぁそれはいい。一緒に練習しねぇか?」
「いいですよ」
そんなわけで、2人は試合形式で練習することになった。ボールが射出され、お互いに打ち合いが始まる。桐原はボールに移動魔法を使うものの、大輝は自分の反射神経と動体視力で打ち返す。
「うおっ……!やるな真田……!」
続いて二つ目のボール射出。それでも食らい付く大輝。三つ目、四つ目と追加されていったが、ボールは今の所一つも落ちない。だが、大輝が不利なのは間違いない。結果、7対2で負けた。
「ゼェ…ハァ……ゼェ……」
大の字で寝そべる大輝に桐原が引き気味に言った。
「お前、化け物か……?」
「いや……無理……死ぬ……」
と、大輝はうんざり気味に呟いた。
「大丈夫か?水だ」
摩利も飲み物を渡してくれる。それをがぶ飲みする大輝。
「しかしよく2点も取れたな……。桐原から、それも魔法なしで2点も取れるなんてすごいぞ」
「どうも……」
と、大輝はまた一口水を飲んだ。
「魔法は使わないのか?」
「そんな精密な魔法は使えねーですよ。俺、二科生なので」
「そうか……。ま、もうメンバーになっちゃったし、頑張ってくれよ」
誰のせいだよ……と、心の中でツッコんだ。
「さて、じゃあここまでにしとこうか」
「えっ、もうすか?」
「本格的な練習は発足式が終わってからだ」
桐原に言われ、大輝は仕方ないと言わんばかりにため息をついた。